eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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ヘビは感電してトンズラした模様

2018年07月15日 | eつれづれ

14日(土)午後7時過ぎ某、事業所より停電メール着信、10分程度経っても復帰メールが来ないので近いこともあり現場へ出向く。外観点検はしたが特に何も無し、PASはGR表示で開放中...暗くなったので事業所の担当に連絡し明日、点検してみるので停電状態で今日は過ごす。15日(日)早朝に再度、キュービクル等の点検に入る。昨日は気づかなかったがヘビの抜け殻がCD管そばにあった。

どうもCD管の布で塞いだ所より突き破って侵入した感じだ。

キュービクル一括の高圧絶縁抵抗測定値はレッド表示の、ほぼ0MΩ状態。
各プライマリーカットアウトスイッチ(PCS)を開放して再度の測定。これでもダメで残るは母線と計器用変流器、計器用変圧器だけ。電線を外して再度、測定したらOKとなった。
結局、PTとCTが全部パンクした様だ。
仕様は昔のゴムモールドタイプ。

1000Vメガー値1.47MΩを入力、SOG制御装置のIo整定0.2Aとすると、約70倍の地絡電流で漸くPAS動作するレベル。ただPAS投入した途端、再度開放するだろう...無理は禁物。
直流絶縁診断5kVでのキュービクル一括最終Ω値漏れ電流は3.4mA。

これを除き、高圧線を仮に接続替えとする。

受電直前に直流絶縁診断5kV.10分間印加して確認する。

直流検電器にて印加電圧確認。

直流絶縁診断5kV印加データロガーグラフ。

直流絶縁診断、漏洩電流データロガーグラフ。

ヘビの抜け殻。


第1柱高圧気中負荷開閉器(PAS)の動作試験とトリップコイル低圧絶縁抵抗測定も合わせて実施。
投入時はSOG制御装置100Vはキュービクル100V電源を外して車載インバータ100V.3Aより仮に供給してPAS投入。
PAS動作してキュービクル内部の変圧器等、不確定な時は万一、PASが動作しなかったと成らない様に発電機とか確実な別電源よりSOG制御装置P1.P2に100Vを仮に供給して万全を期す。
電力配電にも、その旨を伝えてPAS投入をはかる...最も電力も休みで、どの回線も通じなかったが!!...これは仕方なくエィヤーでヤルしか無い現実。
結局、キュービクル内にはヘビの死骸は無く、飛び散った後も無し...PT.CT間に横たわって感電したものやら、もんどり打って落下して先ほどの穴から出たか??。
電気火傷のキズは細胞を破壊するので肉片が腐り、程なく死ぬであろう。
来月、いつもの定期点検予定なので、それまで仮接続で使うしか無い。
PAS整定0.2Aで開放動作、一瞬、高圧側の絶縁抵抗値は0MΩとなった様だ。
この事業所は以前にもヘビ侵入の前科がありCD管にカバーは業者がしたのだが...金網とヘビ用の薬をまかないとダメだ。
余談:
近くの住民が2回ほど、大きな音を聞いた話で...多分1回目はヘビが感電しPT.CTパンク、2回目はPASが開放した音が考えられる。
そして道路に1m以上のヘビが横たわっていた云々...これは、今回のキュービクル侵入とは関係無いかも知れず。こんな事もあるもんだとコリャー高い手間となった。




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