湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

靴の詩パート3

2019-10-10 23:57:34 | オリジナル
共通テーマ「靴」でEが書いた詩を投稿します。



歩く楽しみをおぼえて
まだほどない幼児用の小さな靴
偉丈夫の堂々たる
コードバンの黒い靴

幼児用の赤い靴は
手の平にのせるのがふさわしく
大丈夫の紳士靴ははいてみても
大きすぎて仕事にならない

教職員労組の長は
上げ底の靴で現れ
同席の文人連から
手ひどいひんしゅくを買った

西施の絹の靴は
雑踏にもまれ
鹿皮の底が
あえかにいたんでいたとか

靴にかぎらず身辺はすべて
身の丈が一番安気
卑下する要は当然ないし
誇示するいわれも毛頭ない
コメント
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