特集「中央学園での思いで」その4
「中央学園での思い出」シリーズが好評で、その3に続いてさらに追加投稿
がありましたので、「その4」として掲載します。
十二分にお楽しみ下さい。
吉田さんありがとうございました。
「中央学園での思い出(小さな無謀)」
第七回技術科二組 吉田さん
学園生活2年目を迎えたある日曜日、仲間6人で東京へ遊びに出掛けまし
た。
東京には、60年安保の余韻が色濃く残っていて、樺美智子さんの亡くな
られた場所も廻って手を合わせました。
それから、都内をいろいろと散策して、締めは新宿西口の飲み屋街に入り
ました。
ところが、6人の財布を合わせても、有り金はさみしい限りでした。
協議の結果は、「このお金あるだけ飲もう」 帰りの電車賃はどうする?
「学園まで歩いて帰るだけだ」と衆議一決。盛大に?飲みました。
そして、酒席のあと酒の勢いも手伝い、勇躍新宿駅から歩き始めました。
どの道を歩いたのか、今では思い出せませんが、時々放吟しながらひたす
ら歩きました。
そして大変さよりも好きな仲間と自由な気分を味わっていた心地よい記憶
が残っています。
「桜上水」まで来たとき、東の空が明るくなってきて、道を間違えていな
かったことの安堵感を鮮明に覚えています。
帰寮して、そっとベッドに潜り込み、勿論、授業はさぼらずに出席しまし
た。
今考えると、常識外の事でありますが、今ではできない、その小さな無謀
さが無性に懐かしく学園時代の一コマとして、時々思い出されます。
以上