黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

プルーストを読み継ぐ

2013年06月14日 09時13分54秒 | ファンタジー

 2011.11のブログ「遅読の典型」に、いくつかの読みかけの本を掲げた。一年半以上経過した現在もその状況は何も変わっていない。この間、私はどんな本を読んできたのか。歳を取ると目が利かなくなり、本を開くことさえ億劫になり、ハウツーものさえ手に取る気がしない。なかでも、フランス人の本は理屈っぽくて敬遠気味になる。英国作家のものは雰囲気が薄暗くて年寄り向きではない。ドイツ人が書いたものは、青春時代の暗澹たる記憶を呼び覚ますので読みたくない。アメリカものは物を考えたくないときは適しているが、すぐ飽きる。
 かろうじて、ペローとグリムの童話集、森鴎外、永井荷風をちょっと。サン・テグジュベリ「星の王子さま」とランボー詩集を友人の翻訳で読んだ。つい最近は、佐伯泰英さんが、岩波茂雄の別荘の大修復を自費で手がけた顛末「惜櫟荘だより」。
 読んでないが、本は買っている。ドストエフスキーの新訳が光文社から出ているのでちょっと読んでみようかと「死の家の記録」を一冊。「ドストエフスキー・父殺しの文学」を書いた亀山さん翻訳の「悪霊」は、昔読んだ物とどう違うかぜひ確かめたい。
「千駄木の漱石」とか「文人荷風抄」などは懐かしさのあまり衝動買い。「子供の哲学」「熊から王へ」(講談社メチエ)「戦争の悲しみ」(河出)「重力と恩寵」(ちくま学術)「夜と霧・新版」(みすず)「人間の土地」「8月17日ソ連軍上陸す」(新潮)「街場の文体論」(ミシマ)「百年前の日本語」「古琉球」(岩波)「文楽・冥途の飛脚」(DVD)など。
 ところで、プルーストは井上訳を含め、四種類も刊行されている。どれがいいのか、訳者を代えながら読み継いでいたが、今は中断している。今年の初めだったか、誰だかがコラムで、プルーストを読もうと思うが翻訳ではなく原文で、と小生意気なことを申されるので、今年こそ再開するぞとふつふつ意気込んでいる。(2013.6.14)
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