eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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偉大な4000年の文字

2015年11月08日 | eつれづれ
総画数56。史上、最も複雑な漢字と言われている字が、中国のネットで話題になっています。元々、限られた地域でしか使われていませんでしたが、ネットの登場により、中国全土にその存在が知られるようになりました。中には遅刻した学生のペナルティーとして、1000回、書き写させたケースも。果たしてこの漢字、何て読むのでしょうか?
地域限定の文字、ネットで全国に
この漢字は、中国の漢字のなかには、最も多い画数があると言われています。発音は「biang(ビャン)」で全部で56画数もあります。呪文のような、あるいは絵のような複雑な形をしています。
「biang」は元々、陝西省・西安市あたりで使われていた文字です。用途もかなり限定されいて、「西安八大麺」の一つに数えられている郷土料理「biangbiang(ビャンビャン)麺」に使われていました。
2012年あたりから、中国版ツイッター(「騰訊微博」や「新浪微博」)では、「この字読めます?」というメッセージとともに拡散し、多くの人に知られるようになりました。
用途が限定されているため、中国では一般的な辞典『新華字典』や漢字を最も多く収録している『康熙字典』には、収録されていません。逆に、地元限定の難読字ということが、ネット時代に新鮮さイメージで受け止められ、中国全土で注目を集めることになったようです。
逸話の多い漢字
「biang」には、長く語り継がれた伝説があります。昔、ある貧しい書生が咸陽(西安から25キロぐらい離れている秦の古都)に入り、「biangbiang麺」を注文しましたが、支払うお金がないのに気づきます。そして、「biang」という文字を書けたら食事代を勘弁してくれるよう交渉します。
その時、書生が言った台詞が「biang」の伝説として今も残っています。
「点が天辺に飛上り、黄河両端で曲がる、八の字が大きく口を広げ、言の字が中へ入る。左に一ひねり、右に一ひねり、西に長一つ、左に長一つ、中間に馬大王が座る。心の字が底に、月が傍らに、釘を打ってそこに麻糖をかけ、車に乗って咸陽へ向かう」
話題に事欠かない「biang」。最近では、電子科学技術大学成都学院で、学生の遅刻問題に頭を悩まされた先生が、罰として学生に1000回書かせまたというエピソードも話題になりました。学生は200回を書いた時点でギブアップ、「もう二度と遅刻しない」と誓ったそうです。
「biang」の文字が生まれた時代はわかっていませんが、秦の始皇帝の時代まで遡るという説もあります。今では、その複雑さから、西安市で「非物質文化遺産」に申請する話まで浮上しています。