小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

若手先生が作ってくれたゴミ箱表示がイマイチだったんですけど

2016-08-10 21:05:05 | 学級生活の攻略法
私は学校で
「ごみ担当」
もしています。
これ,地味だけどすごく大事なんです。
学校からは大量のごみが出るけど,自治体の示す仕分けに沿って出さないと処理してもらえません。
なので,全児童・全職員に対して仕分けの徹底を図っていく必要があります。
これってなかなか大変だし,難しいことです。
私が受け持つ仕事の中でもかなり重要な仕事です。

ごみ担当の私は
「ごみ部」
を組織し,
「ごみ部員」
を構成しています。
この部員の先生たちといつもごみ処理の活動を分担しています。
ある日,その部員の中の一人の先生が私の所へ来て
「ごみ箱の表示を作ったらどうですか」
と提案してきました。
「ごみ箱の表示」とは,ごみ箱に直接貼り付ける「燃えるごみ」とか「燃えないごみ」とかのカードのことです。
「それをつけたら,もっと仕分けが徹底されるんじゃ…」
アイディアとしては目新しいものではないし,過去にもその手の表示を付けていた形跡もいくらか残っています。
だから,そこまで積極的になれる提案では,正直ありませんでした。

しかし,提案してきた先生というのが,普段はおとなしい若手の先生でした。
全体の場で発言するようなことはほとんどなく,まだ先生としての経験も浅い,謙虚な先生です。
そんな先生が話しかけてきたというだけでも少し驚きましたが,ごみの改善をめざして自発的にアイディアを出してきたということが,なんともうれしかったです。
だから,
「よし,やろう。」
すぐに返事しました。
「じゃあ先生,その表示作ってみて。できたら見せて」
ということで,スタートから任せてみました。
その先生はこれに関してやる気があるようで,翌日すぐに作ったカードを見せに来ました。
「2パターン作ってみたんですけど,どうですか?」
見てみると,2パターンとも,正直イマイチ… 笑
もし私が自分で作るなら,「もっとこうする」というのがいくつも浮かびました。
でも,
「いいじゃない!よし,じゃあ2人でせーので選んでみよう。せーのっ」
偶然,2人とも同じ表示を選んだので
「よし決まり。これでいこう」
と,決定してしまいました。

私としては,この表示にそこまで頼るものもなく,中身がどんな表示でもさほど効果に違いはないかなと思っていました。
過去にも同様の経験があったからです。
だから,表示の中身にこだわるよりも,ここではその若手先生の主体性を大事にしたいと思っていました。

さらに翌日。
「先生,準備できました」
なんと,その先生は全教室分で100枚を超える表示を作っていました。
カラー印刷し,すべてラミネートして,両面テープを貼っていました。
「え~ 大変だったでしょ~ これはごみ部員で人数をかけてやろうと思ってたんだけど」
そう言いましたが,裏ではこの先生がやる気満々でそこまでしてくれることも期待していました。
期待通りでうれしかったです。
「よし,じゃあ一緒に貼りに行こう」
ということで,私は自分のしている仕事の手を止め,その先生と2人で全教室を回りゴミ箱にぺたぺたと貼っていきました。
夏休みの暑い最中,汗だくの作業となりましたが,終始その先生は表情が生き生きとしているように見えました。
地味な作業だけど,自分のアイディアで動き出し,自分の作品が広まっていくことのうれしさや手応えを感じていたのではないかと。

今後,学校のどこを回ってもこの表示が目に入るので,そのたびにこの先生は少し自分に自信をつけられたらいいなと思います。