eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
質問等はコメント欄にて。

漏電と静電容量μF値の関係

2015年11月17日 | eつれづれ

先の動力回路漏電事例を更に検証して見るとクランプリーカー数値はIo=合成電流2.7Aの漏洩電流なので静電容量は0.32μF(100mA漏電ブレーカ)の計算結果より、Igr(対地抵抗分電流)は2.6992A(2699.92mA)となる。もうIgr(対地抵抗分電流)だけの力率100%で静電容量は無視出来る程小さい様だ。因みに絶縁抵抗値は0.0008MΩ(80Ω)で発熱電力は計算上566.98Wで焼損した事になる。この静電容量ではIo=合成電流とIgr(対地抵抗分電流)はイコールとなるが、μF値が大きくなると小さな漏電でも動力→電灯変圧器に回り込む事が判る。
こんなものはイメージで推測し、現象の結果だけ判っていれば良い事だけだが教科書にも、ここまで突き詰めた事例は無いかも知れない。

動力変圧器No1のB種接地線クランプリーカー数値2.7A漏電発生。

電灯変圧器No1のB種接地線に流れた漏洩電流値。
分電盤内の100A.主漏電ブレーカ(100mA整定)動作、停電となる。しかも漏洩電流が流れていたので漏電ブレーカ投入出来ず。183.2mA

電灯変圧器No2のB種接地線に流れた漏洩電流値164.2mA。

動力変圧器No1の漏電警報器動作(整定800mA)。