湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

名前の詩パート1

2020-12-28 14:19:13 | オリジナル
 東逗子ふれあい広場で
新しい共通テーマ「名前」でTが書いた詩を投稿します。
路子

澄子が
役所から戻ると
路子になっていた
戸籍係の父の友人が
名づけ親になった
千四百グラムの未熟児を見て
元気に路をまっすぐ進めるように
という願いからだったという
ミチコの中ではこの字が一番気に入っている
澄子だったら
素直でやさしく
軽やかな人生になっていたのでは

森の中の小路を歩いた
旅先の知らない路も歩いた
六本木の四十年ぶりの路では迷子になった
屋敷町街の路はいつも静かだ
そこを一緒に歩いた人はもういない
今は詩の中の路を歩いている

絵美留という絵画の修復師がいた
友人の七枝は押し花作家だ
名前が人生を引き寄せることがある
コメント
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