本当に長い2日だった。
「終戦」を決定し、その宣言を天皇が行う。
8月14日正午から、15日正午まで、「天皇のお言葉」を国民に知らせるという
前代未聞の展開は、スムーズにいったわけではない。
そこには、数え切れないほどの人々が関わっているわけで。
まず軍人たちの抵抗と阻止。そこを治めてゆくことの困難さ。
ラジオ局における「天皇の御言葉」を放送までに無事に保管しておくこと。
それまでは軍人が戦争の先陣にいたわけで、しかも天皇の下に。
その天皇が「終戦」を全国民に、ラジオを通して「宣言」するわけで。
それでも、天皇の決意を軍人たちは受け入れた。
けれども、受け入れられない軍人のなかには、自ら命を経った者もいる。
あの時代の「命」ってなんだろう?
これは、国民は誰も知らない間に決められ、実行された「天皇の終戦宣言」だったわけで、
そのお言葉をどのように理解したのだろうか?
この本には書かれていませんが。
その後では、「戦争裁判」が行われ、兵士たちの帰国、「引揚者」の帰国、などなど、
ほとんどアメリカの力によるものだったろう。
「戦争」ほど、馬鹿馬鹿しいものはない。始まりも終わりも。
2006年 第一刷 2021年 第31刷 文藝春秋刊