サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

右の指が伸びている

2016年05月29日 16時25分28秒 | 今日のサキさん
朝11時前に、お姉さんと一緒にサキさんの特養へ。

サキさんに聞いてもらうつもりの愚痴を、車の中でお姉さんに聞いてもらう。
お姉さんもお姉さんで何かと大変そうだ。体の事(無理が利かなくなって来たり)もあり、思うようには行かないみたいだ。それでも、こうやってサキさんの面会に付き合ってくれる。感謝しております。

さて、サキさん。今日もベッドの上で厳しい顔(眉間にしわをいっぱい集めて)で、音楽に合わせ(たぶん)ブツブツ言っている。(歌っている)おそらくは、歌っているのだろう。流れている曲のリズムに合わせてブツブツ言っているので。何でそんなに厳しい顔、怖い顔で歌っているの?サキさん。どうせ歌うんなら、楽しい顔で歌おうよ。

右手は、相変わらず動かさない(動かない)が、指が伸びていた。こちらが伸ばしたわけではなく、布団をめくって右手の様子を確認すると指が伸びていた。いつもグーなのに、今日は野球のボールを握るような感じで、人差し指と中指が伸びていた。リハビリのおかげだろうか。右手も左手みたいに動けるようにならないかな。

さて昼食です。ベッドから車いすにはまた私一人で「お姫様抱っこ」で移乗してもらいました。以前のことを考えると本当に軽くなってしまったサキさん。五十肩がまだ完全に治りきっていないけど、楽々と抱っこできてしまいました。

今日は日曜日なので、いつものソフト食です。味付けと色と形の変わったプリンを毎日食べている感覚なのかな。無表情、無反応に食べ続けるサキさん。
「何か、反応でもあればいいのに」とお姉さんと二人で話していると、そばにみえたスタッフさんが
おいしい、って言ってくれる時もありますよ」と、教えて下さいました。

普段の様子や、エピソードなどをいろいろと聞きたいものです。どんなことでもいいので、機会があればいっぱい教えてください。これからもよろしくお願いいたします。


無表情ながらも時折、目線は私やお姉さんを探して動いていきます。全くの無反応というわけではありません。いつものように食後の歯磨きには、目いっぱい口を閉じて抵抗します。

反応が全くないわけではない。
表情が全く変わらないわけではない
何も感じていないわけではない


こんどの水曜日も、お姉さんと夕食介助に行きますね。待っててね、サキさん。


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2 コメント

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こんばんは。 ()
2016-05-30 19:59:31
サキさん、色んな表情が見れて嬉しいです。
何か不快なことがあって眉間にシワが寄ったり、会いたい人に会えて穏やかな表情になったり。

全く何も感じてない、そんなこと絶対にないと思いますよ。
考える力は病気によって少しずつ薄れていくかもしれませんが、感じる力はいつまでもあります。
利用者さんと関わる中でいつもそう感じています。
耳から聞こえる声、目に入ってくる色や光、肌で感じる温度、全て伝わっていて、そこから安心、不快、恐怖、たくさんのことを感じていると思います。

だからどんなに長い時間職員が関わっていても、ご家族さんと過ごす時間の中に出てくる笑顔には勝てません。
旦那さんだから、サキさんのこの穏やかな表情が出てきていると思います。
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Unknown (サキさんの夫)
2016-05-30 21:01:12
柴さん、ありがとうございます。

そうですね、発語は無くても、表情は様々に変化していきます。食事中だけはなぜか無表情ですが。歯磨き拒否の口を真一文字に力強く閉じる姿は、サキさんの断固たる意志の表れにほかなりません。
「忘れても心は生きてる認知症」
認知症の人と家族の会の標語の中で最も好きな言葉です。まだまだ心は力強く生きています。
でも、もちろん表現力は落ちてきているので、介護する側の観察力、洞察力が試されてきます。しっかりとサキさんの気持ちを汲んであげたいです。こちらの一方的なおせっかい、介護者の自己満足にならない様に。
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