あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

決算審査委員会11日目(最終日) 総括質疑と決定

2010-10-06 | 国際・政治

決算審査委員会11日目(最終日) 総括質疑 
1_2各会派から、審査全般/決算の全議案に対して質疑した後に決定する日

  #審査中の私のメモにより審査の概要を紹介します。(・質問 A答え)

新しい翼
・今議会で多くの議論があった事案を通して感じられるのは、市長は市民への対話と納得に応えていないのでないか。市は事案への説明責任を果たしているのかは、市政運営で最も肝要なことである。市民への説明への誠実さが問われている。健康増進センター、旭ヶ丘、アンパンマンミュージアムいずれもの事案がそうではないのか?

A 市長答弁 わかりやすい丁寧な説明が前提として必要と考える。市政を取り巻く課題も複雑に絡み合う時代状況となっている。市民への説明の仕方は、十分に諸環境を勘案して、広い視野に立ち、全体観に立ってすすめなければならない。信頼の絆を高めるための市民への説明責任を果たし、自らも率先してその責にあたっていきたい。

民主クラブ仙台 木村勝好代表

旭ヶ丘の温水プールについて、建設する必要が果たしてあるのだろうか? 当初の状況からの変化に対して柔軟に対応することが必要でないか? 多くの指摘が今議会であったところであり、温水プールの適正配置はどうか、市場調査がしてあるのか、土壌洗浄については多くても十億円程度とした答弁も不明瞭である。建設計画はあらためて精査した上で、熟慮の上で、別の対応もあるのではないか?
A 副市長答弁 旭ヶ丘地区の複合施設としての計画であり、施設は地域の皆様の活動拠点としての整備が必要と考えている。しかし一方で、今議会でも温水プール整備への議論があったことを考慮し、コスト面の検証等をした上で、再度検討するようにしたい。

・市長も同様の考え方か?
A 市長答弁 今議会で、十分に説明できなかった点もあると考えており、私としても慎重に判断していきたい。

改革フォーラム

・7点の質問あり。先ず健康増進センターについて? 行革計画であり方の見直しとして挙げているが、プールを廃止とした経緯は?
A 民間と競合する部門は廃止とした。またセンターは今後、健康づくり機能に特化したものを目指すこととしたもの。

・市としての今後の温水プール整備の考え方は?
A 旭ヶ丘以降のプール建設の計画はない。

・市民意向調査によって、プールを含む施設の建設計画ができたと聞いているが、当時(平成15年ころ)の周辺の施設環境とまた、その調査項目がプール建設に誘導的な内容になっているのでないか? 
A 平成8年の設置要望が出されて以来の事案であり、平成14年の説明会で、具体的にプール建設の要望が提出されている。総合的に勘案してプールを含めた
が、今議会の議論を踏まえて、建設計画は十分に精査していきたい

・市長へ、十分にに立ち止まって検証すべきでないか?
A 市長答弁 局長の答弁のとおり、事業の遅滞と分かりにくさが今議会で議論となったが、これまで施設整備の推進を前提にとりくんできたが、複数の課題の精査がしきれていず、十分にまた慎重にそれら課題の精査をしていきたい。

・敬老乗車証について  今回の見直しによって、制度が信頼性を含めて崩壊することにはならないかが不安。不正利用の防止策が課題。 40年前の制度開始から現在では対象者と対象者数が大きく異なっている。その上で、制度の継続を前提にした見直し案ではあるが、不正防止策は?
A 代理人申請の場合でも委任状の添付を求めることとして、また男女で異なる色とし、交付台帳にはカード製造番号を控えるなどの防止策を講じていく。

・たとえば、寝たきりでカードを利用できないと思われる方も代理人と称して交付を受けられるのでないか?
A 市民へのきめ細かい説明会をおこない、制度内容とカード使用について周知徹底をおこない、この制度の信頼性の確保に鋭意取り組みたい。

学区の見直しが必要な地区があるのでないか?
A 隣接学校の規模や通学環境を踏まえながら学区の修正を検討することとしている。修正の可能性の検討は、近年ますます大切と認識している。地域の意見も十分に勘案しながらの検討としたい。

・新田小の建て替え計画があるが、将来児童数の推計に民間に調査委託が必要ではないか?
A より詳細な推計が必要と認識している。民間の推計手法の優れた面を取り入れていきたい。最新の学区内の状況をみて、民間委託による推計を行ない、今後の学校施設計画に反映させていきたい。

・区役所と市民センターの連携について、どのように進めるつもりか、その利点は?
A 庁内分権をおこない区役所に権限を移していくことの時代的な必要性を認識している。
市長答弁 地域の特性に応じた地域政策の展開には区役所のまちづくり機能の向上が必要であり、地域課題の共有化や担い手の育成などについて、各地域の自主的な活動の支援にあたっていきたい。 

A 市長答弁 成熟社会を迎える本市として、市民と地域の多様な課題に対して、区役所が第一線となって励んでいくことの重要性は、今後ますます高まるものと考える。地域に寄り添ったまちづくりに、不断の工夫とともに折々の状況に適った見直しにより取り組んで行きたい。

土地開発公社の今日的意義は? 他の政令市では公社を解散している例もある。
A 公社の存廃の時期については今後の中で判断していきたい。

公明党

・求められるリーダーシップ観は縷々あり。今議会を振り返り、答弁のあり方を問う?
A 市長答弁 懸案事項については、副市長や担当局長に自ら直接指示を出している。今議会を振り返り、反省すべき点もあり、今後は議会答弁は市の考えと方針のアピールの場と捉えて、答弁にあたっていたきい。

・その場しのぎの答弁も多かったのでないか? 一掃を求めたい。
A 正確かつ責任ある答弁を心がけてきたい。指摘は真摯に受け止めて、明確な答弁をしていきたい。

・病院事業とジェネリック薬品の使用の拡大は経営上も重要な取り組みでないか?
A 医療費の削減と患者の負担の軽減から、また病院経営上も大切なこと。市立病院での使用実績は13%と拡大しており、政令市で一番高くなっている。また一方で救命救急センターがあるため、一部使用薬品の制約もあるが、病院として今後積極的に利用の拡大につとめていきたい。

・家庭ごみ有料化後の収支状況の上で、費用削減とごみ処理計画について?
A 有料化導入により、4万トンを上回る削減となり、経費的にも一億円の削減になっている。今後は、適正処理体制の構築に市内3工場から2工場へ焼却施設の体制見直しを目指していきたい。

天文台の入場者数が当初計画値の倍となっており、増収になっているのでないか、これはPFI契約者の増収になるのか?
A 入館者数は30年分の平均として年11万人としたもの。契約上、3年ごとに計画を見直すことにしているが、入館料はすべて本市に入ることになっており、契約者には入らないことになっている。

・事業仕分けについて、検証をおこなうべきでないか?
A 普段の点検評価が大切であり、第三者による客観的な評価も大切と考える。これまでの仕分け手法のあり方の検討から、今後は事業への反映について引き続き検討していきたい。仕分けの取り組みの仕方についても尚、深めていきたい。

・人口フレームについて、減少していく予測の上での次期計画の策定だが、他都市は減っても本市だけは減らないとする行政の意思を示すべき?
A 市長答弁 時代の趨勢に対して漫然とすることなく、東北の中枢としてとして本市が有する資源を十分に活用して、前向きの都市構築に努めていくべきものと考えている。地下鉄東西線事業や成長産業の育成、ミュージアム都市構造などを市民に示しながら、仙台市一丸となって、私が先頭に立って本市の発展に取り組んでいきたい。

共産党

・国民健康保険会計について、払い切れない高い保険料設定が問題でないか。
・農家所得の暴落にも対応した、農家を守る保険料の減免をおこなうべきでないか。

・一般会計から繰り入れて、国民健康保険会計を補填し、生活困窮者の保険を守るべきでないか。
A 半世紀の国保であり、わが国の保健医療制度としてきわめて重要な使命を果たしてきた。しかし現下の時代環境、社会環境の変化に鑑みて、国が最終的な一元化に向けて進めているものと認識している。国保の広域化にむけた動きに対して、自治体の立場で必要な点は積極的に国に働きかけていきたい。

11・敬老乗車証について、交通事業にとって、バスは15%の収入比であり、地下鉄も5%程度の収入比となっているが、今回の見直しにより、乗車証の利用減によって交通事業の収入減になるのでないか、交通事業経営の観点から問う?
・敬老の精神を投げ捨てる乗車証の見直しは改悪であり反対だ。
・高齢者福祉費が年々減額/縮減している中で、敬老乗車証分だけは増額してやってきた。本市の輝く高齢者福祉サービスとして見直さずに維持すべきだ。
・水族館などは、市の税収が上がるまでは造らない姿勢が必要だ。
・新総合計画の策定作業は市民意見とかけ離れて進めているのでないか。

社民党

・大きく3点伺う。歳入では、市民税は7%減だが、そのうち法人市民税の落ち込みが大きいが?
・5年間で1500億円超の歳入不足が想定されているが、地下鉄東西線建設事業が影響しているのでないか?
・新総合計画には、計画性をもった財政運営を求めていきたい。
・税務事務の本庁集約化について、滞納整理をどう進めていくか?
・電磁波の健康被害対策について
・観光政策については、ループル仙台を活用し、ルートも変更していくなど誘客に務めるべき
・健康増進センター、アンパンマンこどもミュージアム、敬老乗車証の見直しなどにおいて、市長の言う、対話と納得が役所内に浸透していないのでないか?

・旭丘の市民利用施設の建設計画は疑問である。若林区河原町地区に建設予定の認可保育所の認可も土地環境から疑問であるが?
A 市内の民間保育所で同様な土地で運営している保育所が数例あり、また他都市でも同様の土地に保育所を開設している事例が10数例あり、同保育所は認可にむけて今後も進めていきたい。

改革民主 斉藤建雄議員

今議会をとおして何が問われたかの視点で質問。登米市議会では、決算が不認定となった。本市でも不認定の場合はどうなるのか?
A 法的には、議会は確認行為となっているので、不認定となっても執行後の予算については、影響が生じることはない。

決算審査委員長の所見は?
A 決算委員会は、法的形式的な束縛を その結論から与えるものではないが、執行部の道義的/政治的な責任は生じるものと考える。また審査の内容は、次年度の予算編成に向けて反映されるものであり、したがって決算の審査には重要な意味があると考えている。

・同僚議員と重複するが、リーダーシップが問われているのでないか?決断力の希薄さも指摘したい。旭丘のプール計画の問題は、副市長から「見直す」との答弁があったようだが。国のリーダー曰く、雇用をどうするのか? 国の緊急雇用政策は一時しのぎにすぎず、止めさせるべきでないか?
A 市長答弁 国からの基金を活用して取り組んできているが、基金は継続的安定的な雇用の確保にはなっていないもの。そのため、大学との連携やクリエィティブ産業の育成などに努めていき、雇用機会の創出、若者が本市において就職できる場の創出に努めていきたい。

・市民力と市民協働の文言が最近、多すぎるのでないか。市民に責任を押し付ける姿勢なのではないか? 答弁を求めずに終了。

以上、総括質疑は終了。

各議案についての委員会認定に移る。

市民費では改革ネットから旭ヶ丘プール建設について反対があり、また共産党からは、行革、PFI事業、敬老乗車証、ごみ有料化の手数料の用途、あすと長町と仙台港背後地の区画整理事業など、学力テストの実施、PFIによる給食センター事業、などの一般会計各費目について反対があり、また特別会計でも、国民健康保険料の引き上げ、泉中央駐車場の指定管理、介護保険の施設整備、後期高齢者医療保険、市バス、地下鉄、市ガス事業などに反対があり、起立採決によって可決が決定となった。

以上で、11日間の決算審査委員会は閉会。この委員会審査のあり方は、見直すべきである。全体会方式を先ず改めて、少なくとも分科会方式にするなどして、市長以下市役所幹部職員総員を11日間張りつけにして審査する形式は金輪際にすべきである。
当局に制度や事業の見直し議論を挑む議会側が、自らの内部を見直さないのでは、議会も市民からの信頼を失うことになるのだと思う。