例年二月中旬に開催される、〇〇会の総会の案内通知が今年も来た。この会は、政治・思想・犯罪結社といった危ないものでなく、以前の職場にいた者の安否を確認するための集まりと銘打って、その実、会社の経営陣に対し、人事や財務、飲み会の設営に至るまで事細かく口を差しはさむ圧力団体。それはもちろん冗談。
こういった案内の返信葉書なんて、出欠と住所氏名欄だけでよさそうなものなのに、余白が目に余るからなのか、近況お知らせ欄というのが数行だけ付いている。ところが、その葉書は一週間以上机の中に放りこまれたままになっている。
このわずかな余白を埋めるのに難儀したあげく「まだまだ元気でやってます。会の末永いご繁栄をお祈りしてます」などと、あきれるくらいありきたりなことを書いているうちはまだいいが、見えっ張りの私は、「毎日早起きしてジョギング始めました」などとたった一回やった切りのことを自慢げに書きたくなる。お茶を濁そうとしたのに、黒々としたコーヒー色になってしまう。こういった表現になるのは、俳句、短歌などの詩的感興を理解できないことと何か関係があるのだろうか。今年も返信を出しそびれたほうがいいのかもしれない。
それにしても、こんなことをだらだら書くくらいなら、とっくに葉書を出せるはずだと思うのだが。(2017.1.23)