七技会のひろば

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忘れ得ぬ思い出 パート2

2012年07月24日 | お話サロン
七業会の八尾さんから「忘れ得ぬ思い出 パート2」の投稿をいただきました。
さっそく掲載いたします。
なお、八尾さんへの連絡は、メールアドレス「 7gikai@mail.goo.ne.jp 」にいただけば取り次ぎます。
コメントとして書き込んでいただいても結構です。
また、直接の連絡先を知りたい方は、個々にご本人のご了解を得た上で取り次ぎます。



忘れ得ぬ思い出 パート2

     「どじょうすくいとタンゴ」
                                 七業会 八尾

日本海側島根県の東部で、鳥取県と境を接する「安来」という町がある。
古くは日本刀の原料となる玉鋼の産地で、現在でも船のスクリューを回す推進軸あるいは剃刀の刃の原料となる鋼材を提供している町である。

しかしこの町を全国的に有名にしているのは、玉鋼ではなく安来節である。
殆どの皆さんは、安来節やどじょうすくいがどこの町を発祥とするのかは御存じなくても、
宴会の余興として披露されるどじょうすくいはご覧になったことがおありだと思う。

この安来節やどじょうすくいは、毎年八月十五日から三日間、全国の予選を勝ち抜いた人達が安来に集まり、歌や踊りで日本一を競うのである。
また安来の町では、中学校の正式な教科として安来節やどじょうすくいの授業があるそうである。

私は30年前、松江電報局長として松江市で一年間勤務したことがある。
局内には安来出身者が多くいて、お花見や忘年会となると四~五人が思い思いの扮装をしてどじょうすくいを始めるが、矢張り上手である。

これらの踊りを見ていつも思い出すのは、五十数年前の中央学園学園祭で見た七技の坂下君(バンチャン)の「どじょうすくい」である。
坂下君のどじょうすくいは、安来節ではなくタンゴ・ラクンパルシータのバック音楽で踊ったと思うが、これほど踊りの味というか本質の出たどじょうすくいは、その後お目にかかったことがない。
彼が健在であれば、タキシードとロングドレスを着けたカップルで、音楽はラ・クンパルシータをバックにどじょうすくいを踊ってよ、と頼みたい。

坂下君とは特に個人的にお付き合いをしたことはないが、
彼が健在であればきっと電気通信技術の分野にユニークな足跡を残していたのでないだろうか。

今頃彼はきっとあの世で、ユニークなどじょうすくいや佐渡おけさを皆さんに披露して楽しませているのであろう。

                                以上



2012.07.24 原文:七業会八尾さん 書き込み米田