BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

ワースト

2010年12月28日 | 古本
 今年内に読んだバカ本はあげつらって今年内に忘れよう。まぁだからワーストな
訳で、なんじゃこれと思っても決してその著者の著作全てがダメでもないし、ほぼ
もうダメダこりゃというケースもありで・・・。ただしこれはあくまで今年アタシ
が読んだということで、古本屋さんに在った旧刊ばかりだ。
 ①「こんな女でごめんあそばせ」著者 蝶 々 2006年10月刊
 今年のワーストワンは文句無くこの本だ。書く方も出版する方も買って読んだ
アタシも大バカもんである。ただこの方、大きなBOOK OFFなら5、6冊
の別タイトルが在るのだから意外だ。
 ②「トイレまんだら」著者 妹尾 河童 1992年10月刊
 これはもうタイトルがいけない。せめて「ご不浄曼荼羅」にというのがアタシの
意見。内容もただ著名人の便所のイラスト紹介で、それがどうしたというレベル。
 ③「吉村 昭」著者 川西 政明 2008年9月刊 (伝記)
 結局 吉村さんが書いた作品より面白いワケもなく、夫人の作家 津村 節子さん
も迷惑なことだったろうとアタシは想像している。それに定価2400円+税は
高すぎ。勿論その値段で買ったわけではないが。(笑)
 ④「東京が震えた日 2・26事件、東京大空襲」著者 保阪 正康 
                            2008年8月刊
 相当量の著作がある。驚嘆するのは自己写真の多いことだ。つまり取材先の現場
というより、そこへ自分が行ったというばかりに、自分がメインに写る写真だ。
講演セミナーの広告なども、必ず自分がアップの写真入りだから大いに笑える。
 ⑤「思い出トランプ」著者 向田 邦子 昭和56年12月刊
 こんなに古い価値観でなぜあんなに読まれたのか不思議。それも〔古風〕とは
違うのだ。13の短篇集だが唯一まあまあなのは「マンハッタン」だけだ。それも
主人公〔八田〕という男の姓をシャレた呼び方にしただけのもの。
 ⑥「水平線上にて」著者 中沢 けい 1985年4月刊
 主人公は高校生だが高校生には読まれなかっただろう。句点が長い。例えば
<和泉晶子がレッスンに通っていたピアノ教師の家の庭が幾らか似ていて、もっと
も向こう方は三倍くらい広く、敷地内に離れ離れに三軒も家が建っているうえに庭
の真ん中に自動車が楽に通れる道がある代々郵便局長を務めてきた家なのだが、と
しより二人が丹精した庭に花のない時はなく、房州の土地になじんだ夏みかんや
枇杷はたわわに実り、屋敷回りは赤いやぶ椿の太い樹が囲んでいた。>という感じ
が所々普通にある。結局読み終えて何が書いてあったのか忘れてしまうとです。
 ⑦「ランプコントロール」著者 大崎 善生 2010年7月刊
 ついにアタシも堪忍袋の尾が切れた。以前にも小説の部でなんでいつも同じパタ
ーンなのかと詰った。好きな書き手だけについ厳しくなる。だが〔ノンフィクショ
ン〕の部ではベストもあるので、次回にベストリストを書きます。
 まぁ他にもあるけどこんなトコロテンで。(笑)