新しい共通テーマ「閉じる」でAが書いた詩を投稿します。
白い皿
とある育児書に
――自分を開けっぴろげにしていれば
誰かが力になってくれるよ――とあった
小児科医がそんなことを説いたのには
さまざまにまざまざと
重い深い実の体験があったはず
教えられるまでもなく
単純率直なわたしであった
一般的世間的に
駄目といわれる境遇に陥っても
恥とは思わなかった
けれど「可哀想な人」にされて
ちょっとした施しを受けた
誰とも違うわたしも
あなたにとってはステロタイプ
合羽橋道具街に
白い食器だけを扱う店がある
どんな料理にも合う白でいる
閉じもせず開きもせず
ありのままでいる 白い皿
八方塞がりの年は八方開きの年でもある
無心になり強くあれば強運に