ヘコヘコします

　早く家を出るつもりでいたので、洗濯をしないで支度をしていましたが、郵便物の準備に時間が掛かり、ギリギリに家を出ました。そして、ドラムのクラスには遅れてしまいました。
　先週から新たなドラムのクラスが始まっていました。私は日本にいたので、欠席し、さらに今日は遅刻…。でも、前回の流れから、一週目はビデオ観賞、二週目は楽器決め、と分かっていたので、申し訳なくとも音を鳴らす段階には間に合いました。今回はサンバではなく、また違った感じの曲を演奏をするとは聞いていました。そのため、見たことがない楽器が入っていました。見た目から、私はヒョウタンの周りにビーズを通した網が張り巡らせている楽器、シェケレを選ぼうと思いましたが、人手が足りているというか、楽器が足りないという感じでしたので、様子を見ていましこた。コンガのように手で叩くドラム、チンバウも良いなと思って見ていました。すると、先生は私の目の前にあった楽器を差して「ヘコヘコをする人が居ないのなら…。」とおっしゃったので、「私がやります。」と言いました。ヘコヘコは、メタルの筒にスプリングが三本付いていて、それを親指で抑え、もう片方の手にメタルの棒を持ってスプリングを擦って音を出します。筒の端をお腹に当てそれをお腹から離したり付けたりすることでも音を変えられます。リズムはトライアングルと一緒だというので、その後トライアングルの演奏を指示された時に音を出したら、「あなたはまだです。」というジェスチャーと共に鋭い視線が向けられました。結局今日は、楽器を選んだ時に音の出し方を教えて頂き、「基本はそんな感じ。」と言われ、三秒ぐらい試すことが出来ただけでした。もしかすると、先生が書かれた楽譜にヘコヘコは入っていなかったのかと思い、タンボリンのみなさんを最後に残らせて指導しているのが終わるのを待ち、先週欠席と、今日の遅刻のお詫びと共に、尋ねてみました。ヘコヘコが私しかいないことになるのは全く問題がなく、チンバウをしたいのなら前半と後半で楽器を変えても良いということなので、両方しようかと思います。
　待っている時に、ランチに誘われました。やることはあったのですが、行ってみることにしました。地中海料理の店。私はギリシャのサンドイッチを食べました。集まったみなさん色が違うので、おもしろいひとときでした。そこで、「日本の幅はどれくらいなの?」と訊かれて、おおよその距離も言えなかった自分。反省しています。
　そこから少し遠い、ネバダバレエに行きました。お返ししなくてはならないものがあったのですが、すぐに伺えずにいました。今日を逃すとまた行く機会を失うような気がしたので、遅くなりましたが行きました。長い間気に掛けていたものを、ようやく出来ました。
　帰って一息つくと、今日お着きのお客様からご連絡があり、チケットのお届けに上がりました。何故か急いで話をしてしまったのが、反省点。お着きになったばかりで、よく分からないでしょうところに、たくさんのことをお伝えし過ぎました。自分が忙しかったので、その勢いで話しをしてしまいました。ゆっくりと落ち着いて明日を迎えなくてはいけません。なぜなら、もう明日からショーが始まります。もう一日、何もない日があったらいいなと思いますが、始まります。今日は身体改善、または、身体維持グッズを買いました。いつもは良く考えてから物を買うのですが、急を要していることなので、とりあえず買ってみました。良い使い方を考えながら、早く役立つ方法を見付けて、元気に一年ショーが出来ますように。

踊りだすのが少し怖い

　ランチにお誘いを頂きました。しかし、私が十二時頃家を出たかったので、早目のランチ、私にとっては朝食でした。行った先は、中華料理屋。友人の家が裏にあるので良く通るところですが、その辺りのショッピングエリアは、どのお店も入ったことがありませんでした。「お店はあまりきれいじゃない。」と言われていた通り、何の飾りっ気も無いお店ですが、これまた「味は良い。」と言われていた通り、とても美味しかったです。お勧めのインゲンの炒め物、焼き餃子、チジミの様なもの、ご飯を頂いていると、一番のお勧めのラーメンが出てきました。辛いスープですが、あとを引かない辛さでした。少しずつ残ったものは、すべて私の所へ回して下さったので、もうお腹いっぱいでした。
　その後、預かって頂いていた金魚くんを取りに行きました。友人のお蔭で、安心して出掛けていられました。迎えに行くと、車に乗って金魚くんが跳び出ないように、友人はラップを掛けて用意をして下さっていました。しばらく話していると、私を迎えに出て来てくれていた友人の犬が逃げ出して、探すことに。それを知った隣の方は、走って探しに行ってくれていました。
　戻るとすぐにドライテックへ向かいました。長期休暇明けにある、アーティスト無しの通し練習です。今日は早目に行って、たっぷりと身体を動かしました。少しお腹がいっぱい過ぎるのが気になることであり、反省点です。フルートを持って踊りだすのは、少し怖い気がしました。ラスベガスに戻る直前に日本で治して頂いた身体が、また元に戻ってしまいそうな気がしたからです。注意深く動かしながら、丸六年同じことをして歪んでしまった身体を、今後どのように扱って、歪まないようにしていったらいいのか、考えていました。それは、舞台に上がってからも同じで、踊り終えた時に、バックステージテクニシャンの方々が拍手を送って下さって、ようやくみなさんが休みの間も働いて下さっていたことを思い出すことが出来ました。トレーニングルームに戻り、今日考えられることをとりあえずしてみました。今後、ショーが終わってから身体の調整にもっと時間を掛けると、帰る時間がさらに遅くなりますが、身体は大事ですし、私はこのためにここへ来ているのですから、余裕が少し出来てから、いろいろと他のことに使えるようになった時間が、それによって短くなっても、やはりそこに時間を割くべきだと考えました。ショーの後ばかりでなく、仕事場に早く来て出来ることもあるかもしれません。しばらくは試行錯誤を重ねることになると思いますが、それは楽しいことだと思います。
　休み明けから使い始めようと思っていたフルート、もう表面加工が剥がれてきました。また、新しいフルートを育てなくてはなりません。プロップスを訪ねると、工程を変えてみたので、今度は長持ちするであろうとのこと。本当にそうあって欲しいです。
　夜もお誘いがありました。夜景のきれいなレストラン。思いがけないことでした。車のライトが滑るように動いているのを楽しく眺めながら、おいしい料理を頂きました。このレストランに前回来てから、もう六年位経つことでしょう。その日のことも懐かしく思い出しました。
　気が付くと、日本から電話が入っていました。日本滞在、やりたいことはまだまだありました。それをやり残してきたとしても、やらなければならないことはきれいに片付けてきたつもりでしたが、まだまだお世話になることがありました。助かります。
　今日のラスベガスは、雨が降りそうな雲がありましたが、やはり乾燥しているようで、鼻水が出るのは、鼻を潤すためでしょうし、手はカサカサです。乾燥注意報が出ていた日本で、しっとりとしていた肌をこの地の気候に慣らすまで、少し気を付けなくてはいけません。
　コンピュータを立ち上げる時にガクガク音がして、二回立ち上げに失敗しました。壊れる前に、バックアップです。

緊張、アパートの更新

　半袖で居られそうなくらい良いお天気の中、セーターなど、手洗いの洗濯をしました。
　家賃の請求書を見て、昨晩は寝られないかと思いましたが、話せば分かるはずと言い聞かせて、布団に入りました。心落ち着かせるために、早く行けばいいのに、なかなか事務所に行くことが出来ず、旅の荷物の整理が行き詰ったところで、事務所に向かいました。契約書類が出来上がったら、連絡が来るはずでしたが、単に彼らが忘れていたようです。書類は出来上がっていて一枚一枚にサインをしました。支払いも済ませたいと言うと、金額を教えて下さり、請求書の値段ではなく、言われていた値段でした。ドキドキしていた私は何だったのだろうというほど、簡単に済むことでした。
　MGMへチケットを買いに行きました。まだ自動車に乗る勇気がないので、自転車で行きました。今日は良いお天気なので、セーター一枚で出掛けられました。友人に会って、しばらく話しました。お仕事の邪魔をしないように、と思っていたのに、今日も良くして下さり、いろいろとお話もできました。
　明日は、また忙しくなりそうな気がしたので、そのまま、チケットをお届けに上がりました。するとJJに会いました。中国武術を教えた帰りだったようです。ズラとお嬢さんがモンゴルに行っているので、淋しいようです。「一週間は楽しかったけれど、飽きてきた、早くショーが始まらないかな。」などと言っていました。そこには、中国系のスーパーがあるので、立ち寄って、今晩の食材を探しました。
　日本でお世話になったみなさんにメールをしながら、だんだん頭が働かなくなっているところです。たくさんの方にお会いできたので、続きは明日になりそうです。

長い長い１月２８日

　あまりにも眠いので、少し寝ました。朝５時過ぎに起きて活動開始。荷作りは、持って来たものを持って帰るだけなので、そう難しくありませんが、やり残していることが、たくさんあります。
　郵便局が開く時間になると、お世話になっている方の所に顔を出してから、荷物を送りに行きました。父が車を出してくれたので、助かりました。帰宅すると、もう出発まであと三十分。受話器を片手に持ちながら掃除をして、いつものことながら予定よりも遅れて出発し、空港へ向かいました。車が走り出すと、すぐに寝ていました。そして、道が混んでいなかったようで、一時間半ほどで空港へ着きました。
　自動チェックインに並んでいると、前の方は少々時間が掛かっているよう。私はその間に、荷札に名前や住所を書き込んでいました。前の方が、預ける荷物を量りの上に置くと、重量オーバー。そしてもうひとつの荷物は規格外の大きさと言われ、中身を訊かれていました。「バットです」。こんなに立派なバットケースをお持ちということは、野球選手なのかな、などと思っていると、担当の方が規格外の荷物を預けに行くところが分かるかどうかその方に訊き、もう一度顔を見ると「分かりますよね。」と笑いながら言いました。その後、その方がバットケースを持ってカウンターを離れると、何か足りないことがあったのか、私でも知っている野球選手のお名前を、大きな声で担当した方が呼んでいました。
　私も自動チェックインが上手くいかず、三回もやり直して、係の方がいらして下さっても出来ませんでした。カウンターの方がコンピュータでやり直して下さって、ようやく手続きが出来ました。私はビザを持っているので、九十日以内のアメリカ滞在者に義務付けられているESTA、電子渡航認証システムへ申請の必要ないのですが、どうやらそれが問題のようでした。
　手続きが済むと、遅いお昼ごはんを食べに行きました。料理長さんがどうも愛想なく、返事も頂けないので自分の注文が入ったのか全然分かりませんでした。外国の方が日本を発つときに、このお店に入り、旅の最後に良い印象で帰れるのかと思うと、少し残念なことでした。
　空港はとても空いていましたが、搭乗時間が出発の一時間前になっていたので、中へ入ることにしました。バタバタと過ごす毎日を気に掛けていろいろと助けてくれた父、遅い帰りを寝ないで待っていてくれた母は、私の通る道を出来る限り追い掛けて、ガラスの向こうからいつまでも手を振ってくれました。
　飛行機は、時間通りに離陸しました。それからは、ほとんど寝ていました。身体を整えて頂いたのでぐっすり眠れるようです。夕食と、朝食をかろうじて食べることが出来ましたが、その間のスナックは逃しました。観たい映画が一本ありましたが、とても起きてはいられませんでした。寝不足続きだった日本での毎日を取り戻すかのように、ひたすら寝続けていると、あっという間に九時間が過ぎ、着いてしまいました。
　入国審査の待ち時間が一時間近くあり、次の飛行機まであまり待たなくて済むと思っていました。順番が来ると、入国審査官は、「丁度シルクデュソレイユのショーのことを、仕事に就く前にみなで話していたのよ。」などと言いながら手続きをしていました。そして最後にパスポートをパラパラとめくると、他にもビザがあることが分かり、自分が書き写したのは昔のビザだと気付いたようです。「ショーの話に夢中になって、間違えちゃったわ」。入国審査でこういう気さくな感じは日本ではないと思います。
　乗り継ぎ便が遅れました。そのうちに、その飛行機はオーバーブッキングなので、時間に余裕がある人は、次の飛行機にしてもらいたいと放送があり、一時間半しか違わないということなので、待つことにしました。椅子に座るとすぐに寝てしまいます。しばらく寝ていたのですが、今度はその飛行機も遅れることが分かり、人目につかないところで、身体を動かすことにしました。予定していた乗り継ぎ便は、午前十一時十二分出発予定でした。最終的に乗った飛行機は午後三時五十七分の出発予定。実際には少し遅れて、ラスベガスに着いたのは五時を過ぎていました。預けた荷物の内の一つ、小さなカバンは、前の便で来ていたようです。スーツケースは、後の便で着きました。ということは、もしかすると早い便に乗れるかもしれないと言われていたのですが、そういうことがあったとしても、荷物は届かなかったということになります。時間が余計に掛かりましたが、ラスベガスに無事到着しました。
　ラスベガスは、寒さが和らいでいました。まだ寒いですが、キーンとするような寒さはありません。
　植物達は、元気でした。お雑煮用に買った菜の花を、二、三本水に差しておくと、根が出ていたので、日本に行く前に土に植えておきましたが、それも元気で、白い花を咲かせていました。
　家に着き、食べ物がないことは分かっていましたが、冷凍してあるもので、今晩は過ごせるかと思っていました。しかし、身体が生野菜をシャキシャキと音を立てて食べることを欲していました。一息入れると、もう出掛けたくなくなると思ったので、すぐに出掛けることにしました。車に乗るのは怖いですし、十日間も自転車の上げ下ろしをしていなかったら、少し億劫になっていて、もうすっかり暗い中、歩いて行くことにしました。それほど買い物をしていないのに、支払金額が高いなと思うと、買っていないエビが何故か請求されていたり、一個一ドル九十八セントと思って買ったパイナップルが一ポンドの表示であったようで、パイナップル一個に六ドル以上も払っていたり、ボーっとしていました。
　今日一日中寝ても、寝不足解消にはならないのか、頭が痛くなってきました。今晩はゆっくりと寝て、ショーの始まりに向けて身体を戻していきたいと思います。

忙しい時こそ念入りに

　ゲイルが一緒にエクササイズをしたいと言いました。休暇前貴重な時間ですが、よく考えれば良いことです。
　疲れているかと思いました。無理に元気にしないで、空気を大きく動かすように心掛けました。お客様の反応が良い日で有難かったです。

花火の順番が違った日

　金魚をお願いして、フランス人仲間とランチ。ニコには自動車の運転をたくさん教えてもらいました。彼が居なかったら、私は未だに自転車しか乗れなかったかもしれません。改めてお礼が出来ました。ニコは明日が最後です。
　昨日ショーに出ていないのに、身体が少し重い感じでした。ゆっくりとストレッチをして、回復させていきました。両足の付け根が痛みます。何かおかしいです。でもあと二日で休暇になります。
　今日も咳き込みました。でも、二日前よりは良いからと思って頑張りました。満席に近いお客様の反応が良い日でした。
　ZEDのチケットのことで、正司くんが連絡をくれました。有難いです。

シェリーに地図

　MGMに着くとすぐにカンパニーマネージャーとお会いして、
「ステージで輝いていたね。」
　昨晩のステージをご覧になったそうです。
「とても元気だったけれど、休暇前なのに、疲れていないの?」
　昨晩は二回とも咳き込んでいたので、それが見られなかったということにほっとしました。
　　　　　
　早く作ろうと思いながらなかなか時間が取れ無かったシェリーへの地図をようやく作りました。彼女は本当に喜んでくれて、私の方がびっくりするほどでした。ただ、私が聞いた時はホテルが新宿だった気がしたのですが、変更したようで、渋谷とのことでした。彼女は、自分で絵をコンピュータに取り込んで、ホテルの絵を移動させるから良いと言いましたが、電車の案内も変わってきますし、今日はショーに出ない日で時間がありましたので、描き直しました。
　　　　　
　DVDを見ていると、ジェニファーが来て、
「鼻水飛んだの見ているの?」
　すっかり忘れていました。彼女は代役の日で、私が楽屋に戻ると居たので、話したのです。
　フロランのアイディアが優勝したそうです。
　菜の花が咲かないのに元気と思っていたら、根が生えていました。牛蒡と共に、明日土に植えてみます。
　残り野菜と肉を使って夕食を作ると、たくさんの量になりました。とりあえず食べ始め、全部食べてもお腹いっぱいにはならず、止まらない感じでした。
　早く帰れたのに、あまり頭が働かず、用事はあまり済ませられません。少し早起きをしたので、早く寝て、明日のショーに備えるべきでしょう。

山本寛斎さん

　お化粧が上手くいかず、白を塗り直したほどでした。
　一回目のショーが終わるとライアンが、
「山本寛斎さん知っている?」
「知っているも何も…。」
　五時半に、彼を舞台裏にご案内したそうです。
「探そうと思ったけれど、練習中だと思ったから…。」
　一時間掛かることでもないので、探して下されば良かったのにと思いました。今日はお客様がいらしていて、そのことを話すと、四名様揃って
「えーっ!」
　と大きな声。本当に、「探して下さい！」です。
　その二組のお客様をお迎えしていた為の緊張でしょうか、二回目のショーは、咳き込んで、吐きそうになるほどでした。
　夜は、いろいろとお話をして下さっていたので、遅い帰りとなりました。

一番良いショーだと思うよ

　ビザの面接の予約確認書を印刷しようとすると、登録されていないようで、焦りました。書類が揃わなかったら、日本に帰ることが出来ません。そのことで頭がいっぱいだったのか、またリュックを背負わずに家を出てしまいました。今回は、アパート敷地内のごみ捨て場に寄って郵便受けの前辺りを過ぎる時、まだ敷地内で気付いたのでまだ良かったです。
　気が漫ろ。でも、お化粧を始める前に、メールをチェックすると、友人からの返信があり、ほっとしました。お蔭で安心してショーに臨めました。
　「昨日は本当に楽しかったね。」とみなさん口ぐちに。本当に楽しかったです。
　ニコが今週いっぱいで終わりと分かりました。週頭のミーティングで、誰も言わなかったです。
　一回目のショーの前にトレーニングルームに居ると、友人の旦那様と思われる方がいらっしゃいました。彼ととてもよく似ている人がラスベガスに居て、いつも間違えるので慎重になっていたところ、声を掛けて下さり、“本物”と分かりました。ショーの前と言うことで気を遣って下さり、少しだけお話しました。きっと彼はこのショーをご覧になっていることと思い、彼や奥様、お子様のことなど考えながら踊っていました。
　終わるともう一度お会いすることが出来、小さな声で、「一番良いショーだと思うよ。」と。彼の立場から大きな声では言えないのでしょう。嬉しいことでした。いろいろお話すると、奥様は日本にKOOZAの為にいらっしゃることが分かりました。私の日本帰国時にお会いできるかもしれないと思うと、ワクワクしてきました。
　一回目のショーに吹き矢の人が来ませんでした。吹き矢の人が持ち帰るランタンのことを聞かれましたが、そこまで気が回っていませんでした。しかし、もし気が回っていても、そんなにたくさんの物を持って来られなかったかと思います。
　フランクシナトラのショーの方々がいらしていました。みなさんとても喜んで下さっていました。
　ジェニファーが頭が痛いと言っていました。亜梨ちゃんの風邪も頭痛から始まっていましたから、彼女が風邪を引いたとすると、楽屋の横三名が風邪を引いていることになるので、私も気を付けなくてはいけません。

影絵で後転

　無残な事件、それも見掛けたことのある人による犯罪。その話が飛び交い、新しいことを聞く度に、その残酷さが信じられず、背筋が寒くなりました。その人のことを考えると、気持ちは晴れず。そして、そのままショーをすることになりました。
　元KAのアーティスト、シューチンが来ました。みなに会う度に涙を流していました。一回目のショーを客席から観て、二回目は舞台裏に居ました。週頭のミーティングで、二回目のショーにスペシャルゲストが来ると言われたのですが、彼女だったのか、ロベール・ルパージュさんがいらっしゃるという噂もありましたが、どなたのことだったのでしょう。
　一回目のバトルフィールドで、シェリーとジェニファーのリモコンと機械が合っていなかったそうで、ジェニファーのリモコン操作でシェリーが動くというようになってしまったそうです。準備した方のミスでした。その為、二人ともバトルフィールドから抜けなくてはなりませんでした。
　二回目のショー、影絵の時に脚の長いお客様が居たようで、私は気付かずに下がる時に転んでしまいました。私は大丈夫でしたが、お客様のことが気になり、確認して頂きました。私がどなたか言わなくても分かるぐらい大きな方だったようです。大丈夫とのことで、安心しました。
　ヨーグは私のコートに引っ掛かり、転びそうになりました。今まで無いことですので、偶然かと思いますが、双方で気をつけようと言いました。
　二組のお客様がいらして下さり、チケットをお届けしました。お一人は「久しぶりね。」と言って涙ぐんでいました。
　今日はマリレンの誕生日。彼女は、親しい二、三人で良いので今日誕生会をしたいと言い、みなの都合が付いたので、居酒屋に集まりました。たくさん笑ってそれはそれは楽しい会でした。
　お供え餅を下げて、“鏡開き”はしていたのですが、夕食後のデザートにお汁粉にと思っていました。居酒屋に行ってしまい、お腹がいっぱいでしたが、帰宅してから少しだけ頂きました。
　寒い一日でしたが、明日は少し暖かくなるようです。