1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

介護タクシーのこと

2007-10-05 22:27:01 | Weblog
娘は3回の手術で7ヶ所の骨肉腫をとりました。動かせるのは右手と顔だけ。
床ずれがひどく、肉がえぐれて骨が見えていました。
ですからストレッチャーの様にリクライニングする車椅子だけが移動の手段です。
病院と家の行き来もリフト付の介護タクシーが必要でした。
いまはタクシー会社にも介護タクシーがあります。ところがタクシーは月曜から金曜日の朝8時から夕方5時まで。土日と夜は走ってくれません。
運転手はおそらく介護の講習を受けていると思うのですが、小さな振動さえも苦痛に感じる娘のことは気遣ってはくれません。
「福祉の足」という業者さんが病院に出入りしてみえたので一度乗せてもらいました。病室まで迎えに来てくれます。患者さんの扱いにも慣れてみえます。
運転も細やかで娘はとても快適だったようです。時間の制限もなく土日でも夜でも
空いてさえいれば来てもらえます。でも地元でないため市の補助がでないので
家から病院まで片道7,000円かかりました。毎週往復していては大変なのでタクシー会社と交代で使っていました。
でも病状が悪化し弱ってきてからは「福祉の足」だけになりました。娘は「福祉の足」のおじさんを信頼していました。

抗がん剤の補助剤のこと

2007-10-05 01:39:01 | Weblog
補助剤をプラスすることで抗がん剤の効果が上がることが研究されています。
カフェイン・ビスフォスフォネート(骨粗しょう症の薬です)などを抗がん剤と併用して投与します。
娘の場合、抗がん剤感受性試験でアドリアマイシン・イホマイドとビスフォスフォネートの併用が効果があることがわかりました。
カフェインとシスプラチンの併用治療の効果も金沢大学などで研究されていますが
娘の病院では「いままでの治療例では副作用がひどく、生命が危険にさらされたこともある。」ということでこの時点では行いませんでした。

抗がん剤の治療のこと その1

2007-10-05 01:16:22 | Weblog
骨肉腫に有効な抗がん剤は4種類あります。
シスプラチン・メソトレキセート・イホマイド・アドリアマイシンです。
最初の病院ではシスプラチンとメソトレキセートを投与しました。
シスプラチンの副作用はひどいものでした。極度の嘔吐、腎障害、難聴。
食事は喉を通らず、このまま死んでしまうのではないかと思うほどでした。
その後、メソトレキセートの投与。吐き気、嘔吐、ひどい下痢。吐く時に
おなかに力が入るので便が出てしまうのです。
数日たって吐き気が止まる頃、血液障害が現れます。白血球の減少、血小板の減少
。これ以上下がると血管からの出血がおきてしまうので血小板を輸血しました。
1ヵ月後MRIで抗がん剤の効果を確認しましたが、効果はありませんでした。
その後、病院を代わりました。
次の病院では、抗がん剤の投与を始める前に「抗がん剤感受性試験」を行いました。
生検の時に採ったがん細胞をシャーレで培養し抗がん剤を入れて抗がん剤の効果を見るのです。
いままでは医師個人の経験的判断で抗がん剤を選択していましたが、
この試験のおかげで個々の患者に対し、最も有効で適切な薬剤を選択できます。
この試験は賛否両論あるようですが、効果のない薬のために苦しい思いをするのはもう嫌です。
抗がん剤感受性試験の結果、娘にはイホマイド・アドリアマイシンの効果が認められました。