のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

一体型エアバッグ導入

2009-04-30 | メディア
 ジェイロの事故があってから、ようやく新しいエアバッグを考え始め、ここ数週間はそれに伴うリハーサルがたびたび行われていました。新しいエアバッグは、壁となる部分と床となる部分に境がなく一体型になっているので、今までのように境目に入り込んで鉄の柵やコンクリートの床に身体を打ち付ける心配がなくなりました。これは、お客様から見えない部分なので、アーティストはもとよりバックステージテクニシャンの方々がもっとたくさん働いて、毎日のように早出出勤をしていました。
 今日は最終点検となるリハーサルが行われました。そのために、クライムのアーティストだけではなく、その前のシーンに出ている私も呼び出されました。一回目は作業用の照明でクライムのシーンだけアーティストを入れて行い、二回目はショーと同じ照明にして、あとは同じようにビーチのシーンから行いました。ビーチのシーンでアーティストが安全ネットの上に落ちると、エアバッグを膨らます作業が始まります。私はその間に出ていき、影絵が行われている間にエアバッグが膨らみ切ります。エアバッグに空気を入れるのにどれだけ時間が掛かるのか、影絵は延長しなくて良いのかなどを確認しました。全てのことが上手く運ぶようになったので、今日からついに新しいエアバッグがショーで使用されることになりました。ショーの中でも無事に作業は行われ、問題なく新しいエアバッグは導入されました。
 クライムは一度それをするだけでも体力的に相当きついと思いますが、今日はショーの前に二回行い、そしてまた本番で二回行ったわけです。クライムのアーティストのみなさん、本当にご苦労様でした。そして、裏で働いて下さったみなさんの毎日の作業にも感謝いたします。

 ラスベガスの無料週刊誌『Las Vegas Weekly』に載せて頂きました。撮影したのは一年ほど前。たくさんの質問にようやく答えましたが、それはあまり載ることなく。それは良いとして、私の役は“the baton-twirling daughter of the chief archer”となっていました。
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白髪の紳士

2009-04-29 | KA
 一回目のショーが終わりカツラを外しに向かう途中、一人の男性が私の方をちらっと見て、優しく微笑みながら親指を上げて下さいました。ショーを楽しんでいただけたことが分かり、嬉しく思いました。
 衣装を脱いでから、フルートの調子を見に行くと、その方にまたお会いすることができました。そしてお声を掛けて頂いたのですが、彼は両手を胸の前で握ると、あとはもう胸がいっぱいで言葉にならないようでした。お気持ちがとても良く伝わってきて、そしてまた、私もうまくお礼を言う事ができませんでした。
 優しい微笑みを胸に、二回目もまた気持ち良く舞う事が出来ました。
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眩しい花火

2009-04-28 | KA
 何となくいつもと違いました。気持ちがないわけではなく、身体が動かないわけではなく、集中に鋭さがないというか、丹田の辺りがぼわっとしているというか。でも、どうすることも出来ずにショーは始まってしまいました。途中で、お腹が痛いことが分かりました。前屈するとなぜか痛いのです。そして、キャプティビティは始まり、フルートを回し始めることになりました。やはり何か違うまま、久しぶりに満足感がなく終わってしまいました。こういう時は、大きな失敗をした時より、私の中では後味が悪く、笑顔を失います。きっと何も放てなかっただろうと思うと、誰にでも出来る仕事をしてしまったような気がして申し訳なく思いました。
 「今日はそういう日だから。」と終わらせてはいけません。分かったのならば、改善しなければなりません。二回目のショーが始まるまでに、エネルギーを身体中に行き渡させて、出ていきました。
 二回目のショーでは、試験的に新しい花火を上げました。二回目はいつものように出来たことを知らせてくれるかのように、その花火は光り輝いていました。
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VITALITY

2009-04-27 | 日記
 日曜日、月曜日の休演ですと、日曜日はゆっくりして月曜日に駆け回るというスケジュールになることが多いのです。銀行は月曜日でないと開いていませんし、郵便局も月曜日でないと開いていません。ダンスのレッスンを受けるならば月曜日ですし、保険屋さんだって月曜日にならないと営業しません。効率よく回れるように、やりたいことを書いておきました。
 今朝はそれを見て、「あっ。」と訂正。バレエのレッスンは、あと一週間ほど待った方がふくらはぎが喜ぶ気がします。でも、痛めていたことを忘れていたぐらい回復していることは分かりました。
 バレエがだめでもジャイロトニックなら大丈夫かな、と急いで電話をしてみました。すると40分後に予約が取れて、すぐに支度をしてレッスンを受けてきました。久しぶりのジャイロトニック、頭の回転が遅くて、これは定期的に来なくてはいけないと思い知らされました。
 今日は初めて、いつもと違う器具を使いました。すると、先生が「ふーん…。」と。私は自分の膝下の長さが特に短いのを知っていたので、恥ずかしく。でも、先生はそうはおっしゃらずに「脚だけじゃなくて、全体が小さいだけよ。これは日本人用に改良しないといけないわね。」と。私の膝下の長さはどうにかその器具を使える程でした。
 夜はBelieveのアーティスト達によるダンスの公演『VITALITY』を観に行きました。これは本当に良かったです。みなさん伸び伸びと自分のしたいダンスをしていて、生き生きとしていました。そして、良く身体の動くこと。日本人の友達二人は、他のみなさんとはさらに違う動きが出来て、さすがに選び抜かれてここへ来ている人達だと思いました。
 終わると踊り終えたばかりのダンサー達とお話ししたり、Believeの振付家、ウェイド・ロブソンさんにもお会いすることが出来ました。
 このショーを企画した若い彼女の輝いた顔、みなさんのダンスへの情熱、ショーのタイトル通りのとても素敵なショーでしたが、ショーの後にとても衝撃的な知らせを聞き、その後はいたたまれない気持ちになりました。
 そして、一人の友人のことを思い出しました。彼女はキャラクターを自分で生み出すほどクリエイションに積極的に参加し、開幕してからもどんなことがあっても休まないほど熱心に取り組んでいたのに、突然辞めさせられました。彼も同じように取り組んで来て、同じように辞めさせられることになりました。どうしてこの会社はいい加減といいたくなるような人々を残して、彼のような人を辞めさせるのか。
 家に帰ると、いつもは全く気にならないのに、無音であることに耐えられず、音楽を掛けました。そしてあとは何もできませんでした。
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鳥のさえずりを聞きながら

2009-04-26 | 日記
 このところ小鳥のさえずりを楽しめる毎日です。いつもは部屋の中で聞いているのですが、今日は買い物帰りに聞こえ、見上げるとその鳥が見えました。急いでカメラを取り出して撮影。小鳥というにはちょっと大きかったようです。
 二週間ほど前のことだったでしょうか、蚕豆を見付けて買いました。まだ走りだったのか、その後は見掛けません。でも今日は、スーパーにブナシメジが置かれるようになったことを教えて頂き、旬という事ではありませんが買いました。久しぶりのシメジ、予想以上においしかったです。
 もう、急激に寒くならないような気がして、冬物をしまう事にしました。ついでに少し片付けて、すっきりとしました。
 取材の方法として、メールで頂く質問に答えるのはちょっと大変です。対面してお話しながらですと、どのようなことが聞きたいのかが分かりますが、質問の文章を読んだだけでは分かりにくいことがあります。それが英語ですと尚更です。今日も時間が掛かってしまいました。
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もう落ちるの

2009-04-25 | KA
 元KAに居たアーティスト、テリーが訪れました。ビックリしてから納得。今日はMGMグランドアリーナでブリトニー・スピアーズさんのコンサートある日でした。彼はKAを辞め、彼女のバックダンサーになったのです。彼はとても元気そうで、再会をとても喜んでくれました。その後数人のアーティストが同じように辞めたので、そのみなさんともお会いできそうです。
 アーチャーズデンでフルートを運ぶ役がジャイロでした。彼はクライムで、後頭部から出血する大ケガをしてから、驚くほどの速さで復帰をしました。復帰後は、危険の少ない役をしていたのですが、今日のジェイロの役は、カウンセラーに叩かれて、安全ネットに落ちていかなくてはなりません。それは、通常ですと危険の少ない役なのかもしれませんが、あれ程の事故の後で、彼には恐怖心がないのか本当に心配になり、私の方がドキドキしてしまいました。終わってから話すと、全く何でもない、という感じで、強い人だなと思いました。来週にはクライムに復帰する予定とのこと。本当に強い人です。
 ショーが終わって街に出ると、とても混んでいました。コンサートの影響でしょうか。今日は自転車で良かったです。信号のタイミングも良く、とても早く家に着きました。
 今週はしばしば緊張したように思いますが、ふくらはぎの調子をあまり悪く感じずに、元気に舞台に立てました。
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鱗粉

2009-04-24 | KA
 小さい頃、尺取り虫を腕に乗せてかわいがっていたぐらいなので、虫は意外と大丈夫なのですが、ゴキブリはやはり苦手です。そして、蛾も好きではありません。もっといえば、蝶もあまり好きではありません。なぜなら鱗粉が苦手だからです。
 最近、蛾が劇場内を飛んでいます。今日は舞台裏の階段を下りる時に蛾が現れ、思わず声を上げると、一緒に階段を下りていたリガー達に笑われてしまいました。普段、私はあまり「キャー。」などとかわいく声を上げることはないので、相当おかしかったようです。私は、蛾が自分に纏わりつかないように手足をバタバタしながら階段を下りていると、その蛾は私の前を行くリガーの右腿の脇につき、それを彼に伝えると、彼は手で叩こうとしました。鱗粉が手につくと思うと、つぶれた時のことを想像するより先にまた「キャッ。」と。そうこうしている内に私の行きたい階となり、急いでドアを開けその場を離れました。
 力が入りました。舞台に立って演技をしている時に蛾が現れたら、平静を保っていられる自信はあまりありません…。

 このところ、幸せや楽しさって、人それぞれなのだな、とつくづく思います。そんな時に、「僕の信念は、人の二倍、三倍働くからこそ、人の百倍、二百倍、楽しみを味わえるということ。」と話している方を見付けました。これも“い組の纏”のお蔭です。この方も最高の喜びを味わっていらっしゃるのだと思いました。
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い組の纏

2009-04-23 | KA
 錦絵の絵葉書が届きました。「い組の纏は“けしの実”と“ます”。典子さんの不安が消えますように!」。なるほど、と何度もその錦絵を眺めました。そして、“消し・ます”の洒落をご存じで、その絵を選んで下さったその方の粋なお心遣いに心動かされ、さらに“纏”という画数の多いその漢字を筆でさらっと書けることにも感心しました。このような方とお知り合いになる事が出来、とても幸せです。本当に素敵な日本人です。
 影絵で出ていくと、何か話しかけてくるお客様がいらっしゃいました。そして何かを差し出しているようでした。ポップコーンだったのでしょうか。こういう時は本当にがっかりで、涙さえ出ます。
 今日はフルートが少し硬い感じがすると思っていたら、私は間違えて育てているフルートを持って出ていました。気付かずにそのまま始まってしまえばよかったところ、一本のフルートを置く時、踊り始める直前に気付いてしまいました。その上、先程のお客様がまた何かをするのではないかと少し心配していましたが、踊っている途中でその方の感心するかのような笑い声が聞こえ、い組の纏に込められた願いのように、不安はかき消されました。
 大事に育てていた手袋がなくなっていました。新しい素材で作られたその手袋の感想を訊かれて、使えるけれどあまり好きではないと伝えたのは確か昨日。どうしたのか衣装部屋へ確認しに行くと、モントリオールに送り返すからと言い、予備のものはあるのか訊くと、無いと言います。全く使えないという事ではないのですから、私だったら新しいものが来てから送り返しますが…。モントリオールから衣装などが届くのに相当な時間が掛かるというのは周知の事。さらに大事に今の手袋を使うように致します。
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私も驚きました

2009-04-22 | KA
 ランキュラスがきれいに咲きました。花のある生活は心を豊かにしてくれます。

 今日はバック転をしようと思っていました。跳ぶ前に、ブリッジなどして準備をしていると、驚かれてしまいました。それからトランポリンを跳んでいるとまた驚かれて、逆立ちをしているとまたまた驚かれました。バトントワラーは基本的なことならいろいろなことが出来るというイメージは、彼らにはないようです。
 逆立ちは、両手両足を床につけたところから、勢いをつけずに開脚をしながら足を上げていき倒立になるというものをやりたくて、5センチほどのマットの上に足を置いて補助になるようにしていました。彼は過程を見ていなかったので、「本当はこういう倒立をしたいのだけどね。」と言って、その時は補助なく床から始めて説明をしようとすると、どうしたことか、脚がすっと上がっていき逆立ちの完成。今度は自分が驚きました。毎日のように練習していたその昔は出来なかったのに、何が功を奏したのでしょうか。本当にビックリしました。
 ショーの最中には時間があったので、ジャイロキネシスのイス用に縫い物をしていました。するとまたここでも驚かれてしまいました。
 確かに職場では余計なことはほとんどしないですし、バトントワリングがようやく出来るぐらいの私ですが、みなさんにはよほどフルートしか回せない人だと思われているみたいです。まあ、私はそのためにここへ来ているのですから、フルートを回せる人と分かって頂いているのなら、バトントワリングというスポーツを知って頂けるのなら、それはそれでいいことにしましょう。

 アパートに帰ると、同じアパートに住むBelieveのアーティストに会いました。仕事帰りに会うのは初めてです。私は自転車を倒してしまい、動かなくなっていたのであたふたしていましたが、彼が今日もエネルギッシュに一日を過ごした様子を感じ、嬉しく頼もしく思いました。
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「僕がキューを出していいですか。」

2009-04-21 | KA
 また一人、ケベッコワ仲間が去って行きます。週頭のミーティングで、フィジオのルックがミスティアへ移動することを知らされました。彼は、数週間前からミスティアが人手不足となり応援に駆け付けていたのですが、そのままそこへ留まることを決めたようです。ルックは、フィジオ内で唯一アジャストメントが出来る人でした。その彼がいなくなると、私は大変困ります。より一層、自分の身体を見つめて日々を過ごさなくてはならなくなりました。
 一回目のショー、お客様を音楽スタジオに迎えました。週頭でいつものように緊張をしていたのですが、踊り始めると、スーッと緊張が抜けていくのが分かりました。二回目は客席でご覧頂き、その後、お食事をご一緒させて頂きました。お二人は本当に喜んで下さっていて、興奮していると言った方がいいぐらい。私もとても嬉しくなりました。音楽スタジオでの出来事は、お二人の今のお仕事ととても関係していることが改めて分かり、お招きして本当に良かったと思いました。
 来年のことを尋ねられ、まだ考え中であることを話すと、「いや、まだやっていてもらいたいな。」と。嬉しいお言葉でした。話が弾み、すっかり遅くなってしまいましたが、お二人にたくさんの幸せを頂き、また明日へのエネルギーとなりました。
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