このように戦後数十年をかけて仏教の一派からカルトへと変貌した創価学会が、今日の日本をどの程度浸食しているのだろう。それを把握するためにまず「国民への浸食度」、つまり信者数から見てみよう。
学会の信者数は公称827万世帯(2007年から現在まで)と言われている。人の数でなく世帯数で表わすのは、信者はその家族全員を入信させなければならないという鉄の規則のせいかもしれないし、または家単位で宗派が決ま . . . 本文を読む
ここで団体としての創価学会について簡単に説明しておこう。
創価学会の前身「創価教育学会」は、1930年に東京市の小学校長・牧口常三郎と、同じく教員だった戸田城聖によって創始された。二人とも熱心な教育者であるとともに日蓮正宗の信徒であった。よって設立した団体は、本分としては牧口独自の理論に基づく教育改革の推進を目的とするものだったが、日蓮正宗の在家信徒団体として名前を連ねていることからもわかると . . . 本文を読む
日本で「カルト」と言えば、オウム真理教とか統一教会といった危険なイメージが頭に浮かぶ。元々カルトは「崇拝」「礼拝」を意味するラテン語「Cultus」から派生した言葉で、現在では「反社会的な宗教団体」との意味合いで使用されることが多い。
ここで昔からよく聞くことのひとつに、「創価学会はカルト」だという話がある。実際にそうなんだろうか。
創価大学や創価学園は学校法人としても認められてるし、テレビ . . . 本文を読む
8月の始めだったろうか、管首相が日韓併合100年を機に「首相談話」を出すという記事を読んで、唖然としてしまった。わが家にはテレビも新聞もない。もしかしたらこのニュース、もっと早くに世間で論じられていたのかもしれないが、それに私が気づいたのは、たまたま立ち寄ったラーメン屋のカウンターでである。手には新聞を開いていた。
管直人といえば、かつて民主党の野党時代、拉致問題の解決よりも北朝鮮との親善化を . . . 本文を読む
さて、先に国産小麦はそのほとんどが「うどん用」として使われていると述べたが、ではパンでは勝てなくても、「うどん」ならば国産品が輸入小麦よりも優れていて、うどんの多くは国産小麦を使っているのだろうか。
実はここでも日本人はがっかりさせられることになる。なんとうどんの世界でも、品質・量ともに外国産には敵わないのだ。
うどん用原料として現在もっとも使われている小麦は、ASW(オーストラリア・スタンダ . . . 本文を読む
まず日本向け小麦の最大の輸出元、アメリカから出発しよう。アメリカ穀物メジャーの倉庫は、ミシシッピー河口のニューオーリンズにあるという。そこから日本に輸送するには、貨物船に載せてパナマ運河を越え、湿度の高い洋上を何カ月も運ばなければならない。加えて船便を待つ間倉庫に長期間貯蔵する場合もありえる。そのために、外国向け小麦には出荷時に農薬(ポスト・ハーベスト)が使用されている。
小麦に対するポストハ . . . 本文を読む
植物としての「小麦」の原産地は、チグリス・ユーフラテス川上流域のコーカサス山脈辺りと考えられている。標高の高い半乾燥地帯である。今から1万5千年ほど前の西アジア新石器文化で栽培され(1粒系コムギ)、更にメソポタミア地方で8千年ほど前に現在主流となっている普通系コムギが栽培されたことが遺跡の中で確認されている。
紀元前3000年にヨーロッパやアフリカに伝播され、紀元前1世紀(前漢時代)にはシルク . . . 本文を読む
栽培時に撒かれた農薬は、表皮や根を経由して植物体に入る。人と同じように植物にもまた、体内に入り込んだ毒素を排出したり分解したりする機能があるのだが、そんなもの日本で使われている農薬量の前には無きに等しい。
日本で年間に撒かれる農薬量は、製剤物量で64kg/ha(2003年農薬工業会発表データによる。日本の耕地面積を500万haとした)。つまり一反歩の田畑に6.4kg撒かれることになる。これは具 . . . 本文を読む
米をとりあげたついでに、今度は「小麦」を見てみよう。麦は一般に欧米人の主食と見られる向きもあるが、彼らの伝統食の中では、実は麦は日本人の米ほど主食的に食べられてはいない。彼らは稲や芋類の栽培に不適な寒冷地・半乾燥地に起源を持つ民族であるがゆえに(ただし新大陸からジャガイモが導入されてからは、芋類も食生活に組み込まれるようになった)、狩猟と遊牧を基礎とする肉食、それを栄養補完する意味で玄殻小麦(つ . . . 本文を読む
もうひとつ、例え現在の測定機器では検出されないくらい微量だとしても、農薬を振りかけた作物が、そうでないものと決定的に違うことを示す証拠がある。ただ、これは定量的なものではなくて、五感をとおした体感的なものになるのだが。
それはおそらく、両者を実際に食べ比べた人、または職業的・日常的に双方を扱っている人の中には結構気づいている人が多いと思う。例えばたくあんを漬けることにしよう。今まで市販の大根と . . . 本文を読む
次に果実の中からひとつ選んでみよう。日本を代表する果物「りんご」がいい。以下に同じように比較分析したグラフを掲げる。
ほぼ先のトマトと同じ傾向が伺えるが、事態はいささか悪化している。日本とEU双方の対象となった薬剤は229種。うち30%が基準値一致。日本が上回ったのは全体の55%で、下回ったのは14%。大きく見れば、日本はEUの10倍近く甘い残留農薬基準を持っていることになる。ここでも500 . . . 本文を読む
先月の岩手県議会で「食の安全安心推進条例」なるものが可決された。報道によると、食料生産県として、「県民に信頼される食品の生産を確保」し、「県民の現在及び将来にわたる健康を保護」すべく制定したらしい。特にこれまで任意だった事業者の食品自主回収報告を義務化する内容などが盛り込まれていて、同様の条例では全国で14番目、東北では初のものになるようだ。
さすが岩手県!と本気で思ったわけではないが、いささ . . . 本文を読む
生物が、常に変化するこの世界を生き抜く力は「試練」によって育まれる。しかしすべての「過酷な環境」が、必ずしも生命力の強化につながるわけではない。例えば、農薬などによって痛められた場合などがそうである。
除草剤は「植物を枯らす」ために開発された薬品だが、田や畑に撒いた場合、雑草だけに効果があって稲や野菜には無害である、なんてことはない。もちろん取り扱いの便宜のために、さまざまな工夫を施したり散布 . . . 本文を読む
田んぼの水口で、一匹のヤマアカガエルが卵塊を抱くようにしているのを見た。産み終えたばかりなのか。それとも卵を外敵から守ってでもいるのか。近づいてもじっとして逃げない。もしかしたら逃げる力がないくらいに弱っているのかもしれない。
自然界は過酷である。早春、雪が融けると同時に産み出された彼らの卵塊はぎっしりとかたまって、田のそこここに大きな島を形成した。大陸の創造を見ているようで壮大な感じがしたも . . . 本文を読む
今日は君に、今から400年前、長生きしたことによって一躍イギリスで国民的ヒーローとなり、またそれゆえに不遇にも寿命を縮めてしまった、とある男の話をしようか。
彼の名はトーマス・パー。15世紀から17世紀にかけて生きた実在の人(1483~1635)と言われている。当時イングランドはアルマダ海戦で最強国スペインを下し、同じく海外進出新興国であったオランダと世界の覇権を賭けて争っているさ中だった。そ . . . 本文を読む