斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

香川高専訪問3

2011年11月19日 01時26分07秒 | 高専訪問記
香川高専の敷地内に昭和61年8月に完成した七宝記念館があります。
この記念館を見学して、びっくりしました。ワシントンDCにあるスミソニアン博物館芸術産業館に匹敵するといっても過言でないコレクションがありました。もちろん、スミソニアン博物館はアメリカ合衆国の威信をかけて運営されているので、広さや展示の仕方では負けてしまいますが、展示品そのものでは七宝記念館は負けていません。
記念館はこの建物です。


展示コーナーの外観写真です。著名な人物の肖像が並べられていて、その下に特に電子工学に関する技術史を学ぶことのできる展示がなされています。


このような古い無線機が所狭しと並べられています。太平洋戦争時代の軍隊の使用した無線機もあります。


技術の変遷の真っただ中にいて、短命で終わった技術についても、このように整理して展示されています。


セラミックスコンデンサーやフィルターも整理されて展示されています。さまざまな企業から提供されたものです。企業に勤めている卒業生が協力してここに集めたそうです。


このパソコン、技術史の遺産として展示されていましたが、一緒に見学した機構本部の職員が「このパソコン、長野高専では現役ですよ」と笑っていました。


技術史を技術者の卵たちに教えたいのですが、我が国にはそのような適切な施設はないし、コレクションもありません。この記念館にはその精神が息づいています。このようなコレクションが充実していったら、我が国を代表する技術史博物館になるのではないでしょうか。展示品は全国の高専出身の技術者がそれぞれの企業から持ち寄っても良いし、全国の高専の研究室に眠っている品物を集めてもよいでしょう。それだけで、相当なコレクションになりますね。


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