知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

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『九十九里浜は本当に後退している? その理由は』 ―各所に消波堤が造られ、「太東岬」と「屏風ヶ浦」砂の供給がなくなってー

2021-01-30 16:46:52 | 地球・火山・地震・津波

『九十九里浜は本当に後退している? その理由は』

―各所に消波堤が造られ、「太東岬」と「屏風ヶ浦」砂の供給がなくなってー

先日、旭市三川に帰郷しました。 会食の席で、この地で生まれ育った方々、三人が皆同じ意見でした。 『九十九里浜の後退は、利根川河口の堰堤で利根川の土砂が九十九里に廻ってこないのが主因だ』と

 

九十九里浜に拘泥するのは、九十九里浜の内陸の農家に生まれ、育った自分を『海好き』にしてくれたのが九十九里浜でした。 どのくらい『海好き』かですが、のっけから、余談・自慢話で恐縮です。

 

❶小学校高学年の頃は、網本の息子と『澪・離岸流』に乗って1㎞程沖合の蛸釣り船まで泳ぎました。 時速は8㎞位になり、快感でした。

 

❷中学生時代は、銚子漁港の停泊中の船底くぐりの潜りをやりました。 最深の竜骨部に達したら、体を反転させて、水中の船腹に向き合って、手足を使い這い上がり、船腹に張り付くのを避けました。

 

❸高校時代には、大原港から太東岬まで約7㎞の遠泳、半ばで、地元の漁船に乗った監視員に捕まり未遂でした。 上の地図の、最下部のほぼ中央に大原港の突堤、その少し上に太東岬が見えます。 

 

❹香港駐在時代には、深水湾(Deep Water Bay)から浅水湾(Repulse Bay)まで遠泳約4㎞は無事泳ぎ切りました。 当時シーズンオフだったのかサメには遭遇せずに済みました。 とにかく海を見るとプチ遠泳をしたくなります。

 

さて、本題に戻ります。

今まで理解していた、九十九里浜の後退理由は、次のウエブ情報です。

 

東京大学・海岸沿岸環境研究室・佐藤愼司教授は砂浜消滅の原因をこう解説する。『九十九里浜というのは「太東岬」と「屏風ヶ浦」という両側の崖が崩れ、そこの土砂が入ってきてできた浜です。かつては波で両側の崖は年間約70センチ削られ、その砂が九十九里浜に供給されていました』

ところが、各所に消波堤が造られ、砂の供給がなくなってしまったのだ。

 

その対策に、

県は今後、浸食被害を防ぐため、地元の漁業者や住民らと合意形成を図り、浜全体のバランスを考慮しながら、砂の流出を防ぐための人工岬「ヘッドランド」の設置や外部からの砂を供給する「養浜」といった対策の実施を同会議で検討。自然な海浜を可能な限り残し、実現可能な養浜量で約40メートルの砂浜幅の確保を目指すとしている。

 

利根川の土砂の九十九里浜への影響はなさそうです。 国交省のHPからです。

 

利根川の変遷に関する次の記述がある。「古来、利根川は太平洋ではなく現在の東京湾に注いでいた。現在のような流れになったのは数次にわたる瀬替えの結果で、近世初頭から行われた河川改修工事は利根川東遷事業と呼ばれ、徳川家康によって東京湾から銚子へと流れを替える工事が行われた。東遷事業の目的は、江戸を利根川の水害から守り新田開発を推進すること、舟運を開いて東北との経済交流を図ることに加えて、伊達政宗に対する防備の意味もあったと言われている。工事は徳川家康が伊奈備前守忠次に命令し、1594年の川締め切りを皮切りに60年の歳月をかけて1654年に完了した。」 この記述によれば、まず1654年以前の九十九里浜の海浜形成に対して利根川の流出土砂は寄与することはないことが明らかである.1654年以降の利根川からの土砂供給の有無に関しては、銚子半島周辺の海底地形より考察される。銚子半島北側にある鹿島灘と、南側の九十九里浜における波による地形変化の限界水深は910mとされている。これに対し、銚子半島の東部は岩礁帯であり、前面の海底はほぼ1/10勾配で水深約20mまで落ち込み、海底面には岩礁が露出している。このことは銚子半島を南北に沿岸漂砂が横切って通過することは困難なことを意味する。

 

したがって、『太東岬と屏風ヶ浦という九十九里浜両側の崖が崩れ』供給されるハズの、その土砂が、消波堤に阻まれ、供給されなくなり、九十九里浜の後退になっているという、ある意味で人災であるようです。

                   (20190330纏め、20210130追補、#094


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