黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

ヒト、立ち入るべからず

2015年06月10日 13時38分24秒 | ファンタジー

 猫国もそうなのだが、ヒト国の制度には、何を目的に誰のために作られたのかわからないものが多い。たとえば選挙制度。猫国では、ネコやネズミ、クマたちが棲み分けているので、彼らの住処ごとに選挙区の線引きをすれば、頭数に応じて議席数が配分され、それほど不満は出ない。
 ところが、この国では一票の格差をなくそうとするあまり、一律に有権者数に比例した選挙区を作ろうとしている。今後、都市と田舎との間で、経済力や頭数の地域格差が開いていくことは明らか。そうなればなるほど、議席数が都市部にますます片寄り、私が住む地域なら、ヒグマやシカ、キタキツネ、所によりカラスやオジロワシたちにも参政権を認めない限り、議席が張りつかなくなる。遅かれ早かれ過疎地域は別の国になってしまう。
 最近気づいたことがある。この国の至る所、「ヒト、立ち入るべからず」という看板が目につく。ヒグマやシカたちは奥ゆかしくてなかなか打ち明けてくれないが、彼らにヒトの素性はばれている。同じ動物の姿をしていながら野生の奥深い精神性をすっかりなくしてしまったヒトには、もはやこのような土地に住んでほしくないということのようだ。
 話を戻すが、この国の政治は、地域に住む者の代表によって行われるのか、政治団体の力関係に頼るだけでいいのか、あるいはそれらの折衷版がいいのか、その当たりの基本線を決めるべきなのだ。
 別の見方によると、今の小選挙区の場合、区割りをどんなに変えても、死に票が半数近くに上り、民意が反映されることにはならないという指摘がある。にもかかわらず、棚ぼた権力を握ったヒトは、心がはやってやりたい放題したがるものだ。そんなことで国が破綻してはたまらないので、憲法をはじめとして法制度をしっかり作るのは大切なことだ。法整備に際して、手抜きや疑問、そして悔いを残してはならない。(2015.6.10)
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