湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

言葉で言葉を描くこと

2016-06-25 00:00:54 | 
昨日の合評会で下記の詩について話し合ったことを投稿します。作者は都合により欠席だったので出席者の批評だけになります。

言葉のために書く言葉なんてない

言葉は伝える事をはじめた
ふれ合うよりも明解に

より伝えたいものの思いをまとって
その思いを伝えるために

文字は言葉にかたちを与えた
言葉よりも確実に

心を通わせるために始まった
言葉と文字
日々翻弄させられる

バルザックはすべてはかたちである、そして生命でさえ、一個のかたちなのだと言った

透明なかたちの言葉とかたちある文字
命を持ったものは歩き始める

言葉のために書く言葉なんてない


言葉の音と形について考えている、作者の怜悧さが感じられる作品。
言葉を擬人化してるんですね。
それを分かって読むと、理屈っぽい印象を受けます。
捨てる行がないので、読んでいて息が詰まっちゃうのよ。中盤でもっとドタバタさせてほしいな。
ダダイズム詩のような強く断定するタイトルと最終連の1行が同じになっていて予定調和的な構成。
パラドックス・イロニイ・ブラックユーモアを含んでいて面白いタイトルなので、本体に読者サービスを盛り込んでほしかったです。
言葉というテーマは、一見簡単そうだけど難しいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする