練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

「海のエジプト展」

2009-09-30 | アート
横浜開港博の一環である「海のエジプト展」へ行ってきました。
(開港博も閉幕し、こちらの展覧会も終了しています。)

「海のエジプト展」
2009年6月27日(土)~9月23日(水・祝)
パシフィコ横浜

海に沈んだエジプト文化の発掘成果を展示する展覧会でした。

巨大石像など、ほぼ全体の形を残したまま展示されていて、感動です。
鋳物だけではなく、小さな土器などもかつてこうであっただろう、という姿のまま発掘されているのはすごいことだなぁと思います。

宝飾類にやはり目がいってしまいますが、さすがに金の宝飾は、輝きも現代のものとほとんどかわらないままです。
金という物質は、王水(?)とかいう液体以外のものに侵食されることはない、と聞いたことがあります。
紀元前に作られたものが目の前に並んでいるという事実は、まさに歴史を感じる瞬間でしょうか?

・・・と、まぁ、なんともありきたりな感想だなぁ、と我ながら情けないですが、とにかくものすごい人手で、ゆっくり鑑賞する暇なんてまったくありませんでした。
どこからやってきたのでしょう、この人たち、という感じ。

それでもY150は予想入場者数の4分の1にも満たない来場者だったとのこと。
なんか場所も散逸していたし、イベント的にどうかな?というのはありましたよね。

『赤い指』 東野圭吾

2009-09-27 | 読書
犯人は最初から分かっているが、それを隠そうとする者と、真実を暴こうとする者、という東野圭吾作品の黄金のパターンである。

この作品は謎解き、種明かし、最後のどんでん返しはいつもの通り十分楽しめるが、それよりも重く読書に訴えてくるのは、家族の問題、高齢者の問題だろう。

認知症の老人を自宅介護することのつらさ、嫁と姑の問題、思春期の息子との関係。
どれも身につまされるほど、読んでいて辛いものだった。
本当に人ごとではない、という、重さ・・・。

無邪気に「面白かった~。東野さんはまりそう!」という娘を複雑な気持ちで見守る私でした。

『女子大生がヤバイ!』 小沢章友

2009-09-26 | 読書
著者は都内の女子大でフィクション・ライティングの講義を持っている。
講義でいまどきの女子大生が書いた短編小説を基に彼女たちの頭の中、心の中を考察しているのが本書である。

ウチにも娘がいて、まだ女子大生ではないが、もうまもなく何年かすれば本書内の文章を書いている女の子たちと同年代となる、ということもあり、読んでいてとても興味深い本だった。

概して、昔に比べて、女子大生の書くものは「たががはずれた」ようなものが多いとのこと。
それは、出版されている小説などからも伺える事実だろう。
負け犬的なもの、自虐的ネタの小説などが共感を得ていることからも分かる。
小説の中だけでも「きれいごと」を書いていた時代から、それでは現実とあまりにもかけはなれすぎている、ということに気づいて、「だめな私」「サイテーな男、女」などをクールに書いている女子大生は、かなり冷静だし、頭もいいのだろう。

短時間でひとつの作品を書き上げる講義形態のためでもあるだろうが、私小説風、告白小説風のものが多いとのことだが、そうすると、こんな過激なことを考えているのか・・・!と、ややびっくりするような作品も結構多い。
それも驚きだが、作品と普段の学生の様子があまりにもかけ離れていて違和感を感じる、との筆者の言葉も聞き捨てならないなぁと思ってしまった。
また、非常に上手な文章を書く学生に、どんな本を読んでいるのか、とたずねたところ、ほとんど本は読まない、という答えが返ってくることもあるとか。

女子大生の頭の中、分析しようにもなかなか手ごわいものがあるかも・・・。