eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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KEW5050漏電検証画面の位相角表示

2017年12月11日 | eつれづれ

抵抗2kΩとコンデンサ2.2μFを並列に入れて漏電状態を再現。R1の絶縁抵抗値表示は0.00MΩだが計算値は0.0018MΩ(1.8kΩ)で表示されず0.00MΩの画面。
このIor1の55.48mAでは既に30mA感度の漏電ブレーカはトリップ、Iom1の98.36mAは高調波を含んだ数値だが家庭用コンセント電源でも有り高調波は無いハズ!!。
Io1は抵抗とコンデンサの並列して漏電させた時の合成電流mA数値。

102.3VでIo=合成電流97.36mAとIgr55.48mAで計算すると位相角55.2となり下のKEW5050画面と一致する。

コンデンサは2.2μFに接続したが計算では2.49μFの結果。(100Vでは69mAの計算電流)

漏電抵抗としたのは1+1kΩ直列で2kΩ。100V印加では当然50mAの漏洩電流となる。

尚、ホーロー抵抗2kΩは乾燥している時の人体抵抗に模擬しコンデンサ容量μFは配線等に存在している静電容量を模擬したもの。


漏洩電流(漏電)は何故変圧器の電源にもどるのか。
                                 
機器に漏電があった場合、C種接地やD種接地から、その電源側のB種接地へ地中を通り返るという漏電電流ですが、たとえばD種接地から地中を通り★系統(最寄)の電源側のB種接地に返るより、多少距離で言えば遠くても★近所の他のB種接地ヵ所のほうの抵抗値が小さければそちらに向かって流れ閉回路をつくってしまう事は絶対有り得ないのでしょうか?

B種接地抵抗値も規定値以下であれば小さいほうの値の限度は無いのだから、もし★近所の他のB種接地抵抗値が限りなく小さければ、そちらに向かったり、また極端に言えば送電系統の直接接地に向かって流れるなんて事、有り得ませんか?電流は距離の遠い近いよりも抵抗値の小さい経路を選ぶと思うのですが。

解答1
簡単に言うと条件次第で○△×になるのが正しいのですが極論的に表現すると○としても構わないでしょう!!
電気理論は、どこまで厳密に考えるかにもよりますが理想論的には地球に無数に存在するプラスの電荷は同数(電気的に)の電子とくっつきあっていて中性となっていると考える方が正しいと思います。よって地球に膨大に存在するプラスの電荷に引かれ中和こそすれ・・・の部分は不適切では?と思います。(間違っているかも?)あくまでも、地絡電流として流れる部分についての電子は電源で発生させた電界の影響で動いています。ただ、たまたま、その隣にある電子が地球に存在するプラスの電荷や他の電源の影響を受けているかも知れませんが・・・?(厳密に言えば、その動いている電子が受けている影響の何パーセントかが問題の電源かも知れないと考えることも出来ます)>決してトランスを越えてまでも移動しない。と言う点は、絶縁変圧器によって接続した高圧回路と低圧回路は電気的にはつながっていないってことを理解すれば簡単です。理想変圧器では全く別の電界となりますので、例え3次元空間的に変圧器をまたぐようなことがあっても、それは空間的に別の導電体を通過しただけのことで電場的には、他の電場をまたいだことにはなりません。よってトランスをまたぐと言った表現自体が適切でないと言うことになります。(極論とすれば、またぐことは無い事になります。)

解答2
別の例えにすると池からポンプで水をくみ上げ、その水を蛇口から出るようにするとします。その水を道路にまいたとき必ず元の池に戻るとは限らないって例えでいいでしょうか?もしくは?空に向かって石を投げると大抵落ちてきます。しかし、投げる速度をどんどん早くすると石は、地球の引力圏から脱し落ちてこなくなりなります。その時その石が月の引力圏に入ると月に向かって落ちていきます。当然、火星ならば火星に・・!!
電気回路を学び始める時は、よく水の流れに例えられて説明がされますが、その例えが成り立つには、色々と条件が必要になります。
電気の正体が電荷で電荷は電界の影響で動いているのは、ご存知だと思います。
一般に、原子はプラスの電荷を持つ陽子とマイナスの電荷を持つ電子から成り立ち、電気的に中性となっています。(中性子は無視)そして、何らかの力が働いてプラスの電荷とマイナスの電荷が力技的に離された時に電界が発生します。別の言い方をすると電界は電気的中性になろうとする電荷間に生じる引き合う力ともいえます。金属の中には無数 (事実上無限と見なせるぐらいの)自由電子があります。電界を発生させた電荷の組み合わせ(例えば、電界(電圧といってもいいかも知れません?)を発生した電荷が電荷A(+)と電荷A(-)だったとします。このとき電気的中性になるためには、必ずしもこの組み合わせでくっつく必要はありません。例えば、電荷A(+)と電荷B(-)、電荷B(+)と電荷A(-)がくっついても電気的には中性になります。
話を一度、変えます。電池に豆球を接続して点灯させた場合、電流が流れていると見なし電流の正体は電荷である。しかし電池からでた電荷(電子)そのものが電線の中を通って電池に戻るわけではありません。電線内に無数にある電子の内どれかが電池に戻っているに過ぎません。もしかすると電池が無くなるまで使ったとしても電池から出た電子は一つも電池に戻ってきていないかもしれません。その代わり電線内にあった電子の内どれかが電池に戻っています。話を戻します。同じように漏電した場合も同じです。漏電して電気が流れるということは電界による影響と考えます。その影響の発生源は必ず電源にあります。電源で発生した電界(電荷を分けようとする力)を無くそうとする力によるものです。決して水道のように電圧の高い位置から低い位置に流れると言うものではありません。だから閉回路にのみ流れます。そもそも接地って電気が漏れた場合に安全に大地に流すものと例えられますが(この例えはある面正しい表現です)、単に地球上で最大の静電容量をもつ地球につないで基準電位にしているだけですからどこかに、流れていくわけではありません。
電流は、閉回路に流れます。したがって家庭機器での漏電電流は機器の接地極から、柱上トランス(配電用トランス)の2 次接地極に流れます。

解答3
遠くのA種やB種に流れないのかとのご質問ですが普通、配線されているトランスの接地に向かってのみ流れます。と、言うのはトランスは電圧や電流のみ変換されるのでは無くインピーダンスも変換されるからトランスをまたいだ接地極は接地抵抗計で測定した値よりも高い値に変換されてしまうので流れません。
が、インピーダンス変換されても多くの回路の並列とみなすことができるので完全な0ではないのかもしれませんが測定できるほどの数値ではありません。

補足:一般的に言われている高圧側における地絡事故発生の場合、ケーブル長い場合に高圧ケーブルが持っている静電容量を介して他の事業所PAS(無方向性SOG制御装置付)が突然に開放するもらい事故がある。
低圧においても動力、電灯混食等では不確定で電灯漏電で動力側もトリップする事もある...悩める事案の可能性ありだがコリャー長年の経験、絶監装置のメール情報を参考に無い頭をフル発揮するしか無い。