いやあ、毎年のことなのに、「箱根駅伝」は興奮する。今回で87回を数える箱根駅伝、その歴史の中でも、3年連続往路5区を快走した東洋大学3年生・柏原竜二が、3度順位を逆転し、往路優勝に導いた。この゛山の神゛は、天才なのかもしれない。大学1年からこの第5区を走り、その度に、前走者を抜き去る快挙を、3度も演じている。今年は、春先から不調であったのに、この時期に体調を取り戻し、見事に箱根駅伝第5区の山の神の異名を、確実なものにした。本当に素晴らしい。今回は、前2回より相当なプレッシャーが掛かっていたことであろうと思うのだが、その重圧をも撥ね退け、期待に応えるあたりは、素晴らしいの一言である。
抜かれたとはいえ、2位につけた早稲田大学は、大幅に時間を縮め、復路・総合優勝を狙っている。この箱根駅伝で早稲田大学が優勝すれば、3冠を達成することになる。それ程重要な大会に、今回はなっているのである。早稲田の3冠か、東洋の箱根駅伝3年連続優勝かが、非常に面白い。
この箱根駅伝は、陸上競技でありながら、格闘技的要素と団体戦の要素がふんだんに入っている競技である。それだからこそ、見ている人間をこれ程熱くさせるのである。
<記事>
<第87回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間108キロ)
逆転で往路優勝を果たした東洋大の柏原竜二(3年=いわき総合高校出身)がインタビューで絶叫、そして大泣きした。マイクを向けられるとまずは「やったぞー、田中!」と絶叫。互いに励まし合ってきたチームメートで、3日に復路9区を走る田中貴章(3年=稲生)にメッセージを送った。そして「往路新記録が出るってのが本当にすごい。まだ主力が残っているので東洋らしい粘りを見せて優勝したい」と涙で顔をくしゃくしゃにしながら3連覇を誓っていた。