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阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

07月23日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年07月24日 | SNS・既存メディアからの引用記事

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東日本大震災が起こった翌年の [ 2012年06月23日(土)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] 再掲載

2024年07月24日 | 東日本大震災ブログ
2012年06月23日(土)
 
沖縄1945年6月23日 日本軍がアメリカとの戦闘を継続できなくなった日
沖縄慰霊の日 戦没者の追悼式
6月23日 12時9分 NHKニュース
 
沖縄は、23日、太平洋戦争末期の沖縄戦から67年の「慰霊の日」を迎え、各地で平和への祈りがささげられています。

最後の激戦地となった沖縄本島南部の糸満市では、沖縄県主催の戦没者追悼式が行われています。

昭和20年の沖縄戦では、住民を巻き込んだ激しい地上戦の末、犠牲者は20万人を超え、県民の4人に1人が命を落としました。

6月23日は、沖縄戦で旧日本軍の組織的な戦闘が終わった日とされ、沖縄県が「慰霊の日」と定めています。

最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園には、遺族などが訪れ、戦没者の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」に花を手向けて、犠牲者を悼んでいます。

母親が撃たれて亡くなったという69歳の女性は、「母が撃たれたとき、私は血だらけになって、近くにいた人に抱えられて生き延びました。戦争がなければ母と一緒に過ごせたと思うと、憎くてたまりません。母の名前が書いてあるここに来ると、会えた気になります。『いつまでも見守っていてください』と伝えました」と話していました。

平和祈念公園では、正午前から遺族などおよそ4500人が参列して、沖縄県主催の戦没者追悼式が行われています。

仲井真知事が「平和宣言」を読み上げて、平和を求める沖縄の声を世界に向けて発信するほか、野田総理大臣も犠牲者に哀悼の意を表すことになっています。

ことしは沖縄が日本に復帰して40年となる節目の年ですが、今も悲しみの記憶と、戦争が残した基地の負担に向き合うなか、沖縄は、平和を願う祈りに包まれます。

慰霊の日 遺族ら平和願い行進
6月23日 11時41分 NHKニュース
沖縄戦最後の激戦地となった沖縄本島南部の糸満市では、遺族などおよそ800人が平和の尊さを訴える平和行進を行いました。

ことしで51回目となる平和行進は、沖縄戦最後の激戦地となり多くの人が亡くなった沖縄本島南部から平和の尊さや戦争の悲惨さを訴えようと、毎年「慰霊の日」に行われています。

この日は、県内外の遺族などおよそ800人が糸満市役所前の広場から、戦没者の追悼式が行われる平和祈念公園までのおよそ9キロの道のりを行進しました。

主催する沖縄県遺族連合会によりますと、高齢化が進み、行進に参加できない遺族が年々増えていて、戦争の記憶をいかに継承していくかが課題になっているということです。

参加者は戦争で亡くなった人たちのことを思いながら、歩みを進めていました。

父親など家族4人を亡くしたという沖縄市の77歳の男性は「戦争は何ももたらさない悲惨なものです。基地問題が解決しないかぎり、沖縄に本当の平和は訪れないと思います」と話していました。

また、孫と一緒に毎年参加している那覇市の67歳の女性は、「父親を亡くした自分の体験を伝えていくことができたらという思いで、行進に参加しています」と話していました。
 
 
国会周辺デモの個人参加者たち
一人の力 未来は変わる 再稼働反対デモ
2012年6月23日 07時25分 東京新聞

 民意からかけ離れた政治に、声を上げ続ける人がいる。関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)の再稼働に抗議し、二十二日夜も大勢の人が国会周辺に集まった。今いる「ここ」から、未来は変えられる。一票という力を持つ人たちの思いを国会前で聞いた。 (比護正史、鬼木洋一)

■当事者意識で生きる アーティスト・鹿嶋 隆文さん(34)

 今までは、上から与えられた情報で生きてきた。なぜ今のような事態になったかと考えると、子どもの未来が想像できなかったから。今ならまだ間に合うかもしれないと、ここに来ました。

 東日本大震災の二日前、勤めていた東京都内のそば店を辞めました。隣近所の人の顔も知らなければ、周りの人とつながることもなかった。孤独感とストレスでいっぱいでした。

 震災から約一カ月後、原発事故による放射能への恐怖もあり、海外に逃げました。一年間、タイやオーストラリアなどを回りました。オーストラリアのある町のコミュニティーセンターは、若い人々の交流の場になっていた。地域がつながっている感じがいいなと思いました。

 もともと絵を描いていたので三月に帰国後、地元の神奈川県葉山町などでアートで町おこしをする複数の市民団体に加わりました。地域に根差して、当事者意識を持って生きようと考えたからです。

 震災後はみんな心に寂しさを抱えていた。催しを企画すると、知らなかった人々が集まって自然とつながっていきます。こういうつながりをもっと広げたいです。

■情報集め判断する 主婦・梅沢千津子さん(60)

 脱原発のデモや集会に参加するようになったのは今年四月から。事故が起きるまで興味も知識もなくて、今振り返ると、そういう自分がいやになります。自分で情報を集め、最終的に自分で判断できるようになるため、フェイスブックやツイッターを始めました。

 当初は一人でデモに行くことに抵抗感があり、ツイッターで「心細い」とつぶやいたりしていました。知らない人たちからの「大丈夫。個人で来ている人が多いから」との反応が励みになりました。

 バイオリンの趣味を生かし、八年前から福祉施設や病院などで演奏するボランティアを続けています。震災後はショックで数カ月楽器を触る気にもならなかった。やむなく人前で演奏する機会があったときに、聴いてくれた人から「元気をもらいました」と言われ、立ち直れた。

 自分でできることをと考え、NPO法人の仲介で昨年十一月、岩手県大船渡市のスーパーで相棒の女性ピアニストと演奏しました。都内に移住した岩手県大槌町の被災者と知り合いになり今秋、ミニコンサートを開く計画を進めています。

■学生と思いを共有 大学講師・筒井 史緒さん(35)

 大声を出すとか、主義主張を声高に話すのは苦手でした。でも、誰かがやってくれるだろうという人ばかりだったら何も動かない。一人でも変われば、何かが変わると信じて知人と一緒に来ました。

 帝京大学で、宗教文化論や英語を教えています。以前は授業で自分の個人的な思いを語るのは、押しつけにつながると意識的に控えていました。震災後は、教師というより一人の人間として、授業の合間に「自分はこう思うけどみんなはどう?」と、学生に投げ掛けるようにしています。

 震災と原発事故で、命には限りがあることを、あらためて思い知らされたのがきっかけです。自分も突然、命を失うかもしれない。日本だって今の状況なら、いつどうなるかも分からない。授業は学生たちと思いをシェア(共有)できる場なんだと、今は強く感じます。

 私たちは、自分では作り出せない自然に生かされてきた。それなのに使えるものは使い尽くし、勝手に変えてしまっていいんだと傲慢(ごうまん)に考え、今のような状況を招いたのではないでしょうか。
 
 
首相官邸前へ大デモが起きている
大飯再稼働:撤回求め官邸前でデモ 列は700メートルに
毎日新聞 2012年06月22日 21時40分

首相官邸前で、大飯原発再稼働反対を連呼する抗議集会の参加者ら=東京都千代田区で2012年6月22日午後6時19分、手塚耕一郎撮影
東京・永田町の首相官邸前で22日、関西電力大飯原発の再稼働撤回を政府に求める抗議行動があった。主催者によると約4万5000人、警視庁によると約1万1000人が参加。周辺の歩道を埋め尽くした人が「再稼働反対」と、約2時間にわたって声を上げた。

 有志の市民ネットワーク「首都圏反原発連合」の呼びかけ。3月に始めた当初は300人程度だったが、回数を重ねるごとに参加者が増えたという。この日集まった人の列は約700メートルにも達した。

 茨城県土浦市から来たという会社員、東原裕樹さん(32)は「フェイスブックで今日の活動を知った。核廃棄物の処理方法も決まっていないのに再稼働するなんてあきれてしまう。黙っていてはいけないと思った」と参加理由を話した。【池田知広】

首相官邸前で再稼働反対デモ 
2012年6月23日 00時35分 東京新聞

首相官邸前で大飯原発再稼働反対を訴える人たち=22日午後、東京・永田町で(淡路久喜撮影)


 関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働決定の撤回を求める大規模なデモが二十二日夜、首相官邸周辺(東京都千代田区)であり、官邸に向かって「再稼働反対」「大飯を止めろ」と力強いコールを繰り返した。

 複数の市民グループ有志でつくる「首都圏反原発連合」がツイッターなどで呼び掛けた。政府が3、4号機の再稼働方針を決めた四月から毎週末、官邸前で実施されているが、再稼働が正式に決まった今月十六日以降、これに抗議して参加する市民が増加。

 この日は、官邸から霞が関方向へ人の波が歩道から車道にあふれ、主催者発表で約四万五千人が加わった。

 マイクを握ったルポライター鎌田慧さんは「原発がなくても日本社会は混乱しない」と強調。参加した東京都東村山市の大越明子さん(44)は「声を上げないと、賛成したのと同じになってしまう。再稼働を認めると、なし崩し的に他でも始まるのでは」と話した。

大飯再稼働撤回求める 官邸前で「4万人」
朝日新聞デジタル 2012年6月22日21時11分

 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働撤回を求める市民らが22日夜、首相官邸前で抗議集会を開いた。主催者発表で約4万人、警視庁調べで約1万人が参加。プラカードや横断幕を手に、「再稼働決定は許せない」と参加者が次々に声を上げた。




 
俳優の山本太郎さんは「この声が聞こえないなら、(首相は)即刻退場すべきだ」。この抗議集会に初めて参加したという作家の落合恵子さんは「私たちは一歩も後ろに引かない。これほど市民を裏切る人々を許さない」と野田政権を批判した。



 
官邸前では大飯原発再稼働への抗議活動が週末ごとに続き、16日の再稼働決定で反発が一段と強まっている。22日は市民団体有志がツイッターで呼びかけ、仕事帰りの若者や女性らの参加者が車道にあふれた。




また、この日は、再稼働を支持する団体などが抗議集会に批判の声を浴びせ、官邸前は騒然となった。
 
 
岩手県民 生活回復の実感なしが今も過半数
生活回復の実感なし過半数 県の第2回被災者調査
(2012/06/22) 岩手日報

 県は21日、沿岸部の被災者に継続的に復興の実感を聞く「いわて復興ウォッチャー調査」の第2回調査結果を公表した。被災者の生活の回復に対する実感について、2月に実施した前回調査を約7ポイント上回る約33%が「回復した」「やや回復した」と回答した。一方、生活再建を実感できない層は約50%と依然として多く、生活再建の基盤となる住環境や雇用の改善が求められている。

 自由記述では「公営住宅の移転先が決まらず、実現が遅れている」「がれき処理の日雇いが切れ、仮設住宅の表情は暗い」など、これからの暮らしや雇用について不安を訴える声が目立った。

 地域別では、岩泉町以北の沿岸北部で「やや回復」が46・8%を占めたのに対し、沿岸南部は「あまりしていない」との回答が41・5%と最多。被害の甚大な地域ほど生活再建の遅れを感じている。
 
 
福島原発行動隊の定期通信第19号です。
一部引用・・

■第17回院内集会を開催しました

6月7日、参議院議員会館講堂で第17回院内集会を開
催しました。

集会ではまず福島原発行動隊の理事である平井吉夫
氏が「福島原発行動隊と新しい老人文化」と題して講
演を行いました(下欄参照)。

講演の後、参加者からは「すばらしい解説だと思
う」「文化運動にしなければならないというのは賛成
だ」などといった感想が出されました。

また、なぜ福島原発行動隊に政府・東電から声がか
からないのかという点についても発言があり、「行動
隊は全国から色々な意見を持っている人が集まってい
る組織であることから(政府・東電は)恐怖感を持っ
ているのではないか」といった声が出された一方で、
「声がかからないのは実績がないからだ、原発内での
作業に備えた訓練を定期的にやるべきだ」といった意
見も出されました。

以下全文はこちら
 
元陸軍軍医、95歳肥田舜太郎の今後の内部被ばくの心配

肥田舜太郎 インタビュー|たったひとつ言えるのは、放射線に抵抗できるのは自分の命だけ

一部引用・・・

——終戦後、内部被曝の研究をしようとする学者に対し、アメリカ軍からの妨害が多々あったとのこと。それは先生ご自身にもありましたか?

「広島で2回と東京へ来て1回、実際にアメリカ軍に逮捕されました。僕が被爆患者と接触し、診断をすると、『患者を診ること自体がけしからん』という態度でした。

彼らにしてみれば、それは反米活動だと」

——それでも屈しなかったのは?

「私はたくさんの被爆者から、当時でいえば神様みたいに思われていたんです。だからもし逮捕されたら、大変な数の被爆者が怒る。

逆に言えばそれだけが頼みだった。『逮捕して、牢屋に入れるなら入れてみろ』と。それを信じて、やられたらやられたまでだと思っていました。

自分が診なければ、普通の医者はみんな逃げちゃって、他に誰もいなかった」

・・・・・中略・・・・・

——私たち一般市民が、様々な情報に惑わされないようにするには?

「被害を受けている国民の側に立った発言か、放射線を使う側を擁護した発言かを聞き分けるほかしょうがない。そこではっきり分かれます」

——先生は戦後「ぶらぶら病」(直接被爆していない人が、ある日突然身体がだるくなって動けなくなる病)の原因がわからないまま、

約30年後にスターングラス博士の内部被曝に関する学説にたどり着きます。アメリカで低線量被曝の危険性に警鐘を鳴らす博士と出会い、どう感じられましたか?

「最初はただ、『そのことに明るい人だ』ということを聞き、たまたま講演に行ったんです。

その時に受付で自分の名前を『広島の被爆した医師』と書いておいたら、講演後に向こうから会いにきてくれたんです。

それで『いちばん困っているのは後遺症で、日本語でいうところの「ぶらぶら病」が出て、まったく原因がわからない』という話をしました。

すると、それは、体内に摂取された放射線が中から働いた症状だと。詳細は医学的にまだわからないんだけど、出てくるべき症状が出てきただけだという話を聞いて、

理由はわからないけど、納得ができたわけです」

全文はこちら

 
 
那覇市長らが上京してオスプレイの配備撤回を政府に申し入れ
「オスプレイ配備撤回を」 那覇市長ら政府に要請
2012年6月22日 【琉球新報電子版】

 【東京】翁長雄志那覇市長、永山盛廣那覇市議会議長ら要請団は22日午前、外務省の加藤敏幸外務政務官を訪れ、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場への配備撤回と那覇軍港搬入を中止するよう求める要請文を手渡した。翁長市長ら要請団は午後、森本敏防衛相と会談する。

 加藤政務官は「申し入れ内容について大臣に伝えたい」と述べた。
 要請後、翁長市長は「基地負担の軽減と言いながら、オスプレイを持ってくるとはとんでもない。オスプレイの配備、飛行は県内で非常に難しくなっている。県民大会も視野に入れており、安全保障体制の維持も厳しくなると言った」と訴えた。

 日米両政府はオスプレイを7月下旬に米軍岩国基地(山口県)に搬入し、試験飛行した後に、8月にも普天間飛行場へ配備する計画。
 
 
敦賀原発の地下の亀裂 調査進捗をHPに掲載指示
原発地下の亀裂調査経過公開へ
6月23日 0時59分 NHKニュース

 福井県にある敦賀原子力発電所の敷地の地下を走る亀裂を巡って、日本原子力発電が行っている調査について、国の原子力安全・保安院は、調査の途中でも進み具合を報告させたうえでホームページで公開するという異例の対応をとることになりました。

去年3月の震災で、断層の活動が以前より活発になったことから、原子力安全・保安院は全国の8つの原発について、これまで考慮しなかった、互いに5キロ以上離れた活断層が連動する可能性があるとして、影響を調べて評価を見直すよう電力会社に求めています。

このうち、福井県にある敦賀原発では、2号機の近くの地中にある「破砕帯」と呼ばれる亀裂が活断層の可能性があるなどと専門家から指摘され、日本原子力発電は先月から現地調査などを行っています。

保安院は、22日の専門家の会議で、調査の途中でも、現地で調べる場所を専門家が視察するほか、日々の作業の進み具合や予定を週に1度程度報告させたうえで、ホームページで公開することを明らかにしました。

保安院は、「こうした対応は異例だが、今後は現地で調査する場合は途中段階での国のチェックを増やす方針で、これまで事業者任せだったやり方を改めて、国民の不安を解消したい」としています。

このほか、22日の会議では、福井県の若狭湾で400年ほど前に起きた大地震に伴う津波について、関西電力などが「津波の痕跡はない」という結果を報告したことに対し、専門家から「幅広い視点での調査が必要だ」という指摘が相次ぎ、調査のやり方を再検討することになりました。

さらに、青森県にある東通原発の敷地内の「破砕帯」と呼ばれる亀裂について、専門家から「『活断層』ではないと言うには追加の調査が必要だ」という指摘を受け、東北電力は調査計画を示しました。

計画では、これまでの調査結果の内容を充実させるため、新たにボーリングやレーダーによる地中の調査を行い、早ければことし11月に結果をまとめるとしています。
 
 
ジャーナリズムの冬眠 by 上杉 隆

Vol.115

上杉隆の東京脱力メールマガジン          

    『 ニュースの深層 ジャーナリズムの冬眠 』 

      「ニュースの深層」(朝日ニュースター)の最後の出演が終わった。

2006年からの6年間、ニュースキャスターとして多くのゲストをスタジオに迎えることができたのはジャーナリストとして極めて幸せだった。

チャンスを与えて続けてくれた岡崎哲也報道制作局長(元朝日新聞政治部記者)と朝日ニュースターには改めて感謝したい。

第1回目のゲストは鈴木宗男氏だった。まだバッシングの最中にあり、刑事被告人としてテレビ出演すら許されなかった時期である。

当初から鈴木氏の無罪を訴えていたのは政治ジャーナリストの藤本順一氏くらい、酷い状況の中にいた鈴木氏をあえて第1回目のゲストに招いたのだ。

生放送の始まる直前、私に気を遣ってか、「上杉さん、大丈夫かい?」という何度も尋ねる鈴木氏。彼に向かって私はこう伝えた。

「宗男さん、遠慮せずになんでも話してください。責任は全部こっちが取りますから──」

余計なことを言ったかもしれないと思ったのは生放送が始まって直後のことだった。鈴木氏は3人の外務省の役人の実名を挙げると、

料亭やモスクワでのスキャンダルを公共の放送で暴露し始めたのだ。

「今夜、名前の挙がった外務省の御三方、反論があれば来週以降、この場を提供します。スタジオに来て反論なさってください」

こうやって冷汗のうちに終わったはずの初回放送だが、話はそこでは終わらなかった。翌日には週刊文春から取材が入り、

2ページにわたる「外務省スキャンダル」の記事が掲載されたのだった。

初回にして局側(親会社/朝日新聞)に睨まれることになった私だが、逆に決心がついた。

「まさか、一か月で降板はないだろう。少なくとも3か月か、あるいは6か月の2クール、それくらいは使い続けなければ、逆に局側のマイナスになるはずだ。

ならば、降板させられるまで徹底して、既存メディアには登場できないようなゲスト、メディアに出たことのないゲストを呼んで生放送のスタジオで発言してもらおう。

それで降ろされても本望だ」

こう考えて、実際にその後、忠実にそれを実行し始めたのだ。ただ、まさかそれが6か月ではなく6年も続くとは想像だにしなかったが。

当時「NHK番組改変問題」で朝日新聞と激しく対立していた中川昭一農林水産大臣を招いたのもその流れからだった。

当初、「ニュースの深層」は朝日新聞の本社ビルから中継していた。そこに中川氏が来るということもあって、朝日新聞ではちょっとした騒ぎになっていたようだ。

当日、朝日新聞の幹部から、発言や質問に対して事前に圧力等がかからないよう、私はギリギリの時刻にスタジオ入りした。

そして、生放送の始まった途端、こっそりと用意していた当該記事の載った朝日新聞をいきなり画面に向かって広げて、

中川氏に「この記事の通り、NHKに圧力をかけたのですか?」と質したのだ。

放送後に聞いた話では、その様子を社内で見ていた当時の朝日新聞編集局幹部は「上杉の野郎、ふざけやがって」と怒りをあらわにしたという。

なぜなら、中川氏は疑惑を全否定、その記事を書いた朝日新聞記者に対して、この場(朝日新聞内のスタジオ)に来て反論するよう迫り、

私も「どうぞ番組を見ているであろう本田記者、今週でも来週でも反論の場所を用意しますので、出演してください。お待ちしています」と同調したからだろう。

このように、私の担当する火曜日の深層は毎回のように騒動が続いた。そして同じ2006年の春、今度は有田芳生氏(現参議院議員)をゲストに呼んで

「統一教会」の問題を語ってもらった時、最大の騒動が勃発した。

山崎拓自民党幹事長(当時)のある疑惑について、有田氏に語ってもらっている最中から、局あてに山崎氏本人から抗議の電話がかかってきたのだ。

私はいつもと同じように「反論があったらぜひ放送に出てください」と生放送中に呼びかけた。だが、山崎氏の要求は訂正放送と番組再放送の中止だった。

結論からいえば、局側は山崎氏側からの提案を飲んだ。私はそうした圧力に屈する姿勢に賛同できず、自らの降板も辞さない考えを伝え、

個人的に山崎氏の国会事務所、さらには本人の携帯電話を鳴らし、「反論」のための番組を用意するからそこに出演していただくか、

あるいは「圧力」を取り下げるよう直接伝えたのだ。

だが、電話で話した山崎氏は「いや、そこまで言っとらん」として、番組への反論を自ら放棄した。

そして局にもそうしたことは「求めていない」と言い切ったのだ。

2006年、日本の政界は小泉純一郎首相のもと、自民党が衆議院で300議席を超えるという最盛期を迎えていた。

その中で、与党の幹事長の力が小さくないことは、元国会議員秘書の立場からも十分理解していた。私はもしかして番組自体が終了するのではないかと覚悟した。

その後も、様々な政治家にゲストとして登場してもらった。首相経験者でいえば野田佳彦氏(現首相)や鳩山由紀夫氏や中曽根康弘氏、

官房長官経験者では仙谷由人氏や枝野幸男氏、中川秀直氏や塩崎恭久氏など。現職大臣は先述の中川昭一氏を含め、本当に数えきれないほど。

そして既存メディアから排除されていた小沢一郎氏や鈴木宗男氏も一年に一回のペースでお招きした。

6年間の番組出演を通じて思うことは、国会や選挙区などで反対意見や批判に

常に晒されている政治家の方が、言論で口を糊しているメディアの人間よりもずっとディベートに強いということだった。

きっといつも批判に晒されていることから耐性が上がっただろう。

それにしても、朝日ニュースターの終焉によって、日本にようやく根づいたフェアなジャーナリズムの空間のひとつがメディア側の都合で消滅するのは重ね重ね残念だ。

ニュースの深層のキャスターとして過ごした6年間は、私にとってかけがえのない貴重な時間であったが、同時に番組に出演した多くの人々が、

現在日本の政治や言論界の中枢で活躍している姿をみると、言論空間全体にとっても悪い番組ではなかったのだと納得している。

ツイッターでの同時進行も、Ustreamでの同時生中継も、実は「ニュースの深層」が最初である。そのことを誇っているのではない。

そうした挑戦的な番組が失われることで、再び日本の言論空間が硬直することを恐れているのだ。

後継の同番組は生放送ではなく収録によるものだという。最初から障害はあろうが、新しいキャスターたちには

ぜひとも自由な言論への挑戦を忘れずに一日でも長く続けてほしい。

して、制作側ではなく視聴者に目を向けた番組に育てあげてほしい。僭越ながら、前任のキャスターのひとりとしてエールを贈る。

また一方で、私自身も、「ニュースの深層」の精神を体現したような新番組を立ち上げ、彼らの番組に挑みたいと考えている。

フェアな言論空間創出のためには多様性が不可欠であり、そのためには誰もが行動すべきだと信じている。

私は今後もその一員でありたいと願っている。

本有料メルマガの購読、課金に関するお問い合わせは、reader_yuryo@mag2.com
までお願いいたします。

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■発行元:上杉隆
■Twitter:http://twitter.com/#!/uesugitakashi
■Blog:http://www.uesugitakashi.com/

 
 
20120622 ふるさとは奪われた~原発事故 双葉町の選択
 
NHK・震災ドキュメント2012福島県双葉町は、原発事故の後「より安全な場所へ」と、1400人の町民と町役場が一緒に、埼玉県加須市の廃校に避難した。1年以上たっても、戻れるめどはたたず、全国最後の一次避難所となった校舎。職員室が町役場、校長室には井戸川町長が住み込み、約200人の住民が各教室で暮らす。町民は福島県内と県外に二分して、ばらばらに暮らす状態となった。これからどう生きていくのか、決断を迫られている町民の姿を見つめた。
 
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【東京五輪談合事件「株式会社セレスポ・鎌田氏弁論期日記者会見」】【“小池氏「カイロ大学」入学にも重大な疑惑” 、浅川芳裕氏と読み解く】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#351

2024年07月24日 | SNS・既存メディアからの引用記事

【東京五輪談合事件「株式会社セレスポ・鎌田氏弁論期日記者会見」】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#351

【“小池氏「カイロ大学」入学にも重大な疑惑” 、浅川芳裕氏と読み解く】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#352

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今年四つ目の月下美人の花芽が成長している。  鉢に植えた一年越しのムカゴが芽を出してツルを伸ばしだした。

2024年07月23日 | 花・草・木・生き物

3週間後くらいには又 このような一夜の麗人になってほしい。

高いところにあったので取り忘れていた去年のムラサキ山芋の「零余子ーむかご」を水につけていたが 

相方が なんとなく水耕栽培には向かないような気がすると言って鉢の土に植え直した。

 すると小さな芽が出てツルとなって伸びてきて小さな葉っぱまでつけてきた。嬉しい。

 一年間枯れたツルにぶらさがって空中で陽にさらされ風に吹かれていたのに、体内には生命が生き続けていたのだ。

太平洋に乗り出した現生人類ホモサピエンスはポリネシアやメラネシアの太平洋全域に広がったが

カヌーに載せられたタロイモなどの芋類の持続力の長い生命力が人類の太平洋への広がりに大いに寄与した。

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コンピューターと弾丸で吹っ飛ぶ「正常」。    こんなにも脆弱だったのか、われわれの社会は    リベラル21

2024年07月23日 | SNS・既存メディアからの引用記事

田畑光永 (ジャーナリスト)


 先週は2つの事件に驚かされた。事件そのものより衝撃の波及効果に、と言った方が適切かもしれない。1つは18日の米ミルウオーキーでの共和党の全国大会、

もう1つは19日から20日にかけて世界を混乱させたコンピューターの不具合である。

 後者から考えると、大規模なコンピューター障害が起きた原因は「米セキュリテイ大手クラウドストライクのソフトだ」(『日経』21日朝刊)ということである。

「米国時間19日未明に実施したソフト更新に欠陥があり、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)『ウインドウズ』を搭載した多くのコンピューターが

停止して操作できなくなった。」(同)

 驚くのはその影響の広がりである。文字通りそれは世界的であり、航空会社、金融、交通、医療、政府機関からコンビニにまで及んだ。

ネットを通じて顧客の端末にあるセキュリティソフトを更新しようとしたところ、新たなソフトに「バグ」と呼ばれる不具合があった、ということだが、

メーカーと個別のユーザーとの間のソフトの更新の際の不都合程度で、これほど広範囲に影響が及ぶとは、われわれはなんと脆弱な基盤の上で仕事をし、

生活を送っているのか、と改めて慄然とせざるをえない。

 

 もう1つ、米共和党の全国大会である。まるで勝利の慶祝大会のようなその熱狂ぶりに驚かされた。凶弾がトランプ氏にかすり傷を与えただけで飛び去ったのは、

神の加護が同氏にあるからで、つまり同氏は今回の大統領選に勝つべく神によって選ばれたからである、と多くの人々が受け取ったのがあの熱狂の理由だそうである。

 トランプ氏がガードマンに囲まれて会場を去る際に、血のついた顔をあげて、いつものように拳を振り上げてスローガンを叫んだのには、

さすがにそこまで自分を売り込むことを忘れないのか、と驚嘆させられた。そして、それこそがトランプ氏への「神の加護」説の根拠らしい。

 しかし、トランプ氏が大統領となることには我慢がならないと感じ、それを阻止するためには自分の命を犠牲にしてもいいと、

行動した人間がいたこともこの事件の動かしがたいもう1つの事実である。そのことにトランプ氏も、周辺も一言も触れないのはなぜだろうか。

 トランプ氏が現実の大統領として存在していたのは僅か4年前のことである。いかなる大統領であったかは、外国人の私でもはっきり覚えている。

「アメリカ・ファースト」の掛け声をプロテクターに米庶民のエゴイズムに正当性をはりつけ、大向こうの拍手を取ることだけを

いつも頭の中心に置いている大統領であった。

そして在任時代の所業のいくつもが違法の嫌疑で法廷に持ち込まれ、その内のいくつかはすでに一審で有罪判決を受けてもいる。

 そうした「トランプ大統領」の影の部分をあの一発の銃弾がすべて消し去ってしまったかのような群衆の興奮を見ると、他国のこととはいえ

民主主義が裏表逆になってしまったような焦燥に駆られる。このまま突っ走って大丈夫なのか、と。


 コンピューターの世界では一般人とは無関係なところで、その世界の「バグ」と称される不具合が世界中の人間活動を混乱に陥れる有様を

われわれはこの目で見たばかりであるが、政治の世界でも政治指導者の暴走に歯止めをかけるかけがえのない装置である選挙が妖しい風に吹き飛ばされそうな瀬戸際を、

今、われわれは見ているのではあるまいか。

米大統領選は11月だから、まだ3か月ある。米の選挙民が自分を取り戻すには十分な時間のはずだ。今の異様な狂騒がおさまって、

米の政治の方向をきちんと考える空気の中で選挙が行われることを他国民ながら祈らずにはいられない。(240721)

引用元。

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07月22日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年07月23日 | SNS・既存メディアからの引用記事

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北山杉と聖者が街にやってくる。その2    2002年8月        日本あちこち記から  その5      

2024年07月22日 | 「過去の非日乗&Shot日乗」リターンズ

ペンションに行くには8年ほど前に行った 藁葺き屋根の家屋が多く残され今は里山の伝統的農村として維持されている

美山町へ入る直前に27号線で和知町を通る。

 この27号線は由良川に沿って走るが、道沿いの4、5キロにわたってなだらかな山の斜面に大小さまざまな農家がいい間隔で点在し、

甲州か信州を中央線の車窓から見るような風景だった。

走行する車も少なくゆっくりこの空間を楽しみながら走ったが、京都府にこんなところがあるとは知らなかった。


道の駅「和ーなごみ」で昼飯にした。

蕎麦定食と鮎の塩焼きを頼んだ。期待した以上の味で殆ど満員の席の理由がわかったような気がした。

「道の駅」というものの存在は、今から5年ほど前に、兵庫県と鳥取県の県境に近い新戸倉スキー場にある友人の野本君の山荘に誘われて、

中国道の山崎インターで下りて一般道を北上して走った時に知った。

要は一般国道のサービスエリアにあたり、当時の建設省の補助金を受け、市町村が事業主体になって建設、運営をしている車の旅人のための休憩所である。

パーキングエリアとトイレ設備に地元産品の販売店と食堂が併設されている。

最近は殆どの「道の駅」は業者に丸投げ委託で運営されるようになり、売っているものも野菜や果物の

農家直売品以外はいかにも土地のもののように見えるが、実際は大量生産の業者品が多くなっている。

ところが、この地の「和」という「道の駅」はレストランも土地の女性たちが勤め、店の産物も垢抜けないが

この町で作られた物が多く、鮎の甘露煮、黒豆羊羹、蕗の薹の佃煮などつい沢山買物をしてしまった。

ここは、いままで中国、四国、近畿地区を含めて訪れた「道の駅」の中でベストの駅だった。

◎ペンションからそう遠くないところに「北山杉資料館」があった。

北山杉の植樹から育成、伐採、床柱までの製品化の過程がパネルや実物で展示してある。

主として数寄屋造りの磨丸太や茶室などに使われた高級床柱も、今は需要がどうなんだろうと思いながら見てまわった。

室町時代から全国の分限者、御大尽、旦那衆が珍重した日本文化の粋の一つだったのだろうが、

戦後の嫉妬の税制のお陰で世界で唯一の社会主義国家となった日本で、そのユーザー層が数少なくなり、

こういう製品を購入する需要がどれだけあるのかと思ってしまった。

10数年前まで多くの皇族が見学されたようでそのおりの写真も沢山置いてあった。

江戸時代からこのあたりの村の人達は男女共に分業化し、このブランド化した製品で日本全国へ

販路を広げていたようだ。 京都ブランドは当時から価値があったのだろうと思った。

◎帰りは周山街道を次に高雄へ走り、何十年かぶりに神護寺に参拝して「嵐山・高雄パークウェイ」に入った。




途中の展望台から保津峡を眺め、嵐山に下りて渡月橋をわたってしばらく走ったところで、街の中を「舟」が動いているのが見えた。

保津川下りの舟が終点につきトラックに三杯ほど重ねて載せられ、また亀岡の出発点まで運ばれるているのだった。

話には聞いていたが、京都の狭い街中を舟が移動していくのは不思議なみものだった。トップの画像。


◎帰りは名神が混んでいるかもわからないので171号線(西国街道)に乗った。

そのお陰で、山崎付近を走行中に「大山崎山荘美術館」がこのあたりにあるはずと思い出した。


アサヒビールが「荒廃していた元加賀家の洋館」を買い取って復元したこの美術館は、戦前の関西のブルジョア資産家の一典型の御屋敷かと思う。

天王山の南麓にありテラスから木津、宇治、桂の三川が合流して淀川になるのが見えて驚いた。

 まあ、本当に戦前の金持ち、資産家というのはヨーロッパの貴族階級とまではいかないにしても凄いもんやと実感する。

芦屋の六麓荘の広大な御屋敷街も田園調布の比ではないらしいが、ここも戦後の相続税制のため、大正時代当初の所有者の係累はもはや誰も住んでいないと聞いた。

 ◎171号線に戻って道路情報を携帯で聞くと、名神の下りは渋滞はないのがわかったので茨木インターで名神に乗り、阪神高速の魚崎ICで下りて家に帰った。

   トリップメーターは382キロになっていた。 2002年8月記。  

画像は全てネットから蒐集。

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07月21日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年07月22日 | SNS・既存メディアからの引用記事

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青木理×宮台真司×神保哲生:公益通報者を逮捕し報道機関にまでガサ入れをする鹿児島県警をどう裁くべきか【ダイジェスト】

2024年07月22日 | SNS・既存メディアからの引用記事

青木理×宮台真司×神保哲生:公益通報者を逮捕し報道機関にまでガサ入れをする鹿児島県警をどう裁くべきか【ダイジェスト】

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東日本大震災が起こった翌年の [ 2012年06月21日(木)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] 再掲載

2024年07月22日 | 東日本大震災ブログ
2012年06月21日(木)
 
当事者東電の事故調査書が公にされた
東電社内事故調が報告書  「原因は想定外の津波」
2012/06/20 17:36 【共同通信】

 東京電力の福島第1原発事故調査委員会(社内事故調)は20日、事故対応の状況や放射性物質の飛散状況の分析結果などを盛り込んだ最終報告書を公表。事故原因については「想定した高さを上回る津波の発生」とし、従来の主張を繰り返した。

 調査には外部の専門家による検証委員会も設けられていたが、東電は「調査過程で意見を聞いた」として、報告書には検証内容を具体的に盛り込まず、調査の客観性、妥当性に疑問を残した。

☆当事者は原因を自然災害という。ベントの配管図面を探し、バルブを開ける訓練を一回もしたことがないのも想定する必要がなかったからということらしい。普通の世間ではそれを人災というのだが。

全てはいかに刑事訴訟を無罪で逃げ切るかしか東電経営者の頭にはない。

『津波で肉親を失い、原発事故で故郷を奪われても絆を失わず、お互いに支え合いいたわり合う美しい日本人。その一方で責任を逃れ、利権をあさり、権力にしがみつく醜い日本人。

 そして誰もが美しい日本人の側に立ち、醜い日本人を糾弾する。
 
だがこのわかりやすすぎる構図は、なんの問題も解決しない。

私たちはこれまで何十年も同じ議論を繰り返してきて、あげくの果てが現在なのだ。』

橘 怜(たちばな あきら) 著   (日本人) 幻冬社刊
「かっこにっぽんじん」 2ページ

☆この本は読み始めたばかりだが、凡百の日本人論が全て他人の著作の孫引きに思えるような、著者独特のものの見方で書かれている。

 立花隆が売り出した時以上にこの著者にユニークさを感じる。
 
 
自己弁護に被災者憤り  東電事故報告書
福島原発事故東電最終報告 自己弁護に被災者憤り
2012年06月21日木曜日 河北新報社

 大掛かりな自己弁護の場だったのか。東京電力が20日に報告書をまとめた福島第1原発事故の社内調査。事故原因は巨大津波にかぶせ、国の対策指示もなかったと言い張る。責任回避とも受け取れる姿勢に、古里を放射能に汚された福島県の被災者は怒りを向けた。

 「正当性を主張しているだけ。国や自然災害のせいにし、とんでもない話だ」。原発事故で避難区域に指定された福島県浪江町の馬場有町長は不快感を示した。役場機能は福島県二本松市に移り、町民は45都道府県に避難している。

 町は原発でトラブルが発生したら連絡を受ける協定を東電と結んでいたが、事故当日、町に連絡はなかった。

 報告書は「連絡を試みたが、結果として連絡が取れなかった」と釈明。「オフサイトセンターが機能しなかった」「当社からの連絡方法を決めておくだけでは限界がある」と、責任転嫁の印象を与える記述もある。

 馬場町長は「ファクス、電話が通じないなら歩いてでも連絡に来るべきだ」と切り捨てた。

 二本松市の仮設住宅に避難する同町の無職渡部幸江さん(71)は原発の立地する双葉、大熊両町には連絡があったことを挙げ、「なぜ浪江だけに知らせなかったのか。謝罪も補償もない。報告書でも反省がなく、許せない」と憤る。

 報告書は資料と合わせて約1100ページ。概要版も70ページと分厚い。

 「賠償請求の分厚い説明書と同じ。長々と書き連ね、本質をぼかして逃げ道をつくる。いかにも東電流だ」と語るのは、旧警戒区域の田村市都路地区でペンションを経営していた呑田理美子さん(70)。営業再開できる日が来るのを信じ、約30キロ離れた避難先から開店準備に毎日通う。

 「報告書はわれわれが事故以来、厳しい生活環境で暮らさなければならなくなったことに触れておらず、大事故を起こした自覚がない」。井戸川克隆双葉町長は仮役場のある埼玉県加須市でそう批判した。

◎「なぜ」の発想皆無/甘い想定への検証不十分

 東京電力が20日に公表した社内事故調査委員会の最終報告書は、津波想定の甘さを事故の原因と認定したが、甘い想定で原発を動かし続けた理由や背景にはほとんど触れなかった。事故に至った経緯を十分に検証しないまま調査を終えては、福島県民をはじめ国民の理解を得られない。

 事故後の情報提供の在り方をめぐる問題でも、報告書は安全協定を結ぶ福島県浪江町に通報しなかったことに関し、「通信手段が不調で連絡が取れなかった」と説明する。だが、連絡役の社員を2日間派遣しなかった理由の言及はなかった。

 報告書は「想定を超える津波は発想できなかった。津波への備えが至らず事故を防げなかった」と認めたが、「なぜ、発想できなかったか」には踏み込んでいない。

 東電は、津波を含めた原発の安全対策は国の指針や基準に沿っていたとの立場で、「そのときどきの状況でできることはやった」と強調する。

 原子炉等規制法のなど下、「原発の運転は箸の上げ下ろしまで国に報告する」(東電関係者)といった実態はあったにせよ、国の安全審査指針などの策定には、東電を中心に電力会社が深く関与してきた。
 原発の安全確保に事業者の論理を持ち込んでおきながら、事故で明らかになった安全対策の不備をすべて国に責任転嫁しているように映る。

 事故前の安全対策と事故後の対応がどういう判断でなされたか。その背景にはどんな考えがあったのか。十分な分析をしない最終報告書は東電が依然、失敗の本質を理解していないことを浮き彫りにした。(解説=報道部・末永智弘)
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新資源メタンハイドレート  アメリカの石油資本が日本政府を介して邪魔だて?
2012.06.20 日本海メタンハイドレート 続報 ロングバージョン!
【青山繁晴】インサイドSHOCK 日本海でメタンハイドレート調査 2012.6.6
 
 
 
目立たないように隠れて変更 『原子力の憲法』
「原子力の憲法」こっそり変更  
2012年6月21日 07時04分 (東京新聞)

 二十日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で、「原子力の憲法」ともいわれる原子力基本法の基本方針が変更された。基本方針の変更は三十四年ぶり。法案は衆院を通過するまで国会のホームページに掲載されておらず、国民の目に触れない形で、ほとんど議論もなく重大な変更が行われていた。

 設置法案は、民主党と自民、公明両党の修正協議を経て今月十五日、衆院環境委員長名で提出された。

 基本法の変更は、末尾にある付則の一二条に盛り込まれた。原子力の研究や利用を「平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に」とした基本法二条に一項を追加。原子力利用の「安全確保」は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として」行うとした。

 追加された「安全保障に資する」の部分は閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張。民主党が受け入れた。各党関係者によると、異論はなかったという。

 修正協議前に衆院に提出された自公案にも同様の表現があり、先月末の本会議で公明の江田康幸議員は「原子炉等規制法には、輸送時の核物質の防護に関する規定がある。核燃料の技術は軍事転用が可能で、(国際原子力機関=IAEAの)保障措置(査察)に関する規定もある。これらはわが国の安全保障にかかわるものなので、究極の目的として(基本法に)明記した」と答弁。あくまでも核防護の観点から追加したと説明している。

 一方、自公案作成の中心となった塩崎恭久衆院議員は「核の技術を持っているという安全保障上の意味はある」と指摘。「日本を守るため、原子力の技術を安全保障からも理解しないといけない。(反対は)見たくないものを見ない人たちの議論だ」と話した。

 日本初のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹らが創設した知識人の集まり「世界平和アピール七人委員会」は十九日、「実質的な軍事利用に道を開く可能性を否定できない」「国益を損ない、禍根を残す」とする緊急アピールを発表した。

<原子力基本法> 原子力の研究と開発、利用の基本方針を掲げた法律。中曽根康弘元首相らが中心となって法案を作成し、1955(昭和30)年12月、自民、社会両党の共同提案で成立した。科学者の国会といわれる日本学術会議が主張した「公開・民主・自主」の3原則が盛り込まれている。原子力船むつの放射線漏れ事故(74年)を受け、原子力安全委員会を創設した78年の改正で、基本方針に「安全の確保を旨として」の文言が追加された。
 
野田・前原の松下政経塾塾生と袂をわかつのは60人規模という見方
造反」民主議員、60人規模に 小沢系中心
2012年6月20日 21時52分 東京新聞(共同通信)

 消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の衆院採決で、「賛成できない」と反対、欠席など造反の意向を持っている民主党議員が、小沢一郎元代表グループなど約60人に上ることが20日、共同通信の取材で分かった。多くは「離党予備軍」との見方で、態度未定の議員もおり、さらに増える可能性もある。

 自民、公明両党の賛成が見込まれるため衆院可決は確実な情勢だが、54人以上が造反、離党すれば、与党は衆院半数(239)を割り込み、野田佳彦首相にとっては政権基盤が揺らぐ。小沢氏は「造反票」の上積みを目指している。
2012年6月21日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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橋下さんのブレーンには中央官僚に負けない知能犯がいる
橋下市長、罰則駄目なら懲戒免職 市職員の政治活動規制
2012年6月20日 21時21分 東京新聞(共同通信)

 橋下徹大阪市長は20日、市職員の政治活動に罰則を設ける条例は地方公務員法違反との政府見解を受け、次善の策として7月市議会に提出予定の政治活動規制条例案に懲戒免職規定を盛り込む方針を明らかにした。

 市役所で記者団に「(職員に)違反行為があれば懲戒免職にする。どんどん地方公務員の地位から排除していく」と述べた。条例案への罰則規定盛り込みは、政府見解を踏まえて19日に断念する意向を表明していた。

 市長はこの政府見解が、1950年に成立した地方公務員法の提案理由説明を引用していることに着目。これを逆手にとって利用する意向だ。
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北山杉と 聖者が街にやってくる  その1。       日本あちこち記から その4     2002年8月

2024年07月21日 | 「過去の非日乗&Shot日乗」リターンズ

京都の北山杉を見に行くことにした。

京都府の北の京北町にある北山杉林の中の「愛宕道」というペンションに到着して、車を降り荷物を持ち、

玄関へ歩き出すとジャズバンドの生演奏らしい大きな音が聞こえてきた。

山中の一軒家のペンションだから、ここから聞こえてくるしかないが、静かなペンションと思い、

予約したのにこれは一体なんだろうと近づくと、女主人らしい人が玄関先で心配そうに待っていた。


彼女の話では立命館大学のジャズ倶楽部のOBが20数名ここで合宿しているとのこと。

中を覗くと食堂で、50代に見えるリラックスした格好の男連中が、ビッグバンドを組み、いい緊張感でかなりうまく演奏している

女主人が心配そうに、やかましいと思われるようだったら、今晩の宿泊はキャンセルしてもらって結構ですと言う。

人出も少なくなると見はからって8月17、18日の2日間、京都府の北部をまわることにしたのだった。

神戸から名神を使って京都に入ると、まだ混んでいるかも知れないので、逆ルートで福知山から美山町を経由して京北町に入り一泊。

翌日、周山街道を走り北山杉を見て嵐山高雄パークウェイ経由で京都市内に入ることにした。

 福知山へは中国道経由高速道路の舞鶴道に乗れば早いが、六甲トンネルを抜けて三田から無料かつ走りなれている地道のR176を走った。

時折舞鶴道の橋脚の下を通りながら丹波篠山地域を通過し丹南町、柏原町を道の両側の濃い緑の山並みに包まれて走る。

福知山の手前で三和町に右折し,田舎道や山道をあっちだ、いやこっちのはずと例のごとくカカーナビと争いながら何とか目指すR27に入った。

車に滅多に会わないどんな田舎を走ってもきれいに舗装された鏡のような広い道路があるので、田中角栄さんの「土建国家日本」政策の成果を実感する。

どの農家も大きく立派で瓦屋根が光り、日本の農家は残った長男が戦前と違い相対的に余裕のある生活をしているようにも見える。

それもこれも都会へ出て遠距離通勤で苦労したり、劣悪な住宅条件で都会に住む、サラリーマンになった次、三男から源泉徴収された税金が、

地方優先で使われていることにあるのかも知れない。

いまさら、別のところを紹介されてまた、でかけるのもしんどいし、聞くとある水準の演奏レベルみたいだしジャズは嫌いではないので、

予定どおりこのペンションに泊まる事にした。

予定通り泊まることにするとペンションの女主人に言うと彼女は喜んだ。そして彼女の娘さんが二階の部屋に案内してくれた。

部屋は候補が二つあって、一つは川に面したいい部屋らしかったがホール(食堂)の真上というのでこれは断って、ホールから一番遠い山に面した部屋にした。

食事は合宿メンバーと一緒で賑やかだった。リーダーらしい人から、メンバーが飲んでいたポートワインを大きなグラスにたっぷりついで回してきた。

ご迷惑をかけているのでと。ありがたく頂いたがおいしい。聞くとポルトガルで2週間前に買ったものだとのこと。

女主人との会話やみなの話を食事をしながら聞くともなく聞いていると、高松や和歌山など結構遠方からも参加しており、

まだ現役の銀行の支店長や商社マン、商店主などが年に一回こうしてOB合宿しているようだった。

駐車場の車も軽四、ボックスカー、クラウンから外車までバラエテイに富んでいた。

卒業して20数年たってはじめ、今年が4回目とのことで、最初はハチ高原のスキー宿でやっていたそうだ。

学生の音楽関係の夏季合宿は、殆どが信州のスキー場の宿屋や民宿を使う、

周囲に大音声が響いてもどこからも文句が出ないし、安くて涼しいからだとのこと。

30年近く前にジャズバンドを大学のクラブ活動ではじめて、いまだにこうして集まって楽しんでいる。

心底いいなあと思った。ほぼ同世代の人達が自分達のアマ演奏を楽しんでいるのを見て、日本も一面いい国になったなあと思った。

楽器を演奏できる人がほんとに羨ましい。いずれピアノに挑戦と先日も「オジサンのピアノ独習」だったかのNHKテレビのテキストを

本屋でみかけ衝動買いしたところだ。

質量ともに文句のつけようのない夕食(市内の下手な京料理よりはるかにおいしかった)を済ませて部屋に戻ると、下から調子合わせの音が聞こえてきた。

時計を見ると8時で夜錬がはじまったらしい。

心配したほど音はやかましくなく、メンバーに適度にアルコールが入って、気持ち良くスイングしている「聖者が町にやってきた」が、ボーカルつきで流れて来た。

持ち込み禁止のウイスキーを、旅行の時はいつも持ち歩いているスキットルからコップについで飲む水割りが一段とうまく感じられた。

まあ、ある技量の人が残っているのだろうが、年に1回必ず三宮の国際会館ホールへ聞きに行く、

「北野タダオとアロージャズオーケストラ」の演奏まではいかないにしても、プロに近い腕前のビッグバンドジャズの生演奏を何曲も、

京都の北山杉の山中できかせてもらうとは思ってもみなかった。

昨夜は随分遅くまで練習をやったと言っていたが9時には演奏も終り、こちらは専属運転手としての疲れもあって知らない間に寝ていた。

その2へ続く。 2002年8月記。

    画像は全てネットから蒐集。

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阿智胡地亭が中学生時代を過ごした昭和30年代の四日市。「写真で見る昔の諏訪神社から諏訪新道/四日市を掘り起こし/第8回」YouTube

2024年07月21日 | SNS・既存メディアからの引用記事

「写真で見る昔の諏訪神社から諏訪新道/四日市を掘り起こし/第8回」

 YouTubeの中に出てくる「吉田米店」は同級生の吉田真也君の家だった。

 

◎現在の四日市

【三重県四日市市】日曜の商店街をぶらついてみた

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07月20日に目に留まったSNS・メディアの記事

2024年07月21日 | SNS・既存メディアからの引用記事

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東日本大震災が起こった翌年の [ 2012年06月20日(水)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] 再掲載

2024年07月21日 | 東日本大震災ブログ
2012年06月20日(水)
 
日本が核兵器を所有することを目指す一文を潜り込ましてある改正案

原子力基本法の基本方針に

「安全保障に資する」と加える改正案の撤回を求める

2012年6月19日

世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
池田香代子 小沼通二 池内了 辻井喬

衆議院本会議は、先週の6月15日に「原子力規制委員会設置法案」を可決した。この法案は、政府が国会に提出していた「原子力規制庁設置関連法案」に対立して

自民・公明両党が提出していたものであり、この日に政府案が取り下げられて、自民・公明両党に民主党も参加した3党案として、衆議院に提出され、即日可決され、

直ちに参議院に送られて、この日のうちに趣旨説明が行われたと報じられている。

新聞報道によれば、265ページに及ぶこの法案を、みんなの党が受け取ったのは、この日の午前10時であり、質問を考える時間も与えられなかったといわれている。

世界平和アピール七人委員会は、この法案の中に、説明なく「我が国の安全保障に資する」という文言が加えられたことについて、ここに緊急アピールを発表する。

国会議事録はまだ公開されていないが、自民党の資料によれば、「原子力規制委員会設置法案」の第1条には、「この法律は、・・・原子力規制委員会を設置し、

・・・国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。」と書かれている。

我が国の原子力関連の個別の法律は、すべて日本国憲法のもとにある原子力基本法の枠の中で作られている。

周知のとおり、原子力基本法の基本方針(第2条)は「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に

、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」となっていて、

歴代政府は、日本国憲法に抵触しない原子力の軍事利用ができないのは、この法律に抵触するからだとしてきた。

しかし、「我が国の安全保障に資する」という文言は、わが国の独立に脅威が及ばぬように、軍事を含む手段を講じて安全な状態を保障することに貢献すると読む以外ない。

このことに気が付いたためと思われるが、今回衆議院を通過した「原子力規制委員会設置法案」の附則第11条は、原子力基本法の一部改正にあてられている。

それによると、原子力基本法の基本方針に、第2条2を追加し、「2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、

健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする」と改定するというのである。

「我が国の安全保障に資することを目的として、安全の確保を行う」という文言は何を意味するのであろうか。具体的になにを行おうとするのか全く理解できない。

国内外からのたびかさなる批判に耳を傾けることなく、使用済み核燃料から、採算が取れないプルトニウムを大量に製造・保有し、ウラン濃縮技術を保持し、

高度なロケット技術を持つ日本の政治家と官僚の中に、核兵器製造能力を維持することを公然と唱えるものがいること、核兵器廃絶への世界の潮流に反して、

日本政府が米国に対して拡大抑止(核兵器の傘)の維持を求め続けていることを思い浮かべれば、原子力基本法第2条の基本方針の第1項と第2項の間に、

矛盾を持ち込んで実質的な軍事利用に道を開くという可能性を否定できない。

国会決議によって、平和利用に限り、公開・民主・自主の下で進められてきた日本の宇宙研究・開発・利用が、宇宙基本法の目的に、

「わが国の安全保障に資すること」を含めることによって、軍事利用の道を開いたことを忘れることもできない。


さらに、「基本法」は憲法と個別法の間にあって、個別法より優先した位置づけがされていることを考えれば、個別法の附則によって基本法の基本方針を、

討議せずに変更することはゆるされない。

世界平和アピール七人委員会は、原子力基本法と原子力規制委員会設置法に、何らの説明なく「我が国の安全保障に資する」という表現を含めようとする計画は

国内外から批判を受け、国益を損ない、禍根を残すものと考え、可決にむけて審議中の参議院において直ちに中止することを求める。

連絡先:世界平和アピール七人委員会事務局長 小沼通二

メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp

ファクス: 045-891-8386

URL: http://worldpeace7.jp

 
 
閣議記録の公開を検討 岡田副総理

岡田氏、閣議記録公開を検討 有識者会議新設へ
2012年6月19日 19時45分 東京新聞(共同)

 岡田克也副総理は19日午後の記者会見で、閣議や閣僚懇談会の発言内容に関し、情報公開を検討するため有識者会議を新設する方針を明らかにした。

「閣議は議事録や議事概要を作成していないが、果たしてそれでいいのか。後世に意思決定の経緯が分かるようにするのは非常に重要だ」と述べた。

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働を判断した野田佳彦首相と関係閣僚の会合など、閣僚らで構成する他の関係会議も検討対象とする。

 岡田氏は一定期間を置いた後の公開が望ましいとの見解を示し、その理由を「自由に議論される必要がある」と説明した。

 一方、藤村修官房長官は慎重姿勢。

☆公務の会議は全て議事録が取られ、いずれ公開するのは民主主義国家運営の基本ルール。当事者である官房長官がウンという訳はない。
 しかし官僚にとって不都合な記録公開は必ず実現しなければならない。

 
 
沖縄県の全首長が反対 オスプレイ沖縄配備
全首長が配備反対 オスプレイで41市町村本紙調査
2012年6月20日 琉球新報

ことし8月にも米軍普天間飛行場への配備が予定されている、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて琉球新報は19日、県内41市町村長と市町村議会議長を対象に配備の是非などを聞いたアンケートを実施し、全てから回答を得た。

その結果、全市町村長が配備に「反対」と回答。県民大会開催は39市町村長と全議長が賛同、2村長だけ「どちらともいえない」と答えた。配備計画や事故の説明をめぐる日米両政府の対応については全市町村長が「不適切」とし、両政府の対応に対する批判や不満のコメントをした。

 同機種の配備に対し、全県的な反対の意思があらためて示された。県民大会開催に向けた動きが今後、加速するとみられる。

 県民大会開催に39市町村長が賛同。志喜屋文康恩納村長と下地昌明多良間村長は「どちらともいえない」と答えた。理由はそれぞれ「中身が分からない中で回答できない」「離島市町村で参加できる状況になく、身近な問題でもない」とした。

 配備に反対し計画の撤回や見直しを求める議会決議は既に県内40市町村議会が可決しており、残る伊是名村議会も20日に可決する見通しで、全市町村議会の反対決議が出そろう。

 アンケートは電話や面談で実施。市町村長にはオスプレイ配備と県民大会開催への賛否、日米両政府の配備計画や事故に対する説明が適切かどうかを質問し、議長には県民大会への賛否のみを聞いた。
 
 
検事による虚偽の捜査報告書問題 小川前法相が国会で追及
【私説・論説室から】
暗黒捜査」ではないのか
2012年6月20日 東京新聞

 検事による虚偽の捜査報告書問題について、小川敏夫前法相が十九日の参院法務委員会で法務省を徹底追及した。刑事局長は捜査中を理由に事実確認を拒んだが、身内に甘い処分を決めるようでは、とても検察立て直しどころではない。

 問題の報告書はインターネットで流出している。私も入手して読んでみたが、ひどいものだ。全部がデタラメと言っていい。

 たとえば冒頭で「あなたは被告人の立場だから取り調べに応じる義務はないと伝えた」と記している。ところが、調べられた石川知裕衆院議員(小沢一郎民主党元代表の元秘書)の録音記録によれば、調べた田代政弘検事は石川氏に隠し録音していないかどうか尋ねただけだった。

 その後で一月の取り調べ状況のやりとりなどが記載されているが、これも録音記録には一切、出てこない。架空の記述である。

 それだけではない。当時の東京地検特捜部長に宛てた副部長名による別の報告書も虚偽部分を引用している。報道によれば、この報告書を書いたのは実は特捜部長自身だったという。

 前法相は質疑で田代報告書自体も田代検事以外の別人によって手が加えられていた可能性を示唆した。

 これでは二重、三重のデタラメではないか。「暗黒捜査」の怖さを感じる。法務・検察当局はどう始末をつけるつもりなのか。厳正な捜査に基づく法的処分が必要だ。 (長谷川幸洋)
 
 
買うあてのない電力代を原価に算入している東電
他社原発から受電ゼロなのに 東電購入費1000億円
2012年6月20日 07時00分 東京新聞

 東京電力が、東北電力と日本原子力発電(原電)の原子力発電所から購入する電力量が今後三年間はゼロとなる見込みなのに、年間一千二億円の購入電力費用を家庭向け電気料金の値上げ原価に入れていることが分かった。十九日開かれた東電の値上げの是非を検討している内閣府の消費者委員会で、東電が示した。委員からは「到底納得できない。減額の努力をするべきだ」との異論が相次いだ。

 東電は、東北電力の東通原発1号機(青森県)と女川原発3号機(宮城県)、原電の東海第二発電所(茨城県)から、電力を購入する長期契約を結んでいる。契約期間は原発の運転開始から終了まで。

 前回、料金原価を算定した二〇〇八年度は、二社から約百六億キロワット時の電力を購入し、約一千億円を支払った。今回の原価算定期間となる一二年度から一四年度では、購入している三原発の再稼働の見込みはないとしているが、年平均の購入電力料は〇八年度より、約二億六千万円増えた。

 東電によると、原価算定期間中の運転を見込んでいない原発でも、電力を受け取る東電側は維持運営や安全対策に必要な費用の一部を負担する契約になっているという。購入する電力量がゼロでも料金が増えた理由について、東電は「東日本大震災による安全対策費などが、かさんだため」と説明した。

 委員からは「受電していないのに一千億円を支払うことに、長期契約だから『ああそうですか』とはならない。消費者に丁寧に説明するべきだ」「費用の内訳がないと、納得できない。原電などにもコスト削減を要望するべきではないか」といった厳しい意見が相次いだ。

 この問題は東電の値上げを審査している経済産業省の審議会「電気料金審査専門委員会」でも、委員から「契約内容を公開するべきだ」との声が上がっている。

 消費者委員会はこれまで三回にわたり、東電と経産省から聞き取りをした。委員長の河上正二・東大大学院教授は取りまとめ案として、公的資金の投入企業として、人件費や福利厚生費のさらなる削減▽燃料費の負担増を原価にすべて反映させる仕組みの見直し-などの点を指摘した。
 
大手新聞は小沢派の造反記事は抑え気味
小沢氏ら造反も視野 民主が3党合意了承
 (2012/06/20) 岩手日報

 民主党は19日、消費税増税関連法案をめぐる自民、公明両党との3党合意を了承した。全議員を対象に開いた政策調査会の合同会議で前原誠司政調会長は「私に一任してもらう」と宣言し、質疑を打ち切った。その後の政調役員会で了承を確認した。小沢一郎元代表に近い増税反対派らは猛反発。野田佳彦首相は国会会期末の21日に衆院採決・可決する日程を目指しているが、小沢氏らは造反する構えで、規模が焦点だ。

 【東京支社】民主党の合同会議で前原誠司政調会長が消費税増税関連法案の修正合意について一任を取り付けたことを受け、県選出国会議員は「このような終わり方は禍根を残す」と痛烈に批判した。同法案に反対する小沢一郎元代表の支持グループは、採決での造反も視野に野田佳彦首相への揺さぶりを強める構えだ。

☆大手メディアへは報道規制がかかっているのか、あるいは自己規制か噴火しそうな造反の報道は少ない。御用新聞に載らなくても地方紙は新聞の使命を果たしている。

以下の記事はFunnyだが、真実を突いている。

「小沢系」造反議員と
AKB48指原莉乃さんにおける「処分」の考察

一部引用・・

総選挙が頻繁にあるAKBのほうがファンの期待に真剣に応えている

「小沢系」の議員を巡って政局に関心が集まることは、霞ヶ関の官僚集団にとっても好都合だ。小沢系が注目を集めなくなって、民主党と自民党が手分けして、官僚と慣れ合っているかのごとき様子ばかりがよく見えるよりはいい。

 かくして、事前打ち合わせのあるプロレスにも、ヒール(悪役)と多少の流血が必要であるように、「小沢系」の存在は大いに役立っているではないだろうか。二度にわたった野田・小沢・輿石の三者会談で、法案の行方とその後のストーリーについて、お互いに確認していないとは想像しがたい。

 いい大人が二度も集まって、建前の自説を主張し合って時間を潰していた、などということがあるはずがない。プロレスラーがお互いの命と生活を守りながら戦って見せるように、周到に打ち合わせしたにちがいない。

 AKB48の歌と踊りのような動きの一体感はないが、むさくるしい政治家たちの劇も予定調和の脚本付きで上演される「商売」であり、彼らは仲間なのだ。

 ただし、「総選挙」が頻繁にあるぶんだけ、AKB48の方がファンの期待には真剣に応えているように見える。

全文はこちら
 
横須賀基地の隠匿文書が公になった
海自たちかぜ隊員自殺訴訟:隠した文書「ある」と国、原告側が提出命令申し立て
2012年6月19日 神奈川新聞

 海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」所属だった男性隊員の自殺は、元先輩隊員のいじめが原因として、遺族が国などに損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が18日、東京高裁(鈴木健太裁判長)であった。国側は、情報開示請求の対象文書であるにもかかわらず、理由を示さず開示してこなかった文書について、初めて存在を認めた。

 存在が明らかになった文書は、原告側が開示請求をしていた計8点のうち7点。そのうち、艦長が、男性隊員の自殺直後に遺族が護衛艦を訪れた時の様子をまとめ、上級司令部に報告した文書については「行政文書」として保管していることを認めた。

 また、自殺した男性隊員を恐喝していたとする元先輩隊員への聞き取りメモや、自宅待機を命じられた元先輩隊員と、別の乗員との電話でのやりとりをまとめたメモなど他6点については「個人メモ」もしくは「手控えメモ」として残されていることを明かした。

 文書については、元国側指定代理人の海自3等海佐(45)が「いじめの実態を示す文書を隠している」と告発した陳述書によって、指摘されていた。

 原告側は「実態解明に必要」と主張し、証拠として文書の提出を求めたが、被告側が応じなかったため、同日、原告側は高裁に対して、提出命令を口頭で申し立てた。高裁は次回期日までに、申し立てを認めるかどうかを判断する。また、陳述書を提出した3佐の証人申請は、次回期日に採否を判断するとした。

 原告側代理人の岡田尚弁護士(67)は「真実を明らかにするためには重要なもので、提出されないのはおかしい」と話した。 
 
 
国民の安全より既得権者を守る  原子力安全行政
2012年6月14日 田中秀征
国民の安全より既得権者を守る
原子力安全行政へ最後の警告 

原発事故による災害には他の災害と比べて顕著な3つの特徴がある。

 それは、被害が①局地的なものではないことと、②一時的なものではないこと。そして③人間の判断や対応によっては阻止できる可能性がある。

 放射性物質は風に乗って世界を覆い、波に乗って7つの海を汚染する。それどころか、幾万年もの後世の人々にも災害をもたらす危険性もある。

 要するに、大地震や大津波の発生は防ぐことができなくても、原発事故による災害はわれわれの判断によって相当程度防ぐことができるのだ。

 私は、今回の福島第一原発の事故は“人災”だと心得ている。人災とは、言うまでもなく、人間の努力によっては未然に防ぐことができた災害である。今回の事故は明らかにその1つだ。

「なぜ原発事故が起きたか」より
「事故後の政権対応」が重視される不思議
 さてこのところ、民間事故調、政府事故調、国会事故調などの報告が相次いでいるが、その調査、検証の重点が、「原発事故後の政権の対応」に傾き過ぎている印象を受けるのは私だけではないだろう。肝心の「なぜ原発事故が起きたか」をもっと徹底的に検証する必要がある。そうでなければ、早晩再び原発事故を招くことにもなりかねない。

 原発事故を招いた原因は、①われわれが安全性より経済性を重視してきたこと、②安全性の追求や確保に関わる行政の体制に致命的な欠陥があったという点にある。

 こう考えると、野田佳彦首相の大飯原発再稼働の拙速な判断は、大きな間違いと言わざるを得ない。

「安全性」より「経済性」優先
事故から何も学ばぬ対応
 まず第一に、首相は、この期に及んでもなお経済性を安全性に優先させている印象を受ける。

 首相は6月8日の記者会見で「原発を止めたままでは日本社会は立ち行かない」、「国民生活を守るために」再稼働が必要だと言明した。このような発言は、事故前の関係者の発言と何ら変わらないではないか。

 しかし、電力不足や発電コストなどは重要問題であることは認めるが、それらはこの際の再稼働の理由にはならない。

 なぜなら、そんなわれわれの原発に対する経済偏重の姿勢が今回の事故を招いた根本的な原因だからだ。野田首相のような対応では、事故から何も学んでいないことになる。

 原発が停止すると経済や生活に大きな負担がのしかかることは、誰でも言われなくても判っている。それでも世論調査では節電に「がまんする」と言う人が7、8割に達するのだ。それは、政権の安全性に対する認識や努力が強く疑われているからである。

国民の間で日に日に募る
原子力安全行政への不信感
 また、政権の原子力安全行政に対する不信感も根強くある。

 野田首相が消費税増税に夢中になるあまりか、この4月に発足するはずであった「原子力規制庁」が、未だ設置法さえ成立していないのが現状だ。しかも、修正段階で次々と骨抜きにされている。

 原発安全行政が機能麻痺してきた最大の要因は、官僚が電力会社に天下りしてきたからである。そんな官僚に将来の天下り先への厳しい対応を期待することはできない。監視機関のチェック機能が働かないから安全性への努力を怠ることになったのだ。

 法案では電力会社と役所との人事交流、原発安全行政の独立性の確保なども「厳しさ」から「甘さ」へと修正されているように見える。

 折から、6月5日の東京新聞は、かつての安全行政と電力会社との一体関係をほうふつさせる衝撃的なニュースを伝えた。

 すなわち、長時間の電源喪失対策を安全指針に盛り込むことに反対した東京電力に対し、原子力安全委員会がなんと「その理由を作文してください」と頼み、その情報を隠して開示しなかったというのだ。

 これでは、裁判官が被告人に判決文を書いてくれと頼むのと同じではないか。驚くべき癒着である。

 こんな事実を知ると福島原発の全電源喪失は紛れもなく人災であることがわかる。

 一体、野田政権は何をしているのか。

 暫定的な安全基準に照らし、「政治判断」によって再稼働に走る日本政府を世界は凝視しているだろう。そして、もし他国に事故が発生すれば、既得権者は、日本の甘い対応を範例とするに違いない。また、日本の将来世代も、原発事故に対するこんな甘さを踏襲することになるのを私は恐れる。

 しかし日本が、この上なく厳しく対応すれば、世界や将来世代がそれを範とすることになるはずだ。

 安全性に少しでも不安があれば、「がまんする」ことも辞さない多くの人たちの声に、首相はもっと耳を傾けるべきである。
 
 
「反省すべきは反省」とはなんという言い草。=米放射線測定データ未活用
「反省すべきは反省」=米放射線測定データ未活用-文科相
(2012/06/19-10:21)時事ドットコム

 東京電力福島第1原発事故の直後に、米国が実施した航空機モニタリング(放射線測定)のデータを、提供を受けた文部科学省と経済産業省原子力安全・保安院が住民避難などに活用しなかった問題について、平野博文文科相は19日の閣議後会見で、「政府という観点で活用していなかったのは大変残念。反省すべきは反省すべきだという認識だ」と述べた。

☆この報道でわかるのは、情報を隠匿した事実を文部科学省として認めざるをえなかったというだけのことだ。

福島県民の被曝を少しでも減らそうという責任感がなく、任務放棄したお詫びについては一言も触れていない。

「反省すべきは反省すべきだという認識だ」とはなんという言い草だろう。
 
 
『東電国有化の罠』の書評 by池田信夫
憲法違反の銀行救済策 - 『東電国有化の罠』

池田信夫
2322012年06月10日 14:42

東電国有化の罠 (ちくま新書 965)
著者:町田 徹
販売元:筑摩書房
(2012-06-05)
販売元:Amazon.co.jp
★★★★☆


世間は原発の再稼働で騒いでいるが、最優先の課題は原発事故の被災地復興である。特に避難を強いられた11万人を帰宅させ、その生活を正常化する作業が重要だ。ところが万事スローモーションの野田政権は、東電を「国有化」しただけで、賠償も除染も全体計画さえ出ていない。この原因は、著者も指摘するように、経営の破綻した東電を生かしたまま賠償させる不可能なスキームに政府がこだわっているからだ。

昨年5月の段階で東電の資本剰余金・利益剰余金は2兆5100億円、使用済核燃料再処理などの引当金が1兆7600億円あり、東電を法的整理してこれを取り崩せば、政府の推定する5兆円の賠償の大部分はまかなえる。さらに長期債務が5兆円、社債が4兆5000億円もあり、債権を一部カットすれば、料金値上げや税金投入なしで賠償は十分可能である。

それなのに賠償支援機構という奇妙な制度をつくり、責任が東電にあるのか国にあるのかわからない無責任体制にした犯人は、東電のメーンバンクである三井住友銀行の意を受けて財務省の仕掛けた銀行救済策だ、と本書は指摘する。このあたりの推測は大鹿靖明氏とあまり違わないが、事故調でも明らかにしてほしいものだ。

本書のスクープは、この法案に内閣法制局が反対していたという事実だ。その理由は、事故に責任のない他の電力会社に賠償を分担させるのは財産権の侵害だというものだ。政府の説明では、負担金は「保険料」だということになっているが、事故が起きてから払う保険料などというものはない。これは当ブログでも賠償スキームが出たとき批判したが、結局うやむやのまま「奉加帳方式」の法律が成立した。法制局が違憲だと認めたのだから、他の電力会社が違憲訴訟を起こせば、確実に勝てる。

もっと深刻なのは、今の無責任体制を続けていると、そのうち賠償や廃炉や除染にかかるコストが10兆円以上にふくらんで、現在のスキームで手に負えなくなることだ。これを電気代に転嫁すると数十%の大幅な値上げになり、税金を投入すると財政破綻の原因ともなりかねない。原発を止めて何兆円も浪費している場合ではないのだ。

本書は、よくある「正義の味方」を気取った東電告発ものではなく、政官財の談合でゆがめられた東電国有化の内幕を一次情報に即して明らかにしたものだ。著者も含めて多くの専門家が指摘するように、今からでも遅くないから東電を会社更生法で整理し、法にもとづいて事故処理を進めないと、そのうち処理は行き詰まり、国民負担が莫大な規模になる。
 
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亀戸の中華の店「一品堂」と初めての亀戸駅東口のバー「ニコハナ」を廻って帰宅した。

2024年07月20日 | 食べる飲む

月に一度の循環器内科クリニックの定期検診に亀戸へ行った。今回の採血の検査項目に前立腺血清PSA測定も入ることになった

自覚症状は全くないが 先月の墨東病院の腹部CTの結果を見て、墨東病院の担当医師からかかりつけのクリニックへ

血液検査アイテムの中にPSA測定も入れるようにとの所見があったからだ。

 薬局でいつもの毎日の薬をピックアップしたあと 中国人夫婦のやっている店へはいった。

発注システムがタブレットに変わっていて

なぜか店名まで別名になっていたが 頼んだ豆苗炒めは同じ一品だった。

酒各種から一品と料理壱品で680円の値段設定はかわってなくてありがたい。酒は紹興酒を頼んだ。

もう少し飲みたかったので次にピータンと紹興酒を頼んだ。

店はほかに3組の客が入っていたが 全て中国人で 珍しく4人組がたくさん料理と酒を並べて小宴会をやっていた。

 彼らの大声の発声を聞いているとなるほど中国語は「四声clickという発声」だとよくわかる。

駅に向かって帰りながら ふと『文殊の春菊そば』clickを食べて帰ろうという気になって東口に向かった。

 文殊に着く一分ほど手前のところにこれまで気が付かなかったバーがあった。6時半ごろにこの辺りを歩くことがなかったからだ。

文殊の店の前まで行ったが やはり気になってちょっと戻ってバーに入ってみた。

かなり広い店で、マスターの聞くと2014年からやっているとのこと。

棚にはぎっしりと洋酒が並んでいた。

ボトルごとにその酒の特徴がマスターの手書きで書いた紙のカードがかけられているのには驚いた。

 ジントニックを一杯飲んでから マスターに好みを言ってストレートで飲むウイスキーを選んでもらった。

だしてくれたのは「コッパーフォックス 」だった。口の中に余韻が残る旨いシングルモルトだった。

「コッパーフォックス は2005年にヴァーニジア州に設立されたコッパーフォックス蒸溜所で生産されるユニークなアメリカンシングルモルト。」と知った。

いい気持になって店を出て もう『文殊の春菊そば』clickのことは忘れて亀戸駅東口の階段を上ってホームに上がった。このニコハナには時々寄りそうだ。

click→神戸・三宮のショットバー「C Moon」     2008年8月7日撮影       神戸ノスタルジックシーン

 

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