望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

それでも人は舞台に集まる

2021-07-18 10:52:54 | 演劇・舞台・小劇場

 

面白い本を読みました。


たしかTwitterかどこかで見つけて、

図書館にリクエストして借りてきました。



ただ、読んでいるうちに、

ずっと前に、若くして亡くなった役者さんが、
まだ生き生きと舞台に立ってらして、
胸がギュッとなったり、

いろいろと「?」な記述が・・・。

あれ?と、もうちょっと進んだところで、
「フロッピー」という決定的な単語に遭遇して、

奥付けを見たら、ちょうど20年前の本でした。



 だよね~~、やっぱりね~~。


でも、
はてなマークをいくつも飛ばしながら、
半分くらいまで読んでしまったのにはワケがあって、



確かに登場人物や作品の話は昔だったけれど、


 <内容が今と全く変わってない!>



もちろんこの筆者がいらっしゃるのは、
私のいる世界よりも、もっと大きい舞台で、

スタッフもキャストも皆、
演劇で食えている人たちなんだけれど、


 それであっても、

 20年前も今も、


お金のないのは一緒、

やってることも一緒、

  なんですね~~、これが。


だから、あれもこれも、
私がよくウラ話で書いてるのと、ほとんど一緒!


結局、書きたいところは一緒なんだなぁと、
妙に納得してしまいました。



例の、劇場にいらっしゃる、人ならぬ方のことや、そのお祓い、

舞台監督さんのこと、制作さんのこと、

着到板の話、チラシの順番、折り込みのバケツリレー。


「折り込みは普通、プロのスタッフがやるが、
 劇団さんだと若手がやったりする」

なんて話もあったけど、

いやいや、我々の世界だと、
かなりいいトシをした客演までが、
汗水たらして、やってたり致します(笑)


そして、意外なところで興奮したのが、

20年以上前、

客席でワクワクしながら観ていた作品の話が、
たくさん登場すること!


あーそうそう、この舞台観たわ〜、大好きだった〜、
なんて、
その当時のことを興奮気味に思い出して、

あの頃は若かったなぁ、なんて。
(実はそんなに若くなかった。でも、今から20年分は若かった)


もう、かなりキュンキュンな気分で、
何度もボーっと別の世界に飛びました。




といっても、

当時から私も役者をやっていたワケで、

今から考えると、
よくもあんなに沢山の、

自分に関係のない芝居を観に行ってたなぁと、
そのことにも驚きました。


おかしな書き方ですが、

それほどに今は、
知り合い以外の芝居を観ることがないのです。


ヘンなのは重々承知だし、
勉強したり、刺激もほしいのですが、
いろんな意味で余裕がない・・・。


  そうか・・・。


この20年で、
それだけ知り合いの役者が増えたってことか。


といっても、観に行くのは、
その、ごくごく一部。一割もないくらい。

なのに、知り合いの公演だけで、もう一杯いっぱい。

はい、これが、ほとんどの役者の現実です。


あの人はいつも私の公演に来てくれる、
と思えば、

あちらの公演にも行ってあげなきゃ、
と思うのは人情だし、


あいつの芝居は面白いけど、
こっちの芝居を全然観に来ないよな~、
となれば、

ま、こっちもやめとくか、
となるのも人情。


自嘲気味に「演劇互助会」なんて笑ったりしますが、
アイドルでもない限り、
同業者ゼロでは動員はキビシイ。

はい、これが、ほとんどの役者の現実です。


特に私のように、無駄に長くやっている人間は、
そこの兼ね合いがとても難しいのですね。



なーんて、

まったく違う話になっちゃいましたが、

着物の話、小道具の話、衣裳の話。

そしてこの筆者の専門である制作の話。

なにもかも、本当に変わってないんです。

大きくても小さくても。

20年前も、今も。


お金にならないのは、
そのずっとずっと昔からだし。



ま、やっている事も、

生身の人間が舞台で演じるという、

何ひとつ変わらないことなんだから仕方ないか。



  ・・・それでも人は舞台に集まる。

 

 

 

 


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