のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

カードに笑って良い薬

2011-06-15 | 右足不自由日記
 シルク・デュ・ソレイユのアーティスト達によるショー、『Cabaret』が真夜中にあるので、それに合わせて遅めにMGMへ行きたいと思い、ジャニンに車を頼みました。遅れたことを謝りながら現れた彼女は、土曜日に遭った出来事を教えてくれました。そして、その時は何も持逃げされていないと思ったけれど、今日ネックレスを取り替えようと思い、ベッド横にいつも置く箱を取りに行くと、それがないことに気付き、しばらく何も出来なかったそうです。出しっ放しにしてあったコンピュータやカメラはそのままいつもの位置に置いてあったので、大丈夫かと思っていたそうですが、ネックレスや時計が入っていたというその箱だけ、盗られてしまったようなのです。こういう時の本番は、辛いものです。
 プロップスのみなさんより贈り物がありました。孔雀の羽が付いた大きな封筒を開けると、手作りのカードが入っていました。そしてそのカードを見ながら大きな声を出して笑ってしまいました。プロップスのみなさんの顔写真を私の身体にはめ込み、カードを作って下さっていたのです。
        
「あなたがKAに出られない間も心配しないでください。代わりが出来ました。」
     
「バトンのアクトは私達が出来ます。」
     
「写真撮影も問題ありません。」
     
「広報活動に向けても準備が出来ました。」
     
「練習をして控えている者もいます。」
     
 笑うことが何よりの薬になることでしょうと、一日も早い回復と復帰を願い、楽しいカードを作って下さっていました。みなさんのお心は元より、これだけのカードを作るのに費やした時間のことも考え、本当に有難く感謝致しました。とび出すように作られたそのカードは本当に良く出来ていて、なるべくたくさんの人に見て頂きたいと思ったのですが、プロップスの方は、私がこのカードのおもしろさを理解するか心配で、何人かの人にはすでに見せて確認をしていたようです。みんなにカードを見せる度に、また声を出して笑いました。
 トレーニングルームに居ると、パージェントと呼ばれるショーの始まりのシーンの練習が始まりました。昨日会った新しい中国人のアーティストは、もう衣装を着て練習をしていました。きっと彼は、KAの休暇が終わった後に来たのでしょうから、まだ練習を始めてから一週間ほどしか経っていないと思います。それなのに、もう舞台に立てそうな感じでした。思った通り存在感もあり、堂々としていて、とても期待が出来るアーティストな気がします。
 水曜日のマッサージ師は人気があって、いつも予約でいっぱいなのですが、今日は空きがあったので、私も受けさせて頂くことが出来ました。一人二十分のマッサージ時間ですが、余裕があるようなので腰もお願いすると、知らぬ間に相当かたくなっていたようです。「やり方を変えないとだめだな。」などとと言ってほぐしていって下さいました。ショーに出ない間は、水曜日のマッサージも受けられます。車に乗れるようになれば自分で通えるので、来るようにしようと思いました。
 昨日、エリカが企画しているチャリティショーから、バレエの演目を無くすかもしれないと言われていました。振付を頼まれていたものですが、時間もなく他にいろいろと整理しなくてはならないことがあるので、今から始めるより、無くした方が簡単だということでした。バレエダンサー達に連絡を取るということでしたが、まだ返事が来ていないそうです。
 時間に余裕があり、トレーニングルームでたくさんのことが出来ました。右脚付け根の調子が気になりますが、二本足で歩けるようになれば、変わってくることかとも思います。
 ピラーティスは予約がいっぱいで、今日は受けることが出来ないので、自分でしようと思いました。先生にお会いすると、「怪我のこと聞いたわよ。最後まで踊り切ったそうね。ヒーローだって聞いたわ。」と。誰がそういう風に伝えているのか。きちんと踊れたわけでも何でもないのに、どこかに私をヒーローに仕立ててくれている人が居るようです。
     
 今年の『Cabaret』は、ズーマニティの劇場で行われました。MGMからズーマニティの劇場があるニューヨーク・ニューヨークまで、松葉杖では時間が掛かると思い、KAが終わるとすぐに出掛けると、劇場を出たところにアーティストの彼女が二人居ました。少し話していると、二人は彼達を送るためにそこで待機していることが分かりました。私は、ニューヨーク・ニューヨークは歩いてすぐの所なので少しびっくりしていたのですが、私が歩いて行くことが分かると、乗せて行ってくれることになりました。
 会場には早目に着いたと思っていたのですが、すでにたくさんの人が集まっていました。今年の『Cabaret』は、楽しめました。KAに京劇のアーティストとして入ったサイモンは、三つのボールのジャグリングをしながらダンスをしていました。それも、ボールをただお手玉のようにジャグリングするだけではなく、腕を転がしたりいろいろな技術を取り入れて、ボールに表情が出ていておもしろかったです。“O”の日本人スイマー達は、二本の大きな輪が平行に繋がれた器具を使うジャーマン・ホイールをしたり、空中に吊り下げられた長く大きな布を使うエアリアル・ティシューをしたり、シンクロナイズド・スイミングとは全く違うことに挑戦をしていました。さらに驚いたのは、憧れのロスくんが途中からホスト役で入り、みなを笑わせていたことです。本当にみなさん多才です。KAのアーティスト、スペンサーのバラエティ・ラジオはいつ観ても何度観ても楽しめます。一番のお気に入りは、Viva Elvisのアーティストによるダンスだったでしょうか。しなやかで力強く、熟練されていて本当に素晴らしかったです。
 暑い一日で、午前三時過ぎでも摂氏三十度あったのではないかと思われます。この夏は、家に居る時間が多くなると思いますので、熱中症にならないように気をつけなければと思いました。
コメント
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