練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂幸太郎

2007-05-31 | 読書
またまたやられた~~~!!
久々に伊坂作品を読んだような気がするけれど、またもやまんまとやられた、って思います。
なんか心地よいやられた感。
相変わらず、ものすごい仕掛けのストーリー。
なにかあるある、と思いながら読んでいて、
ある地点に来て、「あ~~~っ、そっか~~~!そうだったんだ・・・」
とすべてクリアになる。
そして、もう一回読むと、今まで見過ごしていたいろんな小さなものの意味が分かってくる。
「あ~、そういえばそんなこと言ってたけど、こういう意味だったんだ・・・」
と納得する。
謎解きとはまたちょっと違うんだけど、一気にいろんなことが分かる爽快感。

でも、なんだかこの話は爽快なだけでなく、一貫して哀しかった。
この感じ、どこかで味わったような気がする・・・
と思ったら、そう、「木更津キャッツアイ」と一緒だったんだ!!
ある時点までくると、ストーリーが逆戻りして、実は・・・のストーリーが始まる、あの感じ。
「木更津・・・」も面白かった。でも、どこか哀しかった。
それはぶっさんがもう生きられない、(もしくはもう生きていない)と知っていてのお話だったから。
それと共通するような物悲しさがこの『アヒルと鴨の・・・』にも漂っていた。

で、どうやら映画になって、伊坂作品らしく仙台で先行上映されたらしい。
観たい!
でも、この話、どうやって映像化してあるんだろう・・・???
だって、「○○は△△だった」っていう一番キモの部分、映像にしてしまったらちっとも面白くないか、訳がわからないかどっちかだと思うんだけど・・・。
う~ん、絶対観たい!

ボーダーガーデン 春

2007-05-29 | お花
ボーダーガーデンの花が綺麗に咲きそろいました。
背の高いのはジギタリスでしょうか?
レースフラワーも旺盛に咲いています。

『マルドゥック・スクランブル-圧縮』 冲方丁

2007-05-28 | 読書
SFというよりは近未来小説。
私の中での「近未来」という言葉は「ブレードランナー」の世界に集約されている。
3次元空間を移動する装置、なぜか晴れの日がめっきり少ない天候(酸性雨?)、人間と間(ブレードランナーではレプリカントだった)との共存、違和感ばかり覚える街の様子、そして、決して明るくないむしろ悲壮感すら漂うムード、感情がないはずの間の悲哀・・・。
これらの要素がすべて含まれている、という点ではこの『マルドゥック・スクランブル』も私的近未来小説としての価値、大ありだった!

以前『マルドゥック・ヴェロシティ』を読んだ感想のときにも書いたと思うが、
これを日本人が書いている、というのが驚きだ。

今回の主人公は一命をとりとめた(再生された?)少女娼婦とネズミの形をした話す万能兵器。
そして彼らの敵はボイルドという不死身の男。

しかし、続編である(続編ではあるが、このスクランブル以前の話)『ヴェロシティ』ではネズミとボイルドは相棒(バディ)であったはずなのだ。
この二人(一人と一匹)の間に何があったのか?

シリーズがどんどん出版されているようだが、続きを読まないとストレスがたまりそう!

『グロテスク』 桐野夏生

2007-05-27 | 読書
なんかね~、この本、はまりそうなアブナイ予感がして敢えて読んでいなかったんだけど、
文庫が出てしばらくして、やっぱり読んでしまった。

結果、またもや桐野ワールドにはまってしまった・・・。
でも、さくさく読めるというのではなく、読むのに結構パワーが必要。

もうずいぶん前の事件になってしまったけれど、
東京電力のOLが夜は娼婦をやっていて、薄汚いアパートの一室で殺害されていた、というあの事件に触発されて書かれた小説らしい。

内容は別に桐野流にあの事件を検証する、とかそういうのではなく、
単にモチーフとして取り上げていて、
そこに描かれているのは・・・・
なんというか、怒り、悪意、嘲笑、侮蔑、などなど・・・
およそこの世のありとあらゆるマイナスの感情のオンパレード。

確かに読んでいていい気持ちとかいうのとはまるでかけ離れた感情になる小説なんだけど、
私は読んでいて不思議と爽快感すら感じた。

たぶん、桐野さんの超強烈な皮肉とか風刺とか嫌味とか、
こんなのバカじゃないの?、とか勘違いもいい加減にしろ!とかいう
怒りの気持ちがどこかで私の気持ちの一致していたんだと思う。

いろんな人物の手記、という形の章が多いが、
いっつも頑張って頑張って、でもなんかピントがずれまくっていて、
滑稽というには必死すぎて、最後には怪物になってしまった、
和恵の手記が読んでいて、恐ろしさと共に物悲しさすら感じてしまった。

ラストはちょっと?と思うところはあるが、かなりインパクトのある一冊だった。

『風に舞いあがるビニールシート』 森絵都

2007-05-26 | 読書
6編からなる短編集なのだが、どれも全く違う設定でおもしろかった。
巻末に参考文献が掲載されているが、仏像修復の話と国連の難民救済の話は特にリサーチを重ねた上で書かれたものらしく、よみごたえもあった。
この2編だけでなく、他の作品もなかなか専門的な内容もあって、ただストーリーが面白いだけでなく、知らなかったことを教えてくれるような知識欲を満たしてくれる部分もあり、楽しかった。

私は特に、社会人入試で大学生になって、古典文学でレポートを書かなければいけないのに時間がなくて、伝説の留年社会人学生に代筆を頼みに行く・・・『守護神』と
新人類(って死語?)かと思われた取引先の若い社員とロングドライブしなくてはいけない羽目になったややおじさん社員・・・『ジェネレーションX』が面白かった。

で、でも・・・・
まったく個人的なつぶやきなんだけど、
最近、こういう、トラブル続きの割と親しめるシチュエーション→で、ラストは前向き、という設定の短編集が多すぎのような気が・・・
はっきり言ってそれぞれの違いが私には分からない・・・。
ごめんなさい、森さん。
たぶん、これをその一連の短編集の最初に読んでいたらきっと、
「すごくよかった!おすすめ!」くらいのことを言っていたと思うんだけど、
いかんせん、いろいろ読んだ後にこれを読んでしまったので、どうも印象が希薄になってしまって・・・。
いい作品だとは思うんですけど、どうなんでしょう、他に読んだ方はどう思うかな?

シェードガーデン

2007-05-25 | お花
その名の通り、ほとんど日が当たらない建物の陰になっている部分の植え込みです。
でも、ここも雰囲気があって大好きな場所です。
ラナンキュラス、擬宝珠、あとなんだか分からない花、グリーンがたくさん植えられています。

『八本脚の蝶』 二階堂奥歯

2007-05-24 | 読書
二階堂奥歯さんは出版社に勤める編集者であり、まだうら若い女性だ。
でも、もうこの世にはいない。

この本は彼女が自らの意思で死を選び亡くなるその直前まで書かれた日記である。
2年弱の期間に書かれたものが収録されているが、
その長いような短いような期間の彼女の言葉を読むだけでも、
圧倒的な読書量、人並み以上の感受性の強さ、あまりにも深い思考、哲学的(宗教的)なものへの傾倒、分析能力のするどさ・・・いろいろなものがあふれかえってくるのが感じられて読むのにこちらも体力をかなり使うほど。

私はこの本をバックグラウンドを知って読み始めたので、全く息が詰まる、というか、悲しくて仕方なかった。
始めのうちこそ、お洋服の話、コスメフリークを自認する彼女のお化粧品の話、買い集めてしまう雑貨(でもかなり変わったものばかり)の話題、など、かわいいマテリアルガール的な話もたくさん日記に書かれているのに、
あるときを境に全くそういったことが書かれなくなってしまう。

怖い怖い怖いと羅列される文字。

初期の日記に彼女がある人の自殺の報を受けて
「辛くて死んだのではなく、気が済んで死んだというのならいいのだけれど」
とかいうことを書いていたが、
彼女自身こそ、気が済んで、というのとは明らかに違う心境にあったということが手に取るようにわかるのでとてもつらい。

何も分からずに、自分で分かろうともしないで「怖い」とか言っている人は愚かだと思うけれど、
彼女の場合は知りすぎて、考えすぎてしまって、生きていることに恐怖を感じてしまっているように思えてならない。

私の好きなある歌の歌詞に、くだらないことで笑えるぼくらは愚かだけど幸せ、みたいなフレーズがある。
今もしも生きている奥歯ちゃんに会えるとしたら、
そんなにおりこうでなくていいし、毎日生きていくだけで精一杯みたいなつまらない毎日でもいいから、おバカさんでもいいから生きていてよ。お父さんやお母さんより先に死んじゃいけないよ。
と言って頭をなでてあげたい。

ミニバラ

2007-05-23 | お花
で、これがウチのミニバラ(赤)。
なんとか今年もつぼみがついてひとつ花を咲かせてくれましたが、
うどんこ病に罹っています

ニゲラ

2007-05-22 | お花
開花しました。
ブルーの花が咲くかなぁ・・・と思っていたら、
白花でした。
ちょっとがっかり。
でも、白も綺麗。