黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

散文調がいい

2018年10月02日 13時44分15秒 | ファンタジー

〈曾我蕭白〉

俳句は身近にあるのでいつでも作れそうな気がするが、そんな簡単なものではないのはよく知っている。一方、短歌はとっつきにくい感じがするが、新聞の歌壇を数ヶ月眺めていて思ったのは、短歌が実に簡明で整然とした散文そのものということ。散文という言い方が行きすぎというなら、平易な短い詩のようなものと置き換えてもいい。

毎日新聞の坪内稔典「季語刻々」に取り上げられた赤尾兜子(とうし)の句。「ぬれ髪のまま寝てゆめの通草(アケビ)かな」、もう一句「会うほど静かに一匹の魚いる秋」

これらの句から溢れ出る生々しい情感や鋭い感性に触れると、何だか背筋がゾクッとする。しかし、17文字の選択と構成が飛躍しすぎていて、散文家の参考にはならない。

以下、毎日歌壇の投稿からの引用。「前髪が揃っているのはこの海と向き合うための準備と言う妹」「行き先は告げずに出ます、ねえ父さん、僕はあなたの続編じゃない」「太古よりいるような蜻蛉ゆっくりと愛想もなく過ぎゆきにけり」

こんな短歌のリズムを積み重ねたら一大叙事詩ができ上がりそうだ。(2018.10.2)

 

 

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