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陸王。(番外編vol.520)

2014年05月09日 09時01分50秒 | Weblog
大正時代から国内でも国や軍がバイク需要に目を向け始め、

アメリカからハーレーを輸入するようになり、

軍用車や官公庁を中心に使われるようになります。

さらに輸入関税が高騰したことをきっかけに、

ハーレー社から国内生産を求め和製ハーレーとして実現したのがこの「陸王」です。

当時、輸入代理店をしていた製薬会社の第一三共が分社として、

1933年「日本ハーレーダビッドソンモーターサイクル」を設立。

ここにハーレー社から生産に関するライセンスやツール全てが日本側へ供与され、

1934年から正式に生産が開始されます。

「陸王」はハーレーの模倣と思われがちですが、れっきとしたハーレーなんですよね。

初期のモデルはサイドバルブ・1200ccエンジンを搭載したモデルを販売していましたが、

日本人の体系にあったモデルとして750ccモデルRが主流を占めるようになります。

販売当初はネームが決まっていなかったため、

一般公募で「陸王」という名がつけられたようです。

戦中、アメリカとは対立状態にあったのですが、軍用として「陸王」の生産は続き、

戦後も元航空機メーカーの昭和飛行機の資本傘下として「陸王モーターサイクル」社から

一般向けとして販売が継続されるようになります。

しかし、50年代に入り次々と国産のバイクメーカーがヨーロッパの

新しい技術を取り入れたバイクを販売し始めたことから、

「陸王モーターサイクル」は窮地にたたされてしまいます。

アメリカからもOHVという新しい構造を提案されますが、

軍用で使用していた実績を考慮しサイドバルブのまま生産は続けられてしまいます。

これがあだとなり、さらに需要は低下。

かつての敵国のバイクという見られ方もあり、1959年、ついに倒産してしまいます。

現在では和製ハーレーとして貴重なバイクとなっており、

現存する数少ない車両が愛好家たちの手により保存されている状態で、

カスタムされるものは少なく、ほとんどはオリジナルの状態です。

同年式のハーレーではなくこの「陸王」だから価値があるようですね。



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