黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

プラトーン

2022年11月26日 23時05分24秒 | ファンタジー
(毎日新聞から転載)
 数年前に公開されたポアロが主人公の映画「オリエントエクスプレス」の中に、ウィレム・デフォーの顔を久しぶりに見た。彼と初めて出会ったのはオリバー・ストーン監督脚本の「プラトーン」。コッポラの「地獄の黙示録」以来、米映画が幾度もテーマに取り上げたベトナム戦争ものだ。
「オリエントエクスプレス」の主要メンバーのジョニー・デップも、若かりしころ「プラトーン」に出ていたらしいが、そのことをどういうきっかけで知ったのか思い出せない。最近、こんなことがちょくちょくある。
「プラトーン」の語り部役のチャーリー・シーンはなかなか良かったと思う。彼の父親マーティン・シーンが「黙示録」の撮影現場のフィリピンに息子を連れて行ったことが「プラトーン」出演につながったのかもしれない。
「黙示録」はジャングルの奥に潜む得体のしれないベトコン(南ベトナム兵のこと、差別用語か)に恐れおののく米兵たちを描き、「プラトーン」はそんな戦争を十数年も続けた自国の無残な姿を暴いたのだと思う。プーチンはこれらの映画を観ただろうか。
 ところで、つい最近、ウィレム・デフォーを再び思い出したことを書き留めておきたい。それは、サッカー・ワールドカップのドイツ戦の翌日(24日)のこと、M紙朝刊を広げたときだった。そこには試合後半30分に、日本が同点ゴールをあげた直後の写真がでかでかと掲載されていた。それを見た瞬間、映画のシーンがパッと脳裏に浮かんだ。「プラトーン」の一場面、同じ連隊のトム・ベレンジャーに撃たれたウィレム・デフォーが上半身を起こし両腕を振り上げて、退却する自軍のヘリに向かって叫ぶ印象的な場面だった。ほんとうに思い出せて良かった。(2022.11.26)


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