のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

√2

2012-02-29 | KA
 今朝、ふと最後に出来るであろうことを思い付いて、試してみました。これは良いかもしれないので、パターンⅢにしてみます。
 トレーニングルームで何度も練習をして、大丈夫そうなので、本番で行なうことにしました。アーチャーズデンの前にそのことや新しい衣装をデビューさせることを考えていたのでしょうか。待機している時に、目に涙が浮かびました。
 アーチャズデンの五人が槍を回す場面で、バイグーはなんて確実なんだろうとしばしば思います。そして、そう思った時にいつも正司くんのことを思い出していました。でも、今日彼は手元を狂わせました。ショーが始まり七年が過ぎ、初めてのことだと思います。それを見ていたヤフイは動揺したのか、彼も手元を狂わせました。バイグーが手元を狂わせたことは単にびっくりしただけですが、彼はお父様を亡くし、しばらく中国に戻っていて、今日の午後二時に空港に着いて、休むことなく仕事に来ました。彼はそういう人です。そういう人なので、疲れているとかそいうことではないのでしょう。彼の心の中を考えていたら涙が出てきました。本番中であり、涙を流すような場面ではないので、一生懸命に涙が流れないようにしました。
 バトントワラーとして、フルートを回す前に芝居があるのは大変なことだと以前は思いました。でも、今はその芝居が助けになっていると思います。今日届いたメールを思い出しながら、幸せに踊れました。
 二回目は、KAの元カンパニーマネイジャーのダイアンさんがいらしていました。彼女のこと、いろいろとして下さったことなど思い出しながら気持ち良く舞いました。途中で、何か引っかかることが床にあり、スピンが止まってしまいました。二本フルートを持った直後にも、フルートに引っ掛かるところがあり、出来ないことがありました。
 ショーが終わりダイアンさんにお会いすると、
「顔で回すの、好きだわ。」
 私は本当にびっくりしました。彼女はカンパニーマネイジャーでアーティスティックディレクターであったわけではないので、何度も何度もショーをご覧になっていたということはないと思います。それでも、私の小さな変更を見逃していないとは、本当に驚きました。
 そのことをジェニファーに言うと、
「最後変えたでしょ。」
 変えざるを得なかった経緯を話しました。でも、彼女は変更を喜んでくれました。ジェニファーにはいつも励まされます。
 私のアキレス腱の手術をして下さった先生がいらしていました。
「君はショーのスターなんだね!」
 私は否定してから、
「でも、ショーに戻れて幸せです。ありがとうございました。」
「すっかり良くなったようだね。何も悪いところは見られなかったよ。良かったね。」
 一緒にいらしていた女性の方は興奮気味。とても喜んで下さいました。
 √2について確認したいと思い、友人に尋ねました。
「ルートって分かる?ルート2とか3とかのルート。」
「ああ、スクエアルートのことね。」
「英語ではスクエアを付けるのね。ルート2って、1.4142135…。」
 私は、数字を紙に書きながら訊きました。
「何でそんなこと訊くの?」
「折り紙でプテロダクティルスを作りたいと言う人がいて、作り方は見付けたのだけど、その折り紙が正方形ではなく1:√2なの。そもそもルートって、二乗して中の数字になる数よね?ああ、違うか。ルート4は2だった気がする…。あれ、合っているのかな?」
「なんで僕にそんなこと訊くの?」
「あら、だってあなた数字に強いじゃない。」 
「数字に強いってそういうことじゃないし、そんな数覚えていても何の役にも立たないじゃない。」
「そうね、あ、でも今役に立っているわよ。」
「そんなの今の時代コンピュータですぐ調べられるから、覚えている必要無いよ。」
「そうね。でも私が学校に行っていた時は、覚えさせられたから。アメリカではないことなのね。」
 それから友人は、電話を使ってインターネットで調べ始め、
「ほら、すぐ出てきたよ。」
 そして、少し表情を変えて、
「さっき書いた紙ちょっと見せてくれる?」
 さらに表情を変えて、
「最後の数字が足りないけれど、合っているよ…。」
「ああ、最後は、えーと、6でしょ。さっきは、途中であなたが分からないことが分かったから最後まで書かなかったのよ。」
 友人は本当に驚いて、
「ビックリするとか、もうそういうことではなくて、気持ち悪いよ。ちょっと違うかもしれないけれど、映画の『レインマン』を思い出すよ。」
「そんなに凄いことではないのよ。みんな学校で覚えさせられたことなんだから。」
 それでも友人は戦いているようで、口が開きっ放しでした。本当におかしくて笑いました。ルートのことは、最後の楽しい締めになりました。今日はバイグーのお父様の話をしながら私は涙を流しましたが、それから家族のことや生死のことや、良い会話ができました。

パターンⅡどころか

2012-02-28 | KA
 切手を買うとデザインが違いました。そして、郵便料金が上がったことが分かりました。いつから値上げをしたのでしょうか。日本までの葉書きは九十八セントから一ドル五セントになりました。
 ソメイヨシノかと思われる桜も開花しただろうと、見に行きたいと思いながら時間がありませんでした。今日は、車で横を過ぎたので、ちらっと見ると、すっかり柔らかな緑。残念です。
 MGMにはマンションと言うところがあります。私のような者は入れないところです。その裏で家具を売っていました。従業員しか行けないようでしたが、たまたまドアが開いたところを通り掛かり、見えました。マンションの家具を新しくするようです。
 フルートはもう少し使えそうな気がします。今日はデビューさせずに、使えなくなるまで使おうかと思いましたが、もう一本の剥がれているところが大きくなってきましたので、デビューさせることにしました。手袋は、やはり新しいものでないと駄目なようです。それでも慎重になります。衣装も新しくしても大丈夫と思えましたが、今日は終わり方を変えることにしたので、そんなにたくさんのことをするのは止めることにしました。
 一回目のショー、緊張して身体が良く動いていませんでした。キャプティビティの前にパターンⅡを練習していると、もうすぐ舞台袖に待機するという時に、失敗しました。「今日は止めよう。」そう思って出て行きました。しかし、踊りながら、やってみるという日、初めての日が無くては、次と言うのは無いのだからと、やることにしました。とりあえずフルートは両手に入りました。
 二回目のショーで待機していると、レオネルが私の前に立ち止まり
「大丈夫?」
 様々な不安は、隠しきれずに表れてしまっているのかと気になりました。
 二回目は、舞台の後ろにたくさん煙が出ていました。少しフルートが見え難く、注意しようと思いました。その内にスカートが絡まり出し、身体が強くなってきていることを感じ、抑えようと思いましたが、抑えきれなかったようで、フルートを弾きました。その為、最後は確実に出来るものにしました。パターンⅡも怖かったので、また違うもの。これは、選択の中には入れたくないので、パターンⅢではありません。
 パターンⅡが良かったか観に行くと、あまり良くありませんでした。コーチのアルとマチュウも観ていたので感想を伺うと、アルは、
「いいんじゃない。」
 とおっしゃいましたが、マチュウは、
「僕は二本同時に投げるのが好きだよ。」
 何故変えるのか訊かれ、私の今の状態を話すと、マチュウは、
「ごめんごめん、大丈夫だよ。」
 と言いましたが、正直な感想を聞けて良かったです。アルは、
「今度ビデオに撮ってあげるから、それで決めたらいいじゃない。」
 彼は、本当に良いコーチです。
 フルートのデビューは何とかなりました。もう一本も早くデビューさせられますように。明日は衣装をデビューさせられるようにしたいです。

右奥歯に亀裂

2012-02-27 | 日記
 うっすらと曇り空の中、歯のクリーニングへ行くと、右奥歯に亀裂が入っていることが分かりました。クラウンにしなければならないようで、お金も時間も掛かります。歯を食い縛っていたのかしらと思いながら、帰りました。
 久しぶりに掃除ができました。掃除機をだいぶ掛けていない気はしていましたが、掃除機を掛け終えてゴミを捨てる時にそれを確認しました。
 タウンスクエアに返品と、代わりの物を探しに行きました。子供服は、胴囲で合わせると袖ぐりが小さいので、どのサイズを選ぶか考えどころです。それを気にしなくていいように、キャミソールにしようかと思いましたが、こちらはアンダーバストの大きさが上手く合わないようです。
 何とか決めて、ミスティアのチケット購入へ。こちら、今日は長い列でした。地元民向けの割引はありませんが、他のショーを観ると割り引いてくれるというものがあり、それを利用することにしました。
 夜は嵐が通り過ぎました。明日は良い天気になりますように。

アカデミー賞テレビ観賞会

2012-02-26 | 日記
 久しぶりに、“料理”をしました。鮭の寿司、ひじき煮、高野豆腐、カボチャの煮物、シイタケの肉詰め。あとは、キュウリを切って、お味噌を持って、アカデミー賞を観に行きました。
 野菜が欲しいと思っていたら、ブロッコリーを蒸してくれたので、バランス良くなりました。ご飯を食べながら、アカデミー賞を観ました。録画をしてあるのでコマーシャルを早送り出来ると。便利な世の中になったものだと思いました。
 シルクデュソレイユの出演は、とても良かったです。IRISだけではなく、他のショーからもアーティストが入っていましたが、衣装がアカデミー賞用に作ってあり、全体で一つの作品にまとまっていて、テンポ良くきれいに流れていました。最後に出た“CIRQU DU SOLEIL”の文字は少し大き過ぎたのではないでしょうか。
 お持ちした料理を全部気に入って召し上がってくれたので、ほっとしました。楽しいひとときでした。
 ガソリンの値段が勢い良く上がっているので、早目に入れた方が良いと思っていたのですが、日中は時間がなかったので、帰り掛けに入れることにしました。すると、日中より値段が二セント上がっていて、五日前に比べると十四セント上がっていました。

Daniel's Tour 2012

2012-02-25 | Cirque du Soleil
 シルクデュソレイユのダニエル社長がいらして、ラスベガスにあるショーのみなさんが集まってのミーティングがありました。去年は大変な年だったと何度もおっしゃっていましたが、『ZARKANA』、『IRIS』、『IMMORTAL』はみな良い出来だそうです。今年は、ジャニンの行ったツアーショー、『Amaluna』だけ創るそうです。以前は一年に一つずつ制作していたと思いますが、このところびっくりするほどたくさん創っていました。ゆったり一つのことに集中して良いショーを創って頂きたいです。スーパーボウルのマドンナのハーフタイムショーも上手く行ったそうで、次に繋がったようです。日曜日は、アカデミー賞でのシルクデュソレイユの演技があります。3Dの映画は十二月に公開されるようです。楽しみです。
 終了予定は三時半だったのですが、終わってみると四時十五分くらいでした。ミーティングがKAの劇場で良かったです。急いでご飯だけ食べて、お化粧に取りかかりました。
 MGMに、シュガーファクトリーが出来るのは、工事をしているのを見て、知っていましたが、オープンしたようです。“sugar FACTORY ”と書いてあるアヒルの付いた紙袋と、チョコレートや、グミ、キャンディーを楽しく口にしている人達をたくさん見掛けました。
 最後のトスが上手く上げられませんでした。もう出来ないです。火曜日に何が出来るか考えなくてと思います。
 フ ルートも、羽の付いた衣装も、手袋も、スカートも、最後のトスも、みんなみんなどうにかしなくてはいけないのですが、時間がないので、ショーが終わると、試してみました。一度に全部は出来ないです。それは分かっています。一つずつで良いですが、早く解決出来ますように。

二年間夢見てお金を貯めて

2012-02-24 | KA
 早く支度ができたので、銀行へ行くことにしました。あまり待たずに呼ばれたのですが、手続きに時間が掛かりました。担当の方に、時間はどれくらいあるのか訊かれたので、
「二十分。」
 と答えると、
「頑張ってやってみます。」
 彼は、コンピューターでの操作が途中から分からなくなったようで、電話の受話器を片手に、どなたかに伺いながら手続きを進めていらっしゃいました。プリントアウトする紙が見つからなかったり、いろいろと問題があるようで、時間はどんどん経ち、私は、どうやって落ち着いて待っていたらいいのか、考えながらいました。同じ時間待たなくてはいけないのなら、腹を立てながら待つより、落ち着いて待った方が良いでしょう。担当の方は、若そうです。いろいろな経験をして、いろいろなことを得ていくのでしょうから、今している手続きが初めてのことならば、ここで何かを学び、次に活かしてくれるであろうと考えていました。年をとったものだと思いながら、笑顔でお礼を言いました。
 手続きには一時間以上掛かり、MGMへ行くのはすっかり遅くなってしまいました。支度は充分間に合いますが、衣装部屋の方に、遅くとも三時までには来ると伝えていたので、それだけが気になっていました。走って行くと、お願いしていた手袋はすっかり出来上がっていました。その直しのことで、実際に縫って頂く方と話をした方が良いかと昨晩話していたのですが、私と話す必要なく縫い上げて下さっていました。助かりました。
 手袋のサイズは、良くなりましたが、縁に緩さがあります。もともとこの状態でやっていたので、大丈夫かと思い、今日はそのまま使うことにしました。しかし、自分が気にしていることもあるのでしょうが、サムフリップやサムトスをする時に緩んでいる縁が一か所に寄って邪魔になりました。注意を払って、緊張しながらの本番になりました。
 一回目、高く投げ上げたフルートが流れましたが、何とか取れました。二回目の失敗は別の問題です。
 二回目のショーに、両手を握って胸に当てながら立ち上がって下さったお客様がいらっしゃいました。正面過ぎて、どのアーティストに目を向けているのか分かりませんでしたが、彼女もまたピエールルックに恋をしたのかと思いました。
 古い手袋、もう直さなくて良いかと思いましたが、もう一か所だけ直して頂く必要がありそうです。何度も足を運んでいるので、申し訳ないと思いましたが、お願いに行きました。そして、快く引き受けて下さいました。
「ここを直して頂けたら、あと一ヶ月は使えると思います。」
 と言うと、喜んで下さいました。新しい手袋の予備は、今日出して頂いた物の他には無いようなので、大事に大事に使います。
 今晩は、ラーメン屋さんにお誘い頂いていたので、急いで支度をしていました。そこに、衣装部屋の方がいらして、
「シェリーはまだ居るかしら。」
 シェリーは今日の幹事なので、超特急で帰って行きましたが、彼女のお客様が待っているとのこと。顔を出してみることにしました。すると、女の子二人と一人の男の子とお母様。シェリーの電話番号は知らないようなので、私の電話ででも話せれば良いかと掛けてみましたが留守電でした。そして、私が代わりに舞台裏をご案内することにしました。一人の女の子が、KAのレポートを書いたと言っていましたから、大学生なのでしょうか。大学生も幼く見えてしまう程、私は年をとったのかと、銀行でのことを少し思いだしながら心の中で笑いました。話していると、見掛けは幼く素朴な感じな彼女ですが、感性が豊かで、おとなしくても表現が出来る方だと思いました。彼女は言いました。
「二年間夢見て、お金を貯めて、やっと来られました。」
 彼らは、KAを観るためだけにテネシーから昨日いらして、学校があるので明日にはもう帰るそうです。男の子は小さかったので、お母様のご希望で簡単に裏をご案内しましたが、ご案内出来て良かったです。まだ静かに感動に浸っている様子の彼女が、ぽつりと、
「あなたの場面は本当に心動かされたわ。涙が出そうになったの。」
 彼女の言葉を、私は素直に受け止めることにしました。私は何か感じるものがあったので、お会いしてご案内することになりましたが、この偶然に感謝しました。
 ラーメン屋さんにはすっかり遅く到着。ラーメンを食べる気がどうしてもせず、ご飯を食べたかったので、チャーシュー丼を頼みました。最後の到着で急いで食べなくてはなりませんでした。おいしかったですが、また「何か食べ慣れないものなど食べませんでしたか。」と訊かれる時がありそうな気がしています。

Diversity Recharge

2012-02-23 | イベント
 七時半に起床して、すぐにMGMへ行きました。KAの劇場では、イベントのリハーサルが行われていました。コンサートかナイトクラブかと言った感じで、私達の演技は、全く違う雰囲気なので、みなさんにとって安らぎのひとときになると良いなと思いながら支度をしていました。パプリカとプラムをかじってお化粧開始。九時になるとカツラ担当の方がいらしたので、カツラを着ける前の準備をしました。それから、身体の準備。世界大会のことなどを思い出しながら、世界大会に出場するとなれば、もっと早い時間に身体の準備を始めているだろうと、少し反省。自分をあまり追い詰めないように言われたことを思い出して、心穏やかに準備を進めることにしました。
 身体を温めて、衣装とカツラを着けると、もう一度トレーニングルームへ行き、一曲通し練習をしました。ここまでの準備が出来て良かったです。五分前のコールが掛かり、出演の準備に下のグリーンルームへ行きました。しばらくそこで待ち、十時半に本番。私はだんだん緊張して、珍しく手に汗を掻き、手は震えていました。始まりは影絵。私はショーと同じように、舞台下で影絵を見ていました。そして、彼らが去ると、彼らを追いかけるように舞台に上がり、そこにスピアーマンが二人出てきて、アーチャーズデンで行なうデュオをしました。私はそれもショーと同じように見て、彼らを追い払うと、自分の演技が始まりました。最後のリハーサルで、照明がころころ変わり、とても見にくかったので、気になっていましたが、それは大丈夫でした。後ろ向きの時にフルートが見難いことが分かり、それを気を付けながら、震える手を落ち着かせながら踊りました。最後は、確実に出来るものに変えて何とか無事に終えました。客席は満員でした。
 衣装を脱いで、お化粧を落として、身体を整えにトレーニングルームへ行くと、そこで見る時計の針が、夜のショーを終えてから見る時計の針とほぼ同じなので笑いました。
 シェリーは、もう一度お化粧をしたくないので残ると言い、楽屋の机の下に小さなお家を作っていました。私は、夜までここで過ごすための支度を出来なかったので、ショーに出ない日にして下さったこともあり、帰ることにしました。
 朝食を食べ、しばらくすると眠くなってきました。イベントの出演を終えた直後は、すっきり冴えていましたが、家に帰ってほっとすると素直に疲れが出てきたようです。寝ることにしました。三十分の仮眠か、九十分のしっかり寝か。身体が充分と思ったところで勝手に起きるだろうと、目覚ましも掛けずに寝ると、ぴったり九十分で目が覚めました。仮眠で済めば用事を二件済ませられたのですが、時間がないので、車両登録更新の為のスモッグテストだけ行きました。私に時間があまりなかったこともあるのでしょうが、作業して下さる方の、ゆっくりなこと。日本人でしたら半分の時間で済んでいるだろうに、と思いながら作業を見ていました。
 仕事には間に合いました。ショーに出なくても、六時までに出勤しなくてはいけません。それにしても、こんなに遅く仕事に行ったのは初めてのことかもしれません。
 お化粧を終えると、フィジオに行きました。左の小指の様子がおかしいので、診て頂きました。予想通り、捻挫をしたようです。きっと、ケイジに上がる時に指を奥まで入れてしまったか、きれいに抜けなかったのだと思います。冷やして、固定するように言われました。そして彼は、静かに
「オイルを塗ると良いよ。」
 私が笑うと
「もう無いのなら、僕が持っているよ。」
 愛用して下さっているようです。
 それから、新しい衣装、フルートを持って、トレーニングルームへ。フルートは、昨日とは全く違う程滑るようになってしまい、何度も拭いてみましたが、効果がありません。昨日、ローションを使ってから状態が変わった気もしましたので、今日はローションを滑らなくすることを目的で使ってみました。どうやら、効果があるようです。
 新しい衣装は二つあるので、一つの確認を終えると、着替えてもう一つ試すことにしました。お願いしていた手袋も出来上がっていたので、こちらも確認しなくてはなりません。衣装は良いようでしたが、手袋はやはり大きいようです。新しいものに替えるように言われるかもしれないと、新しい手袋も持ち出して、試しました。こちらは時間を掛けて育てているので、何とかなりそうです。それが分かると、安心して古くなりつつある手袋の相談に行きました。もう直すには古過ぎるので新しいものに替えるように言われるかと覚悟をしましたが、最近モントリオールから届く手袋が、やり直しばかりで、今いくつ倉庫にあるのか心配なこともあると伝えると、まだその手袋は直す価値があると、直して下さることになりました。縮める印をつけましたが、明日、少し早目に来て、実際に縫って下さる方と話すことにしました。
 彼女は、
「客席から今朝の演技を観ていたけれど、素敵だったわよ。」
 誰もが客席に入れるわけではなさそうでしたので、どんな方が客席にいらしたのかとお聞きすると
「ダイバーシティのクラスを受けている人。」
 MGMホテルの従業員だけでなく、MGMリゾーツ・インターナショナル系列全体から人が集まっていたそうです。そして、ラスベガス以外にあるMGMリゾーツ・インターナショナルの系列のホテルには、ライブで中継されていたそうです。
 あっという間にマッサージを受ける時間になりました。今日は、背中の硬さが気になっていたので、何も無くても有難いクリスのマッサージを受けられることが、余計に有難く感じました。彼は丁寧に身体を診て下さり、ある時点で
「何か普段食べないようなもの食べた?」
 先週カイロプラクティックの先生に同じようなことを言われたばかりでしたので、笑いました。そのことを彼に話し、カイロプラクティックの先生に伝えたことの他に何かあるか考えました。卵を普段は毎日食べないのに、賞味期限が近くなってしまったので、毎日食べていることは気になりました。もしかすると、食べ物ではなくて、ストレスかもしれないと言うので、今朝のイベントがストレスだったのかしらと。その後、三角筋の辺りを触っている時に、
「肺だ。」
 日光浴をして、大きく呼吸をしてストレッチをすると良いそうです。それから
「グリーンティ。」
 と言うので緑茶を思いましたが、ジャスミン茶が良いそうです。こちらは、グリーンティとブラックティとホワイトティと大きく分かれていて、その中で種類があります。ホワイトティのジャスミン茶ではなく、グリーンティのジャスミン茶が良いと言うことだと思います。
「カリフォルニアに素晴らしい指圧の先生がいらっしゃるんだ。僕は君のことを話したよ。君の身体を診られることは光栄なことだからね。カリフォルニアに行く機会があったら、是非その先生を訪ねると良いよ。」
 クリスの勧める先生ですから、本当に素晴らしいのだと思います。是非訪ねてみたいと思います。今日も彼は時間を大幅に延長して診て下さいました。そして最後に、
「チーズは食べないよね…。」
 そこで思い出しました。月曜日のワイン&チーズパーティで、チーズをたくさん頂きました。
「チーズは胸の辺りを重たくするけれど、ジャスミン茶はカラッとさせるからね。」
 原因が分かり、私は大きく笑い、二人で喜び手と手を合わせました。
 家にティーパックでしたがジャスミン茶があったので、飲まないよりは良いかと飲むことにしました。少しでも身体の状態が良くなりますように。

胸がキューン

2012-02-22 | KA
 IRISのアーティストが、アカデミー賞に出演する為に、友人はバックステージテクニシャンとして働くことになっています。舞台に上がって作業をしなければならないことがあるそうですが、アカデミー賞では、舞台に上がる人は、全員がタキシードを着なくてはならないとのこと。今日は、タキシードの試着があったそうで、髪もオールバックにして、珍しく恰好つけたようです。テレビに映るかもしれないとのことですから、楽しみです。
 アパートの桜は、それほど花の数が増えていないように思えました。MGMの桜は、六、七分咲きと言ったところでしょうか。二十メートルぐらい先の日陰にある桜はどうかしらと思うと、まだ咲き始めたところのようでした。
 フルートのテストをゆっくりする時間がなかったことと、使用中のフルートの表面加工が剥がれてきてしまったので、フルートの為に時間を作ることにしました。新しい素材の表面加工は、全く滑らないので、手の皮が剥けてしまうほどでした。それを調整できるのかの実験と、新しいフルートの滑り具合の調整をしました。新しいフルートは、何度か練習で使っていて、違和感がなかったのですが、今日は全く滑らないどころか、手にベトベトとくっつきました。ベビーパウダーを塗って調整しましたが、あまり良い状態ではなく、いつまでもベトベトしていました。少し時間をおいて様子を見ようと楽屋に戻り、ほんの少し経ってからフルートを再び触ると、今度はサラサラ、ツルツルでした。水拭きをして、ベビーパウダーを取り除いて見ても、ツルツルしています。これからどう育てていけば良いのか、考えなくてはなりません。
 お化粧をしていると、衣装部屋の方がいらっしゃいました。
「新しい衣装はどう?」
 イベントの衣装も試さなくてはいけませんでしたし、手袋の直しもありました。そして、丁度フルートを六本壁に並べていましたので、
「このフルートも試さなくてはならなくて…。すみません、もう少し時間を下さい。」
 昨日、新しいスカートの直しのお願いはしたのですが、スカートを持って行くのを忘れていました。急いで衣装部屋に届けました。それが練習時間に間に合ったので、着て通してみると、調子良くありません。フルートが何度もスカートに絡まりました。もう少しこのスカートで練習をすることにして、今日は今まで使用していたスカートで出ることにしました。
 しかし、本番で、同じように絡まりました。身体の動きがいつもと違っているのかもしれません。背中が硬いので、その影響かもしれません。二回目は、不安があるためにさらに緊張をしました。腕がだるい感じなので、エネルギーを残しておけるように使うようにしました。クリフデッキに乗り込んで、いつものようにピエールルックと握手をしようとすると、彼は手にキスをしました。何か感じていたのでしょうか。励まされました。本番前に動いていると、何とかなりそうでしたが、本番で最後に投げ上げたフルートは、力が少し足りず、危うい感じでしたが、どうにか手に納まりました。ご覧頂いて下さったみなさんのお蔭かと思い、お礼を言いながら終えました。
 二回目のショーにいらして下さったお客様、私が出演するショーは久しぶりにご覧になったそうです。
「ああ、また観られて良かった。あの胸がキューンとするのがね…。」
 明日は朝早いので、ご飯を食べて帰ることにしていました。その明日の準備の為にまだ働いている旦那さんのことを待っている衣装部屋の方の隣でご飯を食べていると、最近ブライアンヘッドに別荘を買ったと教えてくれ、写真も見せてくれました。私の憧れのログハウス。中も素敵で、ジャグジーまでありました。ブライアンヘッドには、行ったばかりで、あの時に見たあの家だったのかもしれない、などと思いながら、話を聞いていました。リビングルームなどとは別に、寝室が三部屋ある家だそうですが、十二万五千ドルで買えたそうです。一ドル八十円で計算すると、丁度一千万円です。本当に良い買い物をしたと喜んでいました。丸太で出来たベッドフレームを買い、サイドテーブルも合わせてとても可愛らしいです。思わず、
「B&Bを始められますね。」
 と話していたら、だんだん自分も楽しくなってきました。彼女は物語を書いたりするので、その為の静かな場所が出来て嬉しいと言っていましたが、
「B&Bもいいわね。私の母は、たくさんの人に食事を作ることをしていたから、どうしたらいいかも分かっているし、それは可能なことだわ。」
 私もいろいろと夢を見て、楽しいひとときでした。

ゆっくりと言われてすぐ呼び出し

2012-02-21 | KA
 友人に頼まれて、銀行に行くことになりました。郵便局にも行きたいですし、ガソリンも入れなくてはいけません。早い出勤ですが、全て終えられるでしょうか。
 銀行に向かいましたが、見付からないので戻りながら、言われた場所をもう一度頭の中で確認すると、勘違いしていることに気付きました。無事に見付けられ、振り込みも無事に済ませることが出来ました。銀行を見付けるために遠くまで行ってしまったので、ガソリンのライトが点くほどにガソリンが無くなってしまいました。ガソリンを入れると、休日明けなので混んでいることを覚悟して郵便局へ。郵便局は、駐車できないほど混んでいました。駐車場を一周回って戻ると、幸い出ていく車を見つけ駐車。郵便局の中は、入り口まで人が並んでいました。三十分時間があったので、何とかなるだろうと並びました。こちらも無事に済みました。
 イベント用の衣装を着て練習をしました。衣装は少しきつい気がしますが、イベントは短時間なので大丈夫でしょう。踊りが少し遅いのが気になりました。
 週頭のミーティングで、ズラがみんなに千羽鶴のお礼を言いました。事故に遭った男の子の残された脚の方に感覚が戻ってきた部分が出てきたそうです。涙を流して喜んでいたとのことで、私も涙が出そうでした。
 ショーの前に身体を整えながら、そしてショーをしながら調子は良くなっていくのが分かりました。まだ、一日目ですから、頑張って頂かないと。
 今日もショーの後に練習がありました。ゆっくりと着替えてお化粧を落として準備をして良いから、と言われたのですが、まだ衣装を脱ぐか脱がないかのうちに、放送で呼び出されました。急いで支度をして、劇場に行くと、スクリーンを組み立てています。少なくとも始まるのに十分は掛かることだろうと思って、舞台を見つめていると、ステージマネイジメントのライトが、
「僕が呼びだしたから急いで来たんだよね。まだ時間が掛かりそうだから、お化粧落としてきていいよ。」
 急いで楽屋に戻り、お化粧を落としました。再び劇場に戻り、それでも随分待ちました。途中で経緯の説明があり、スクリーンを二つ使うことにしたと連絡が入ったので、中央に黒い部分が入るため影絵は出来ないかもしれない。そうしたら影絵をカットして、アーチャーズデンのデュオとノリコだけする、と言われました。そうならないことを願います。
 終わると十二時十分でした。一回の通し練習だけでしたから、四十分以上待ったのかと思います。お腹がペコペコでした。

プレジデントデイ、ジュリアの誕生会

2012-02-20 | 日記
 送りたいものが三つありました。用事をしながら荷物を作っていたためか、仕上がった時は郵便局が閉まる一時間前。他にも行きたいところがあったので、急いで出掛けました。すると、郵便局はお休み。プレジデントデイの休日でした。二つは機械で手配できましたが、一つは出来ないものでしたので、明日また行かなくてはなりません。
 その後、どういう順番で回ったらいいのか考え、ミスティアのチケットを買いに行きました。幸い列は短かったのですが、地元民向けの割引が今月末で終わることになっているけれど、また始まるだろうから、もう少し待ってから買った方が良いのではと言われました。チケットはたくさん残っているとのことでしたので、そうすることにしました。二つ目の用事も済ませられなかったと、少しがっかりしているところに現れたのは、ロスくん。仕事に向かうところで急いでいたでしょうに、立ち止まって話してくれました。ミスティアは、ZEDのアーティストを交えて演目を変えました。時間がある時に観せて頂けることになりました。
 そこから、プレゼントを買いに出掛けました。車を走らせながら、タウンスクエアでことが済むかもしれないと寄ってみることにしました。休日なので賑わっていました。お店をいくつか覘き、良いものが見つかったので、試着をしてみました。何とかサイズが揃いそうです。
 車両登録の更新の為にスモッグテストをしなければならなかったのですが、お店は閉まっている時間でした。オイルチェンジも次回です。
 食料を買いに出掛けると、アパートに戻り、買った洋服を着てみました。試着したサイズは少し余裕がありましたが、その下のサイズが着られるか心配だったのです。残念ながら、袖ぐりが小さく、返品しなくてはならないようです。
 ジュリアのプレゼントを包むと、誕生会に出掛けました。まだ数人ほどしか集まっておらず、彼女とゆっくり話すこともできました。ワインとチーズのパーティ。チーズはとてもきれいに並べられていました。おいしいパンもあって、思わずどこで買ったのか訊きました。ワサビのチーズは見たこともありませんでしたが、とても美味しく、ボビーは「全部食べられそう。」と言って、切っては食べ、切っては食べと本当に止まらずに食べていました。そのテーブルの横には、夏に着物姿でモデルをした絵が飾られていました。
 パーティでのんびりできたと思っていたのですが、朝から捗り良く活動していたので、疲れていたようで、帰ると何も出来ずに横になりました。