岩手日報のコラム、面白い。
「「政府は手厚い『国家介護』を続けてきた。本当に優れた発電手段なら介護する必要はないはずだ。競争力がないからこそ、必要としている」。原発に対する「介護」という表現を初めて耳にしたのは、昨年夏、報道機関の会合でのことだった
▼吉岡斉(ひとし)九州大教授の講演。脱原発に向けて現実的な提言を行う原子力市民委員会の座長でもあり、活動について「専門家中心のシンクタンクだが、ゆる~い組織」と説明、「原発廃止は段階的でもいい」と、ひょうひょうとした雰囲気で語った
▼だが指摘は厳しい。「原発は開発当初の夢は大きかったが、そうはならないことが分かっても軌道修正を図らなかった」「(福島の事故で)日本は原発で大損したのに、経済産業省はへりくつをこねて『安い』と言う」
▼学生時代は物理学を専攻。そんな中で、「科学者はけったいなことをしている。金をもらうためには、はったりもかます。そんな生態を研究してやろう」と思って科学史・技術史の専門家になった
▼事故後、原発問題で報道機関から最も多く見解を求められた一人ではないか。そんなご意見番的存在が亡くなった。享年64。あの講演後のころから体調を崩したようだ
▼「廃炉まで100年かかる。その間、使命感を持ってやってくれる人がいるかどうか」。社会に託された「遺言」だと思う。」
考えると、原発は、廃炉も、いろいろな問題の時間が無限かもしれない。
「「政府は手厚い『国家介護』を続けてきた。本当に優れた発電手段なら介護する必要はないはずだ。競争力がないからこそ、必要としている」。原発に対する「介護」という表現を初めて耳にしたのは、昨年夏、報道機関の会合でのことだった
▼吉岡斉(ひとし)九州大教授の講演。脱原発に向けて現実的な提言を行う原子力市民委員会の座長でもあり、活動について「専門家中心のシンクタンクだが、ゆる~い組織」と説明、「原発廃止は段階的でもいい」と、ひょうひょうとした雰囲気で語った
▼だが指摘は厳しい。「原発は開発当初の夢は大きかったが、そうはならないことが分かっても軌道修正を図らなかった」「(福島の事故で)日本は原発で大損したのに、経済産業省はへりくつをこねて『安い』と言う」
▼学生時代は物理学を専攻。そんな中で、「科学者はけったいなことをしている。金をもらうためには、はったりもかます。そんな生態を研究してやろう」と思って科学史・技術史の専門家になった
▼事故後、原発問題で報道機関から最も多く見解を求められた一人ではないか。そんなご意見番的存在が亡くなった。享年64。あの講演後のころから体調を崩したようだ
▼「廃炉まで100年かかる。その間、使命感を持ってやってくれる人がいるかどうか」。社会に託された「遺言」だと思う。」
考えると、原発は、廃炉も、いろいろな問題の時間が無限かもしれない。