湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

烈の詩パート1

2018-04-05 17:14:49 | オリジナル
新しい共通テーマ「烈」でAが書いた詩を投稿します。

時間切れ

わざわざ顔を上げ出て行って
絵を描いたことを熱烈に主張する
見事な隠喩を駆使して
美しい身振り手振りで

しかし私によって語られる
私によって描かれた絵は
隠喩のひとつも埋まっていない
一度の熱も発していない
間延びした色を帯びる
カンバスの裏側は伽藍堂

甲羅の中身が空っぽなまま亀ほど生きて
表面しか塗りたくれない私を
誰か擬人化してみせて
反語で誇張してみせて

長音階を鐘が奏でる
熱烈な演説の時間は終わった
恥の多い生涯でした
コメント
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