7回目ともなると余裕が出てきて、開講初日の早朝、午前5時40分ごろの市内循環バスに乗り、春日大社の朝詣でに行くことにしました。
この時間、駅前広場はがらんとしています。
どこで降りたらいいのか迷いましたが春日大社表参道というところで降りてみると、目の前は飛火野という場所でした。
清々しくて、鹿が三々五々いて、いいところです。
だがしかしこのあとがいけない。
春日大社の一の鳥居を目指して上へと登っていき本殿の前まで来た時念のため道行く人に尋ねたら一の鳥居はそこと反対側のところ。
奈良国立博物館の裏手でそこまで戻っていかなければなりませんでした。
その大変さはどれくらいかと言うとむかし黄龍というところに行った時、ロープウェイを降りたところで軽い高山病にかかりみんなから遅れて1人で歩いて行くはめになり、分岐点のところで右か左か迷いましたが右の建物が見えるほうに進んで行きました。
苦しい息の中でやっとあえぎながらそこまで着いたところ実は反対側へ来てしまっていて、よほど諦めようと思いましたが最後の力を振り絞って今度は上の方を目指して登ってきました。
あんなに苦しかった事はあまり経験がありません。
今度の春日大社も大変でした。
結局参道を2往復したことになります。
やっとの思いで一の鳥居にたどりつき、6時半の集合時間に間に合いました。
紫の袴をはいた神主さんの案内で参道をゆっくりと本殿に向かって歩いていきます。
途中何度も足をとめ、いろいろな解説をしてくださって大変ためになる催しでしたが、記憶力が弱いのでほんの一部だけ。
むくろじゅという樹ですが、宿り木になっていて、幹の上のほうに太い竹が何本も成長しています。
御旅所。
神様が休憩するところらしい。
芝生の舞台があって、夜通し伎楽や舞楽をやるそうですが、ここから芝居という言葉が発祥したのだそうで。
この説明会は本殿の前まで続き、最後に拝礼して終わります。
ここまでは無料ですが、そのあと内部を説明付きで案内されるためには1000円奉納しなくてはなりません。
私もぜひ参加したいところでしたが、なにしろ9時には法隆寺夏季大学が始まってしまうので、あきらめて少し下ったところでタクシーを拾い、駅まで乗ってしまいました(1300円)。
このタクシーの運転手さん、よくしゃべる人で、得意げにいろいろ話すのですが、藤原氏に触れて、藤原さんが近くにいれば近藤さん、遠州に行けば遠藤さん・・・などと藤のつく苗字をつぎつぎ上げて、最後に、「佐藤さんははて何から来ているのやら」ということに落ち着きました。
じつは私は知っているんですよ。
佐藤の佐は「助ける」という意味があって、藤原氏を助ける立場にいるから佐藤というのです。
西行法師も旧姓は佐藤義清ですからね。
これを言ったら運転手さん、しーん、となりました。
駅へはタクシーに乗ったおかげで8時に到着しました。
それで宿泊先のスーパーホテルロハスの食堂でバイキングの朝食をしっかり頂き、20分の電車で法隆寺駅へ向かい、駅からは炎天下歩いて法隆寺まで行き、ちゃんと9時の開講に間に合ったのです。
この日の午後にはどレンジャー放水訓練があり、それはそれは涼しい催しです。
このあと各班に分かれてお坊さんの案内でふだん公開していない国宝などを拝観させてもらいます。
私は7回目なのでだいたい勝手がわかってきたため、自由行動にしました。
見どころとして抑えるのは聖霊院の国宝仏像群、宝蔵院の百済観音や百萬塔、平成の玉虫厨子、夢殿の救世観音などです。
今年は救世観音の両側の扉を跳ね上げてあったので、びっくりするほどはっきりお顔が拝めてとてもよかったです。
いつもは誰かが懐中電灯で照らしているのを目を凝らして見るくらいなもので。
絵殿舎利殿のところで、私が足が痛くてよろよろと歩いていたら、係の女の人が熱中症だと思ったらしく、お茶でも飲んだらどうですか、などと気を使ってくれた。
この日の歩数は17000歩。
靴も新しくて合わなくて悪かったけど、たしかに歩きすぎた感もあります。