知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

興味のあることは、何でも調べて文章にする。   写真は「光と影」と言われるが、この理解には、まだまだ、ほど遠い.

『夏目漱石と黒猫のこと 1(猫好きにはたまらない飼い主のやさしさ)』―吾輩が、餅を見た時「見るとうまそうにもあるし、気味が悪くもある」とー

2020-12-17 17:46:25 | 読書

『夏目漱石と黒猫のこと 1(猫好きにはたまらない飼い主のやさしさ)

―吾輩が、餅を見た時「見るとうまそうにもあるし、気味が悪くもある」と―

(この写真の猫は、箱根強羅公園の看板猫で表題とは関係ありませんが、思わず貼り付けてしまいました)

 昔の読書は、二度以上読むことはめったにありませんでしたので『座右の書』なるモノがありませんでした。それでも思い出せる、二度以上読んだ本は、梅原猛著の『隠された十字架 法隆寺論』と『塔』、増田俊也著『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか』です。

 

最近、二度目を読み始めたのは、夏目漱石の長編小説であり、処女小説である『吾輩は猫である』です。 常に脇に置いて、どのページをめくってもよめる本に喜寿にして出会いました。 今までは脇に置いて、どのページをめくっても、読める小説が、自分にとっては、ありませんでしたので。 

 

 半世紀も昔のことですが、ある先輩のところにお邪魔した折に、リビングの本棚の『黒色装幀版志賀直哉全集18巻』を前に、先輩が一言。 『この全集の、どの巻を取り上げ、どのページを読んでも、この作品の良さが解る』と、この時には感心ばかりで、このことをよく理解できませんでしたが、余生の残り時間に余裕のない昨今、少し納得できるこの頃です。

 

 この小説は、のっけから(岐阜の方言)凄い。 引用させて頂きます。

『吾輩は猫である。 名前はまだない。 どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。 何でも薄暗いじめじめしたところで、ニャーニャー泣いていた事だけを記憶している。 吾輩はここで始めて人間というものを見た。 しかもあとで聞くと、書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。』

 

この長編小説が擬人化であるかどうか混乱してしまいましたので、擬人化についてのウェブ情報です。

小説「吾輩は猫である夏目漱石:作)は、主人公いや主猫公である"吾輩"の視点から、様々な人間模様を風刺して描いた文学作品である。
"吾輩"自身は、言葉を話すことは無いが、相手の話す言葉の内容は理解している上、自身も人語で思考している。
人間的性質(人語理解)を有するという点では、擬人化の範疇に値する』と。

 

この小説には『吾輩』が雑煮餅に挑戦と、その結末があります。 自分も猫とは長い付き合いがありました。 中学生時代には、布団の中の足元で子猫を出産されたことがあります。 子猫のあばら骨と鋭い爪が当たり、気が付き、目が覚めました。 また夜中に枕元に、獲物(ネズミやヘビなど)を生きたまま見せに来たことも何回かありました。 然しながら、この小説の『吾輩の雑煮餅への挑戦』の著者の観察は圧巻です。 引用させて頂きます。

 今朝見た通りの餅が、今朝見た通りの色で椀の底に膠着している。 白状するが餅と言うものは今まで一度も口に入れたことがない。 見るとうまそうにもあるし、また少しは気味が悪くもある。 前足で上にかかっている葉っぱをかき寄せる。 爪を見ると餅の上皮が引き掛かってねばねばする。 嗅いでみると窯の底の飯を御櫃へ移す時のような香りがする。 食おうかな、やめようかなとあたりを見廻す。 幸か不幸か誰もいない。 もしこの機をはずすと来年までは餅と言うものの味を知らずに暮らしてしまわねばならぬ。 吾輩は実をいうそんなに食いたくないのである。 いくら躊躇しても誰も来ない。 吾輩は椀の中を覗き込みながら、最後にからだ全体重量を椀の底へ落すようにして、あんぐりと餅の角を一寸ばかり食い込んだ。 大抵のものなら噛み切れるわけだが驚いた!

この後の、歯は餅から抜けず、噛んでも噛んでも割りきれず、七転八倒する間に、ナント二本足立ちができ、これに感心している。 御三(女中)には『あらまあ』と、奥様には『いやな猫ね』と、ご主人は『この馬鹿野郎』と、女の子は『御かあ様、猫も随分ね』とも言われ、笑われて受難の日でした。 

  (20181103纏め 夏目漱石と黒猫のこと 2 に続く #034)

 

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『写真の魅力 1(夕景は素晴らしい 2)』―散歩中の犬を後ろ足で立たせるカットのシャッターチャンスを無我夢中でー

2020-12-17 11:29:47 | 写真

『写真の魅力 1(夕景は素晴らしい 2)』

―散歩中の犬を後ろ足で立たせるカットのシャッターチャンスを無我夢中でー

 

昔は、夕景をよく撮りました。 『血圧が高い』のに、早起きが苦手でしたので。

茨城県の小貝川の東岸から西岸を狙いました。 左下のカップルが欠けてしまったことと、自転車通学の女子高校生も通り過ぎてしまいました。 残念でした。 散歩中の犬を後ろ足で立たせる『チンチン』のカットのシャッターチャンスを無我夢中で待って500㎜反射式レンズで撮りました。

 

取手競輪の選手の練習中の一休みを、1,000㎜反射式レンズで、撮ったものです。 夕日の縊れが撮れました。

 

利根川の北岸を散歩中の、チャウチャウと、そのご主人を500㎜反射式レンズで撮りました。 何とも穏やかな夕景です。

 (記事投稿日:2019/06/26、#002、最終更新日:2020/12/17、#105)              

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