2010年06月08日(火)「阿智胡地亭の非日乗」掲載
事が揉めるほうが記事になるし、テレビの画面にもなる。
この列島に住むくにたみたちの行く末がどうなろうとも関係ない。それよりも今日の販売部数と視聴率を維持することが大事だ(もうこれから伸びることはないくらいは、わかってきたらしい)。
最近の本社在京大手マスコミ(新聞テレビ週刊誌)の小沢さん関連記事の狂躁ぶりを見るとそう思う。販売部数や視聴率低下など、落ち目にはなりたくないとつくづく思う。
小沢さんが9月に復権するべく水面下で画策しているとか、両議院総会に欠席したのが不気味だとか。
確かに、そういう意味では小沢さんは腐ってもタイであることは間違いない。
そんな推測・憶測記事で紙面や画面を埋める・・しかないんですかと問いたい。
組織における権力のよりどころ、あるいは源は「人事権」であることは、官や民の組織であろうとヤクザ集団であろうと、時代を越えて変わることはない。
今回の組閣と民主党内部統制の人事を単純に見さえすれば、小沢さんの今後の帰趨ははっきりしている。鳩山さんの渾身の逆襲で、
彼の手から「人事権」つまり権力は突然スルリと抜け落ちた。
その瞬間から、政官財の情報パイプのバルブは、自動的に小沢さんグループから管さんグループに切り替わる。
この時代、情報のupdateが遅れ、情報の鮮度が落ちるのは致命的だと思う。肝腎な情報から小沢さんは徐々に遠ざかっていく。
また、強面の人につきものだが、内弁慶の人でもある小沢さんは、予想外の舞台展開に彼の演技力がもうついていけない。
どのツラ下げて、議員総会に出ていいのかご自分でもわからなくなった!
売れない落語家阿智胡地亭辛好には、単純にそんなことのように見えるのですが。
(ところで人事権は「錦の御旗」と同じもので、これに楯突いて職場の戦場に倒れた勤め人の屍は、累々とあちこちに積み重なっています。)
そういえば、戦前の内閣が陸海軍大臣の任命権を軍部に握られて、結果として日本の運命を職業軍人に委ねることになった。
人事権を誰が握ったか・・、握ったあと国の運営はどうなり、どうあるべきか? そういう時の流れからの視点が、大手マスコミには殆ど見あたりません。
もし小沢さんがまたむっくり起き上がったとしても、それはもうゾンビとしての存在でしかない。それほど時の経過の仕打ちというのはムゴイものだと思います。
大手マスコミに、この列島のくにたみがいま世界のなかで、どういう位置にいるのかという地政感、歴史観が全くないようにしか見えません。
本社在京大手マスコミ各社さん、一体誰を買い手に想定して、貴社の商品を製造し販売してはるんですか?