のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

痛める恐怖

2007-06-30 | KA
 実は昨日、脚を痛めていました。普段なら自分で何とか治すのですが、今回は簡単に言うと“ヤバイ”という状態。すぐにフィジオに行きました。「ノリコ…。」
 今日のフィジオの時間までに出来る限りのことを自分でして、昨日の状態よりはずっといい状態で再び診ていただきました。昨日と違う人だったので、痛いところだけではなく、自分では治せなかった原因となっていると思われるところを指摘しましたが、そこは問題ないと言われ、ストレッチを良くするように言われました。
 私は、どの動きで痛みがあるのか念入りに調べ、振付の中でどの動きがそれに当たるのか確認し、細心の注意を払って本番に臨むことにしました。
 気楽に仕事に臨んでいる人だったら、休む理由になるほどの痛みは充分に残っています。本番で予期せぬことが起こって、いつもと違う動きをしなければならなかったとき、この脚はどうなってしまうのか、それを考えたら怖くなりました。ショーは2回あります。1回目のショーでさらに痛めてしまったら、2回目までに動けるように回復できるのか、怖くて涙が出そうでした。
 恐怖と直面した状態での本番。舞台に立っているときは、痛みは感じないであろうとは思っていました。だからこそ注意に注意を払って臨みました。
 1回目が無事に終わってどれだけほっとしたことか。あとは今週最後の一回。最悪のことが起きても2日間の休みがその後あります。
 そして2回目も無事に終わりました。
 さらに痛めずに済んだことは、それだけ回復へ近くなったということです。この週末を有効に使って、いい状態で来週を迎えたいと思います。
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レギュラーバトン

2007-06-29 | 日記
 7月の下旬に“キャバレー”と題してショーが行われます。シルクドソレイユに関わる人で興味がある人が、ズーマニティーの舞台で何かを披露できるイベントです。
 久しぶりに私もバトンを回してみようかと、登録しました。「まだ時間もあることですし。」とのんびりと構えていたところ、先週、「来週、“キャバレー”のプレゼンテーションをします。」と連絡がありました。頂いた紙には「これはオーディションではありません。でも準備が間に合わないようでしたら、11月にもありますから。」と書いてありました。私は急いで翌日に振付を終わらせました。
 今日はそのプレゼンテーションの日。振付後、ローラの作品のリハーサルや本番があり、ほとんど練習できずに今日の日を迎えてしまいました。
 椅子を抱え、プレゼンテーション会場のミスティア劇場へ。ドキドキしながら準備をし、順番を待ち、いよいよ本番。レギュラーバトンを持っての本番は久しぶりでした。レギュラーバトンをもって振付をしていたのに、いざ本番となると、フルートとのバランスポイントの違いをうまくコントロールできなくて、簡単なことも「おっとっと。」という状態。それでも、観ていた方々は喜んでくださいました。「ものすごくエネルギーを使っていたから、疲れたでしょ。」とも言われ、まずはそれが伝わったことに満足しました。
 今の状況を説明し、「このような感じの作品でよければ、あと3週間練習を積みます。」と言うと、「アイディアもやっていることもとても気に入った。」とおっしゃっていただき、とりあえず“合格”。
 細くてオフセンターバランスのレギュラーバトンを使いこなして、本当の本番にキラキラと輝かせられますように。
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Young People's Concert

2007-06-28 | 日記
 今日はローラの作品の本番、Young People's Concertの日でした。シルクドソレイユに関わる人の中で、希望者がボランティアで子供達のために何かをするというイベントです。 
 演目は、チェロ、ピアノの演奏、ベリーダンス、タンゴ、軽い振付の入った歌と私達のグループでした。本番は11時と1時。夜仕事をする私達にとってはとても早い時間の本番です。
 劇場はそれほど広くないので、控え室も小さく、そして、冷房が強く、動ける場所も無いので、外に行って動くことにしました。こういう環境は久しぶりで、懐かしい感じでした。外に出るとLOVEのアーティストのミッシェルがいました。彼女は、きちんと身体を整えてから動きはじめたい人のようです。他の人はリハーサルの回数が少なかろうと、そこで何をしようと、気楽に臨める人達ですが、私はミッシェルのタイプなので、彼女がいて安心しました。
 私達が動いていると、他の仲間もぽつぽつと外に来はじめたので、みんなで通しをすることにしました。それなりにみな緊張しているようです。外のコンクリートは3秒と触れていられないほど熱くなっていて、全てをきちんと通すことはできませんでしたが、確認はできました。
 そして本番。1回目は振付を間違えずにすることに神経を使うことが精一杯でした。それでも、最後に子供達が喜んで手を振り、歓声を上げ、拍手を送ってくれ、その姿を見たとき、目が潤み、喜びが込み上げてきました。 
 一度本番をするとほっとします。次の本番まで芝生に座って少しゆっくりできました。
 1時に次の準備をしていると、クレベーフがどこからか戻ってきました。聞くと、なんと彼は、本番と本番の間に医者の予約をしていたのです。本当に驚きました。
 2回目の本番は少し色を付けられました。1回目に子供達にもらった喜びで、薄いピンクのミニスカート姿の自分を少し輝かせられました。そしてみなで無事に終えられたことを喜び合え、参加できて本当に良かったと思いました。

 もちろん今日もいつもと同じようにKAのショーはありました。朝早く起きて、緊張して、2回の本番を終え、少々疲れを感じる身体を動かしていくのは、気合のいることでした。
 そこに誰よりもエネルギーを送ってくれたのは、スウェーデンからのお客様、ディナちゃん。彼女がはじめてKAを観たとき、私のことをとても気に入ってくれて、絵入りのお手紙をくれました。 
 今日は朝から私に会うのを楽しみに、そわそわ落ち着かなかったそうです。そして、今回は絵本とモールの花を作って持ってきてくれました。絵本は「ノリコが一番。」から始まって、「ノリコが好きです。」「ノリコのスープ。」「ノリコの仕事。」「ノリコの仕事着。」「ノリコのスティック。」「ノリコは仕事ではこんな感じ。」「カレンダー。」「ノリコ、カツラとお化粧のないとき。」「私がノリコを思っている時。」「ノリコのケイジ。」「ノリコの演目。」そして、「ディナとノリコ。」で締めくくられています。私は感激して涙が出そうになりました。お礼を言いながらハグをすると、彼女は少し照れながらキスをして、キュッと抱きついてきました。
 
 今日は子供達に支えられて、一日を無事に終えられました。
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スコットさんと落ちる練習

2007-06-27 | KA
 落ちる練習に自分の名前が久しぶりに列挙されていました。KAは舞台から落ちる可能性が誰にでもあるので、高いところから落ちる練習をアーティストの誰もがしなければなりません。特にクリエイションからいたアーティストは、その間、毎日のようにこの練習をし、翌日は首や背中を痛めていました。私はカツラの問題と落ちる練習で相当首を痛めました。だから落ちる練習は、高さの怖さよりもその後に首を痛める怖さがあります。 
 いつもはフィジオと話して、代役がいないこともあり、欠席します。しかし、今回は映画などのスタントで高いところから落ちる専門の方がいらっしゃるというので、どうしようかと悩んでいました。そこに、ステージマネージメントから出席しなくていいと連絡がありました。
 そうかと思いながら、でもこの機会を逃すのはもったいないと、練習を見学することにしました。この方、スコットさん、KAのショーで使われているエアーバッグをデザインした方とお聞きし、そういう専門もあるのかと、聞けば当たり前のことかもしれませんが、改めていろいろな職業があるものだと思いました。
 はじめの一時間はトランポリンで空中にいるセンスをみました。トランポリンの基本の飛び方の、長座になったり腹ばいになったりすることから、お尻だけで弾んだり、空中で回転したり、ひねったりしながら跳ぶことまで。
 それから劇場に移動をし、空気で膨らませている大きな袋、エアーバッグに落ちる練習をしました。エアーバッグがあっても、落ち方によっては怪我をすることも、最悪には生死に関わることもあるかもしれません。今までは大の字になってエアーバッグの上に落ちることしか学びませんでしたが、今回は手足を曲げて全身を卵のように丸く、そして硬くなって落ちることを学びました。自分が落ちることを予期していなかった場合、この方が怪我をする可能性が少ないそうです。
 スコットさん、211フィート、約64メートルのところから落ちたこともあるとおっしゃっていました。人がよさそうなお顔で、穏やかに話してくださいましたが、全身を硬く縮こまらせたら、壊れそうにないお身体をお持ちでした。
 スコットさんには、今週いっぱいトレーニングをして頂くことになっています。
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常に動いている感じ

2007-06-26 | 日記
 12時に家を出て、1時からローラの作品のリハーサル。
 MGMへ移動して、お昼を食べて、3時半からKAのリハーサル。
 お化粧をして、髪をまとめて、5時からミーティング。
 するともうKAのためのウォーミングアップの時間。
 今日は常に身体を動かしている感じ。
 ストレッチ練習、ストレッチ練習、ストレッチ本番、ストレッチ本番。
 週頭、大失敗後の本番はとても緊張しました。
 無事に終わってひとまずホッと。
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補リハーサル

2007-06-25 | 日記
 今週木曜日が本番のローラの作品、また二人抜けることになったこともあり、休日の今日、練習が入りました。
 本番の会場での練習。今日は早く着くことが出来たので掲示物に注目できました。すると、「木曜日のチケットは売り切れました。」とのお知らせ。ビックリし、そして楽しみになりました。
 今日も相変わらず人の集まりはポツポツで、それでもローラは一度も腹を立てることはなく、集まった人を順にうまく使いながらリハーサルをしていました。最終的には人も揃い、場当たりまですることができ、本番を迎えられそうなところまで来ました。
 今週はこの最終リハーサル、本番、そして次の特別行事に向けての準備などで、忙しい週になりそうです。
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歯医者さんご夫婦

2007-06-24 | 日記
 先週、歯医者に行きました。保険で年2回カバーされているクリーニングをするためです。私の行動が遅かったために、6月までに行きたかったクリーニングの予約が7月になってしまいましたが、その予約をした翌日に「明日キャンセルが出たのでどうですか。」とご親切に電話をくださり、無事に6月中に行けました。これで年2回のクリーニングが受けられることになりました。
 そしてその時に、奥歯の2本の詰め物が良くないからもう一度来るように言われました。
「休みは日月だったよね。日曜日だったら車で迎えに行けるから。」
 その歯医者さんは、私が昨年暑い中自転車で通っていたのお覚えていてくださり、以前もしてくださったように、また車で送り迎えをするとおっしゃってくださいました。私は今は友人の車を使えるということを伝え、ありがたく普段は休みの日曜日の今日、診ていただきました。
 治療は思ったよりも早く終わりました。そして支払いをしようとすると「今日はいいから。」と。私は次の時に、ということかと思うと「この前ショーを観させてもらったから。」と。それはその時できたささやかなお礼であって、今回もお休みの日に出てきていただいているのです。そういうわけにはいかないと申し上げたのですが…。

 どこまでも親切なこちらのご夫婦は、お二人ともにこやかで優しい顔をされています。人情がそのまま顔に出ているのでしょう。私もこういういい顔になりたいです。
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3つのショック

2007-06-23 | KA
 モントリオールから帰ったばかりのアーティスティックディレクターから、ショーの変更についての話しがありました。大きく二つのものがカットされることになり、あるアーティストにとっては、今後を決めるのに大きな影響となることでしょう。

 その前にダランがKAを去ると発表しました。マカオで行われる新しいショーに参加することに決めたそうです。もちろんダランもこのカットのことは知りませんでしたが、これを聞いた後に話をしたら、「僕はここが好きだから決断するのが大変だった。でもこの話を聞いたらこの決断は間違ってなかったと思えたよ。」と。
 彼は以前となりのアパートに住んでいて、その頃は車もなかったので、いろいろとお世話になりました。私の友人が泊まりに来たとき、どうしてもレッドロックに連れて行ってあげたくて、休みの日はよく行くという彼に頼んで連れて行ってもらったこともありました。車の運転を教えてもらったり、トライアスロンの大会、シルバーマンのクルーに入れてもらったり…。
 また一人、友達が去っていきます。

 その他いろいろなことが重なって、私にとっては少し落ち着かない感じでショーは始まりました。
 影絵のシーンが終わり、双子の男の子との出会いが会った直後に、男の子達は突然客席に走っていきました。そして戦うはずだったの相手は彼らを追いかけていきました。私は、ステージマネージメントからの情報を得る機械をつけていないので、何が起きたのかわからず、とっさにいろいろと考えて彼らを追いかけるように客席を走って退場しました。
 それでもフルートを回すところは幸いうまく行きました。
 2回目のショーが始まる前、ダンケンさんの顔をお見かけし、急いで会いに行きました。彼はベッキーのお父さんで、私がシルバーマンの撮影隊クルーとして一日中追いかけた選手です。お会いするととても喜んでくださり、「この人が僕の人生を変えたんだ。」などと大げさなことも言ってくれました。
 だから私はとても気持ちよく踊っていたのです。フルートを優しく握って気持ちよく…。ところが、フルートの二本目を持ってひと振りした途端に、突然ひとつのフルートが手から離れていきました。多分ケイジに当てた?そして、ハッとするとそのフルートはさらに舞台の後ろに落ちていきました。久しぶりの大失敗。
 終わってからDVDを観ました。いつもよりケイジが中央に向かって大きく転がっていて、使えるスペースが狭くなっていました。それに気付かず、振り向いた時に向かってくるケイジにフルートを当て、優しく握っていたがためにフルートははじかれていったのでした。
 いつもは舞台が下がりながらケイジから出て、息を整えるために舞台を走っています。でも今日はケイジから出た途端に舞台に倒れました。
 終わってダンケンさんにお会いすると、それでも優しく彼は迎えてくれ、「彼女は終わったとたんにこうやって大の字に倒れていたんだよ。」と。すると、横にいたベッキーとダランがビックリするので、私が状況を説明すると納得。「彼女はいつも楽しませてくれるから持って帰りたいよ。」とまで言ってくれました。
 ダンケンさんだけでなく、今日のお客様には申し訳ありませんでした。今日新たに分かったことを、今後に活かすことが唯一償えることです。できることならもう一度足を運んでいただけますように。その時があると信じて、私は精進したいと思います。
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ステファンさんとガントリー

2007-06-22 | Weblog
 1回目のショーにアメリカン・シアターの方々、何か劇場関係の方でしょうか、200人と、ミスティアのみなさんがいらっしゃると聞いていました。
 私にはいつもと何か違う、久しぶりという感じのドキドキがありました。こんなに初めから緊張しなくてもいいのに、と思いながらも、終始緊張していました。こういう緊張はいい方に出るからね、と言い聞かせることが唯一できることでした。
 ミスティアのみなさんはどういう目で観るのだろう。仲間としての温かい目なのか、厳しい目なのか。それとも、単に一観客として素になって観るのだろうか。そんなことも考えていました。
 ソロの部分は終わる前から拍手をいただき、最後まで無事に終わりました。舞台が下りると、ふう、とまずは大きく息を吐き、ケイジから出ながら「ありがとうございました。」と言いました。温かく見守っていただけたようです。

 ショーが終わるとすぐに、ステファンさんにお会いしました。彼はクリエイションの当初からKAに関わっていたスタッフで、私達がモントリオールにいるとき、ラスベガスに劇場の工事の様子を見に行っては、あの大きな舞台を動かす機械、ガントリーの話をして下さいました。ガントリーの工事がうまくいかずに、ショーの初日は何ヶ月も遅れた訳ですから、もちろんここラスベガスにみなで移動してからも、彼はいつもガントリーの状況説明をしていました。
 最近は調子よく動いているガントリー、今日もガントリーはきれいに動いてステファンさんもご満足のことだったと思います。久しぶりにご覧頂いたKAも喜んでいただけたようでした。
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ハッピー・パイロ!

2007-06-21 | KA
 ショーの始まる20分前にアナウンスがありました。「今日は特殊効果を全く使えません。」   
 このうわさはその前に少し聞いていて、
「特殊効果ってどこだろう。」
 と話していました。
「まず、最後の花火、横から出るのは絶対にないでしょ。ぐるぐる回るのは違うものだからどうかな。初めの下から出てくる火もないよね。あとは…?」
「アーチャーズデンの爆発は?」
「あれはないでしょ。」
「あんな小さいものもないのか。ということは、何が問題で特殊効果が使えないのだろう…。」
 そんな話をしていました。
 特殊効果とどういう関係があるのか、たまたまか、本日の配役表には、カメは出ないし従者役はビーチから落ちないと書いてありました。
 20分前に公けに入ったアナウンスの続きを聞いてみると、特殊効果のあることあること。
 まず、ショーの前のバンバン上がる火、カメラなどが投げられて上がる火、弓を射るアーティストの持っているトーチの火、火事、私の父に持っていくトーチの火、矢が放たれた後のランタンの火、骨が砕かれた後のトーチの火と爆発、私の父が下りてくる時の火花、そしてもちろん最後の花火は全部。
 こんなにできないことがあってもショーは始まるんだ…。そして最後は花火なしで、どう”締まる”のだろう。不安な気持ちで身体を温めていました。
 すると15分前のコールの時に、「特殊効果は全て使えるようになりました。」とアナウンス。「通常通りのショーになります。」
 いつもはショーの前に「グッド・ショー!」などと声を掛け合うのですが、今日は「ハッピー・パイロ!」花火が上がって本当に良かったです。
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