サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

娘、息子、サキさん

2022年10月17日 17時18分30秒 | 私の日記
 今日の昼過ぎ、玄関のカギを開ける音が。何の前触れもなく、いきなり鍵を開けて入ってくるのは娘しかいない。玄関に向かうと、やっぱり娘だった。
「どうしたんや?」
「車屋に寄らないかんで」
 娘の車は、いまだに岐阜のディーラーなので、点検・車検のたびに家に戻ってくる。戻ってくるなり「腹減った」といいながらお湯を沸かしカップ麺の準備をする。
「そんなもんばっかり食っとったらあかんぞ」
「しゃーないやんか」
 前よりさらに太くたくましく成った娘が答える。

 娘とは不思議と気が合うのか、お互いよくしゃべる。30分くらいだったけど、途切れることなくたわいのない会話が続く。
 お母さん(サキさん)の面会が先週から再開したこと。
 兄ちゃんの彼女に会ったこと。(兄ちゃんから送ってもらった彼女とのツーショット写真を見てもらったり)
 旦那のお母さんとうまい事やってるか? などなど。

 またまた体はどんどん成長を続けている(横に)娘。孫を作る気は今のところ無いみたい。まあ、二人でゆっくり考えてくれればいいでね。でも、あと5年もしたら、お父ちゃんは孫の面倒見れんくなるでね。お父ちゃんに面倒見て欲しかったら、早めにね。
 それと、兄ちゃんとはお父さんより長く付き合っていかないかん訳やで、仲良くやってね。彼女ともね。


 土曜日に面会に行った時のサキさん。おでこのあたりに、赤いブツブツがみえる。でも近づけないので何なのかはっきりわからない。スタッフさんにも聞きそびれてしまった。パネル越しじゃなく、直に触れ合える面会だったらいろいろ気付けることもあるんだろうけどな。


 目を閉じたままだったサキさん。何の反応もなく、ただただ一人声掛けを続けるのはしんどい。それでも息子と彼女の写真を見せ、息子の名前を言い続ける。すると、やっぱり息子の名前に少しずつ反応し、薄目をあけてくれた。いつになっても、どんな状態になっても、やっぱり息子が一番気掛かりなんだろうな。
 もうすぐ息子にも春が来そうだから、楽しみに待っとってね、サキさん。