のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

見つめて、変えて、いい身体

2008-06-20 | KA
 ショーの前、バーレッスンをしていると、ターンアウトをした時に突然痛みが出ました。内股で踊るわけにはいかないので、その時までに何とかしなければいけません。 
 私は普段、ショーの最中の舞台裏、舞台袖で同じ行動をしています。小心者なので、それが安心につながるということもあります。でも、今日はふと、「身体の調子が悪いのだから、同じじゃダメなんじゃない?」と、不安にならずに行動を変えることができました。当たり前といえば当たり前ですが、私にとっては画期的。
 問題のシーンは、今朝のうちから違う姿勢を考えていたので、変えてみました。長い時間この姿勢を保つのは決して楽ではありませんが、身体のためにはこちらのほうがいいかもしれません。
 終わってみると昨日よりもいい身体。徐々にいい方向に向かっている気はします。
 8月のダンスコンサートに誘いが掛かっているのですが、この骨盤周辺の問題が気になっています。でも、身体は違う動きを真剣にしたら喜びそうにも思えてきました。そのためにもこの問題を早く解決して、心配なく、自由に気持ち良く動く身体を取り戻したいと思います。

丸ごと一回お買い上げ

2008-06-19 | KA
 アメリカに本社があり、世界中に支社を持つ“CRESTRON”という会社が、本日一回目のショーを丸ごとお買い上げになりました。いつか、どこかの国の王様が同じことをしようとしていたことを思い出し、その時のイメージで、観客席にあまり人はいないのかと思っていると、満員でした。
 彼らのためだけにするショーなので、ショーの始まる前、タタミと呼ばれる舞台に置かれた皇帝のための席に、会社の最高経営責任者、最高執行責任者であろう方々がお座りになり、登場しました。舞台が前まで出てくると、彼らはしばらくスピーチをし、その後本来のショーが始まりました。
 KAはオートメイションが欠かせないショーなので、専門の方がご覧になったら面白いでしょう。とてもいい反応で、最後には総立ちで拍手を送って下さいました。

才能

2008-06-18 | 日記
 昨年一年の活動を評価して下さる日でした。通信簿の様なものを頂きます。演技、仕事態度、健康管理など、全部で16の項目にコメントが書かれ、最終的に4段階の評価がされています。
 私は今年もいい評価を頂くことができました。日本人ならば、このような仕事の仕方は普通の様な気もしますが、ここでは“良く働いている人”になります。昨年、「あなたはもっといろいろなことに興味を持った方がいい。」などと言った彼女も、一年以上も一緒に仕事をしていれば人のことが分かるようで、全く違う話の仕方でした。
 「10年後は何をしたいの。」と訊かれ、「9年間を一生懸命に過ごして、なるようになっているだけです。」と答えると、「あなたの才能はこの会社で活かされると思うから、将来のことを考えて今から準備をしたらいいわよ。ステージマネージメントでもプロップスでもアーティスティックディレクターでも…。」
 いろいろなことに興味があるのは、お分かり頂いた通りです。でも、私の“才能”ねぇ…。その仕事に本来必要な“才能”というよりも、どんな分野でもきちんと働くことが出来る“才能”を持っていると見て下さっているのかな。いずれにしても良いことです。

右前?左前?

2008-06-17 | KA
 昨日カイロプラクティックに行ったので、身体の歪みはだいぶ治っている感じでした。それでは、身体をおかしくさせたシーンはどうしたらいいのでしょう。
 身体が歪み易い方向にいかない姿勢を、一回目のショーでとることにしました。これがこの半年、調子の良い姿勢でした。そして二回目は反対の姿勢をしてみようとしていたのですが、一回目を終えた時点で、調子は悪くなりました。二回目は反対の姿勢にし、少しは戻ったような気もします。
 これはもしかすると、どちらの姿勢も身体に悪くなっているかもしれません。何か別の姿勢を考える時のようです。痛みがあると余計な緊張をすることになるので、早く解決策を見付けたいと思います。

Planting the seeds

2008-06-16 | 日記
 今日は暑かったです。40度を超えていました。華氏で106度。ということはまだ暑くなるのか…華氏の116度は摂氏の何度だったかしら…いや、考えるのはやめることにします。とにかくもっと暑くなる覚悟はしておきます。

 “CINEVEGAS”の一環、ウインホテルで本日のみ特別上映の『Planting the seeds』を観に行きました。ディレクターは村上隆さん。25ドルというチケット、ウインホテルのLake of Dreamでの上映はどういうことになるのか、という興味もありました。
 ウインに着き、コンシェルジュでチケットを購入。Lake of Dreamの入口に近づくとドレスアップした方々の姿。私はジーンズで行ってしまったので、入れるかしらと心配になりました。チケットを係の人に見せると、“一般人”の入口は違ったようで、横にある別の入口に案内されました。そこには小さなバーがあり、普段はLake of Dreamを見ながらお酒を楽しめるちょっとした場所なのでしょう、パラソルと籐でできた椅子が置いてありました。もう相席しかないので、家族連れかなと思われる、頼みやすそうな方にお願いして、ご一緒させて頂きました。
 ここはパティオで、Lake of Dreamを上から見るようになります。下を覗くと、水面の脇にあるレストランにドレスアップされた方々が居るようでした。しばらくすると、放送が入りました。司会の方がそのレストランに居るようなので覗き込んでみましたが、位置が悪くほとんど見えません。諦めて座って声だけ聞いていましたが、スティーヴン・ウインさんの紹介があった時には、立ち上がってもう一度覗きこみました。でも見えず、結局は座ることに。そして、村上隆さんもいらしていて、スピーチをされました。もちろんこのときは、初めからおとなしく座って聞いていました。
 映画は、Lake of Dreamにある滝と言ったらいいのでしょうか、水が流れ落ちている大きな部分をスクリーンに上映されました。日本語で英語の字幕。カイカイとキキが旅の途中にすいか畑に落ち、畑仕事を手伝ったご褒美に種をもらって自分たちで育てて…。とてもかわいらしいアニメの映画でした。
 映画は十数分で終わり、一緒に座らせてくれた方にお礼を言って立ち去ろうとしたのですが、どうもその方々、特に息子さんは日本語が分かるようでした。伺ってみると、勉強中とのこと。「アナタノナマエワナンデスカ。」と訊かれたので答えると、彼は元気よく自分の名前を言いました。私は思わず笑いました。彼が自分で付けた日本語の名前は、兄の名前と同じだったのです。彼にそのことを言うと、興奮しながらどう書くのか尋ねてきました。私はどう説明しようかと一瞬考えていると、彼がテーブルに指で漢字を書きました。そしてなんと漢字まで同じだったのです。二人で大笑い。それからいろいろなことを話し、思いがけず楽しいひとときとなりました。

Enoteca San Marco

2008-06-15 | 日記
 ラスベガスに昨年まで住んでいた友人と、お父さまとベネシアンにイタリア料理を食べに行きました。
 生ハムとチーズの盛り合わせ。ワインが飲めたらもっと楽しめるのかしらと思いながら、飲めなくても十分に楽しめました。チーズにはアプリコットとブルーベリーとはちみつの3種の甘いソースが付いてきました。ソースにからめてパンに載せたり、生ハムに巻いたり。
 ペンネは小さめで上品、少し固めに茹でてありました。ピザはトマトソースがたっぷりのってあっさりしていました。豚肩肉はとても柔らかく、臭みが全くありませんでした。表面のカリカリしたところは甘めのソースがしみていて触感とともに楽しめました。
 デザートは、ジェラートが中心でした。頼んだものは、なんとお酒の中に入ってきて、ジェラートがお酒に溶けてしまう前に急いで頂きました。カクテルグラスに、透明なお酒、そこに赤とピンクのジェラート。とてもきれいでした。
 頂いたものはすべておいしく、いろいろな話にいろいろな料理、十分に楽しめました。でも、ジェラートを食べたらすっかり寒くなり、急いでお店を後にしました。外の暑さが心地よいほどでした。

 そして、真夜中は映画。今、ラスベガスでは“CINEVEGAS”という映画祭が行われています。その中心となっているパームスホテルの映画館で『DARK STREET』という映画を、プライベートスクリーン、貸し切りで上映することになっていました。
 するとそこに憧れのMr.67番が現れてびっくり。KAの友達からチケットをもらったそうで、その仲間達とワイワイガヤガヤ1番早くに会場に入って、結局彼は私の隣。ホッケー仲間には内緒という秘密も教えてもらいました。
 映画は暗くて重い感じ。音楽が印象的でした。
 “CINEVEGAS”に、日本人ディレクターの作品を見付けたので明日はそれを観に行こうと思います。

アルマンさん

2008-06-14 | KA
 トレーニングルームを後にしようと思ったショー開始直前、声を掛けられました。どなたかよく分からずに、近寄るとアルマンさん。クリエイション時からショーが始まってしばらくの間、ステージマネージメントのトップをされていた方で、とてもお世話になった方です。久しぶりで、ビックリしながらハグをしようとすると
「今、人には触れないようにしているんだよ。」
 と。その後すぐ、双子役の二人が近寄って来ても、同じようにさらっと手を握ることしかしませんでした。
「今ね、血液の癌と闘っていて、だからも頭こんなで、誰だか分からなかったでしょ。ちょっと太ったしね。」
 彼はいつものように優しい声で、微笑みながら言いました。
「そんな顔で見ないでよ。」
 と双子の男の子役に言うと、話を続けました。
「去年の12月から闘っているのだけれど、身体の中のシステムを全部替えているところだから、疲れやすいんだよね。でも新しいショーの仕事には今だ関わっているんだよ。だから今日はこうしてデザイナーの方を連れてここに来たんだ。KAは2年ぐらい観ていないかな。今日はこれから観たいとは思っているのだけど、こんな身体で疲れているからどうなることか。」
 それから私は更衣室へ向かいました。涙を目に溜めながら更衣室へ向かいました。彼のことを知っている仲間に彼のことを話すと、その涙はこぼれました。「もうショーが始まるのだから。」と何度も言い聞かせているのに涙は一向に止まりません。どこへ行っても彼とのいろいろな出来事が思い出されて、その度に涙は溢れました。そしてとうとうそのまま舞台の中に乗り込むことになってしまいました。
 ショーが始まり、舞台の側面に出た後、いつものように、その時に行われているシーンの歌を歌いました。そして、自分のあまりにもかすれた声を聴き、また涙が出ました。舞台が下りると、走って更衣室へ戻りました。鏡に映ったのは予想通りのひどい顔。急いでメイクをし直しました。
 それからは頑張って舞台に立ちました。きっとアルマンさんは客席にいらして下さると信じて舞台に立ちました。もしも彼が疲れを感じ始めても、もう一つだけ、もう一つだけ、と心はワクワクしながらご覧頂いているかもしれません。KAを去る前、初めて客席からご覧になったアルマンさんから頂いた感想を思い出しながら、その後2年間での成長を、背伸びすることなく少しでもご覧頂けることを願いました。アルマンさんのことを考えていると、この一週間、身体の歪みからくる痛みに、悩んでいたことなど本当に些細なことに思えました。
 ショーが終わり、舞台裏を歩いていると、私の身体を心配してくれるゲイルに声を掛けられました。彼女はアルマンさんのことは知らないのですが、話すと、また涙を流してしまいました。でも最後には微笑んで「彼が客席に居ると信じて、彼のためにこのショーをしたの。二回目のショーはあなたの友達が来るのよね。次は彼らの為にするから。」と言うことができました。
 いつもより、どことなく静かな気持ちで二回目のショーの準備をしていました。衣装を着けてトレーニングルームへ向かうと、アルマンさんの元オフィスに彼の姿を見たような気がして、一歩過ぎてから戻りました。すると、彼の満面の笑み。
「ああ、ノリコ!良かったよ。きみの姿を舞台で見られて本当に良かった。相変わらず舞台に情熱を注いでいるんだね。出番も増えたんだね。」
 そう言いながら手を差し出してくれました。私は両手で彼の手をしっかりと握りながらお礼を言いました。それからかも彼は、何度も何度も“舞台に立っている私の姿”を見られたことに良かった良かったと言っていました。
 トレーニングルームへ行き、手足を広げて上向きに寝て、高い天井を見上げました。しばらくボーっと見上げていました。

シェフ、ジェフ

2008-06-13 | KA
 グリーンルームを台所にし、有名シェフのジェフさんが中心となって、料理。一回目のショーが終わった後に、その料理をアーティストに振る舞って下さるという日でした。
 5時ぐらいからテーブルのセッティングが始まり、グリーンルームは大変身。その後、料理が始まりました。本当はじっと見ていたいところですが、私も仕事があるのでそうもいかず。こういうことを楽しむ余裕を持ってショーに臨めるようには、まだなっていないようです。その場所を通り過ぎる度に覘いて楽しむことしかできませんでした。
 ショーが始まる少し前から辺りは玉葱の匂い。それはかなりきつく、アロマ効果はどのように出るのか見つめていました。元気になったかな、と感じてから、ちょっと息苦しいかも。
 ショーの間、いつも走りぬけるグリーンルームやその周辺の通路には、カメラの方や音声の方、その他関係者が溢れていて、少しリズムが狂います。
 これぐらいのことで気が散るとは思えませんし、玉葱の匂いで感覚が鈍くなるとも思えません。でも、今日の一回目のショー、私の感性は鈍っていました。何かが出来なかったとか、上手くいかなかったことがあるということではありませんが、反応は悪く、エネルギーを出し切れなかった感じでした。こんな自分は好きではありません。
 ショーが終わり、トレーニングルームで調整をしてから、グリーンルームへ行ってみました。出来上がった料理はとても上品なものでした。カナッペ風のものが二品。巻きずし。生ガキ。どれもとても小さいので頂いてみることにしました。でも小さすぎて、キャビアの味ぐらいしか分かりませんでした。生ガキはとてもおいしそうにありましたが、ショーの前に頂くには勇気がなく断念。
 みんなは、今日頂ける料理でお腹を満たそうとしていたようです。でもそれでは量が足りず、自分で持ってきた食べ物を食べ始めたようです。それが気になったのかどうかは分かりませんが、私がショーの準備をし終えて、グリーンルームを通ってトレーニングルームへ行く時に見たジェフさんの表情は冴えないものでした。
 私は私で、一回目のショーの自分のことが嫌いで。でも「嫌いだ、嫌いだ。」と思っているとそういう演技になってしまうことでしょう。どうしたら感性を戻せるのか、自分の心と身体をじっと見つめてから二回目のショーに向かいました。
 ジェフさんが、手際よく片付けている助手の方々に、二回目のショーを観に行くかと訊いていたのを思い出しました。みなさんが実際にいらして下さっていたのかどうかは分かりませんが、みなさんが私達のために費やして下さった労力と同じ力を注いでお返しできるようにしたいと思いました。するとジェフさんが笑っている顔が思い浮かびました。もしかすると、「これじゃお腹すくよね。」と笑っていらっしゃるかな、と思ったり。そして、気持ちよく演技を終え、ショーを終えられました。
 ふと、みんなは一度の舞台にどれぐらいのエネルギーを注いでいるのだろう、と思いました。私は一回目ぐらいの感覚で毎日舞台に立っていたら、三日で嫌になると思います。そして、エネルギーは出した分必ず返ってくるもので、だからこそ、出し切っても毎日元気を回復し、次に臨めるのだと思いました。

2枚目終了

2008-06-12 | ピラーティス・ジャイロトニック
 ピラーティスのインターン記録用紙、2枚目がいっぱいになったので、合計時間をワクワクしながら計算してみました。2枚目27時間5分。1枚目と合わせて58時間10分。必要な100時間まで、まだまだと考えるか、もう少しと考えるか。いずれにしても、少なくとも記録用紙があと2枚は必要でしょう。私のようにのんびりと行う人はいないのか、用紙は2枚しか頂かなかったので、作成しました。
 今月、英語の先生が休暇を取っていらっしゃるので、その分の時間をインターンに当てられます。いつもより間隔を置かずにインターンができるというのは、頭を戻す時間が短くて済むのでいいようです。

ビシッ、バシッ、ゴ~ン

2008-06-11 | KA
 いつものように舞台裏を通過していると、壁に当たり、アーチャズデンで振り返って走り去ろうとすると、フルートケースの紐がバシッと。振り返ると、今日は他にも“当たり”の多い日。気をつけないと、と思いながら影絵に出て行きました。すると、スカートを勢いよく取るときに、爪が何かに引っ掛かり、剥がれそうに。うわ、次は踊る場面。本当に気をつけないと。
 “当たる”ということから、フルートをケイジに当てて落としてしまう可能性を考えました。これは考えられること、注意できること。でも今日は今までになかったことが起きています。どんなこともすばやく対処できるように、もともと回転の遅い頭を、出来る限り冴え渡らせて出て行きました。
 しかし、やはり今日は“当たる”ようになっていたようです。ケイジの上に乗りこむときにゴ~ンと。左の骨盤をケイジに当てました。当てただけならばよかったのですが、どうも当たり所が悪かったようで、肘を打った時のように、抱えたいような痛みが走りました。それを隠して笑顔で踊る自分は、偽りの姿で舞台に立っているので心地悪かったです。

 今日は家で掛ける用の、度の弱いメガネで出掛けてしまいました。行きは不自由を感じませんでしたが、帰りは本当に見えにくく、光の大切さを感じました。これ以上“当てない”ように“当たらない”ように…。ゆっくりと帰ることにし、無事に帰れました。