あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

地方議員研究会セミナー2日目

2012-11-01 | 国際・政治

1211011「議会基本条例の意義と役割りについて」
講師は昨日に続いて 全国市議会議長会の廣瀬和彦

60年以上を経過した二元代表制の現状と課題
代表の一方である議会が完全に機能していないことの現状認識
首長(執行部)への監視機能が議会として果たされているか。
議決機関としての機能が弱く、執行当局の追認機関ではないかとの有権者からの批判あり。
議会側からの条例提案数が少ない一方で、首長提出議案の原案可決率は99%の現状。

議会と議員への有権者からの批判的な声は〔定数が多すぎる、質疑に緊張感がない、政策論争が少ない、議場で寝ている、報酬が高い〕
三ない議会[議会の政策立案機能なし、原案可決ばかり、議案に対する議員個々の賛否が非公表]の指摘
議会改革に積極的な高い評価を得ている議会は、三重県議会、京丹後市議会、豊田市議会などがある。

議会基本条例の制定とは、今日の議会の現況にあっては、議会の活性化と充実を図るためのルールづくりである。
その制定状況は、23年までに全国で158市(約2割)で制定されていて毎年倍増中。

基本条例の3必須要件は【議会報告会の開催、請願・陳情者の意見陳述機会、議員同士の自由討議】とした東京財団
基本条例は制定そのものが目的ではなく議会活性化への手段であり、制定後からが議会活性化のスタートであること。

条例策定の組織の設置は、一般市民の声を受ける第三者機関をどう設置するか(パブリックコメントの取り方を検討すること)
制定にあたっての留意点として、重要なことは議員間で自由討議を行ない議員同士が合意形成を図る過程にある!(国会では昭和30年に法が削除)議員間の議論の必要性あり。議員の資質を選挙人に周知させる機会となる意義もある。

地方議会は国会と異なり、執行機関に対して資料提出を要求する権限が実は無い。
また自由討議の問題点としては、会派制と議員個人意見の整合性はどうなるか、議員の演説の場に陥らないか、発言時間をどう決めるか、同じ討論の繰り返しをどう抑制するかなどあり。
モデル事例としては会津若松市議会がある。

反問権については、法律上その根拠規定はなく、議会の質問権は執行機関への監視権に因るもの。しかし昨今、議員の無責任な提言や意見表明を抑止する効果や質疑当該内容への議会側の研究,研鑽を促す効果を期待するムードある。

文書質問は、地方自治法上の禁止規定はなく、口頭による質問を補完するものとしての意味がある、しかし回数の制限や、その質問と回答を全議員に配布し会議録に掲載する手続きが必要。
広報広聴活動としての議会報告会と議員報告会は異なるもので、実施する地域と実施回数の妥当性(公平性)の確保が鍵になる。

セミナー2日目は、議会の活性化について、議会の現状の課題、その活性化の手段として議会基本条例の策定に関する内容でした。議会の現状紹介の場面では会場から何度も笑いが漏れたが、セミナー受講議員いずれもが課題と認識している点を廣瀬氏が指摘したものでした。
議会基本条例の制定は全国的に進行中であり、仙台市議会としても震災からの復興を促進するためにも、着実な復興の歩みと並行して議会基本条例策定への取り組みを進めて行きたい。


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