練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『4 TEEN』 石田衣良

2005-02-24 | 読書
13歳から15歳の3年間だけがオトコはオンナにしばられることなく自由に生きることができる。
その3年以前は母親に、3年以後は彼女にしばられてしまうから。
そんなことを言った作家がいたことをこの本を読んで思い出しました。

中学生である3年間って、特別なんだな・・・。

『東京物語』 奥田英朗

2005-02-23 | 読書
70年代、80年代に青春期、青年期をすごした人たちにとっては懐かしいキーワードの連続。
キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、ベルリンの壁崩壊、VAN、コムデギャルソン・・・。

しかし、そんなフレーズを懐かしんで、「あの頃は・・・」的にセンチメンタル、ノスタルジックな気分に浸っているだけの小説ではない。
ラストのセリフ「青春が終わり、人生は始まる」。
そこに、昔を大切に思い、未来も生きていこう、という前向きな気持ちが込められている、
そんなよい作品でした。

デザート

2005-02-21 | Weblog
銀座三越に入っているGIOTTOというお店のケーキ。
なかなか美味でした。

我が家は洋生ケーキに関しては全く家族の好みが合わない。

主人→生クリームが全くダメ(チョコ味を除く)。濃厚なチョコ系が好き。お酒入りOK。
娘 →ショートケーキ系、モンブラン系が好き。お酒入りはダメ。
筆者→ミルフィーユ、紅茶フレーバーのおいしくてパサパサしていないのが好き。

なので、誕生日にホールのケーキに名前を入れてもらって切り分けて食べる、ということをここ何年間もしていない。
みんなそれぞれ自分の食べたいものを勝手に食べている、という独立心旺盛で協調性ゼロの家族なのです。

『2046』

2005-02-20 | 映画・ドラマ
冒頭、近未来を描いた小説のシーンはまるでリドリー・スコットの『ブレードランナー』のよう。
そしていきなり聞こえてくる、木村拓哉のナレーション、しかも日本語。
妙な違和感を覚えながら映画はすすんでゆく・・・。

現在、過去、現実、虚構の世界、いろいろなシーンが入り混じり、
日本語、広東語、北京語、さまざまなことばが聞こえてくる。
バランスがよいのか悪いのか、独自の世界が描かれているが、
ストーリーは整理してみると、意外と単純である。
さまざまな女遍歴のある物書きが結局1人の人妻との恋愛が忘れられずにそんな自分の姿をナルシスティックに小説に描いてゆく、といったような話。

だが、そんなストーリーよりもなによりも私自身が特に印象に残ったのは、役者の見られていることを非常に意識した演技だった。
演技をしているのかしていないのか分からないほどの自然な演技があるとすれば、
この映画の役者達の演技は全くその逆であると思われる。
観客の視線を意識して、立った時の後姿、指先にまで神経を集中して、ありきたりな言葉でいえば、カッコよくみせようとしている演技、それが本当にサマになっていた。

ベッドに横たわった女性のドレスから剥き出しになった足、
チャン・ツィイーのチャイナドレス姿の腰の突き出し方、
トニー・レオンのタバコをくゆらせる姿、
どれもキザ、といえばキザなのだが、キザさに徹底しているところがよかった。

そんな中で、やっぱりキムタク、浮いていたような気が・・・。
大人の中に子供が混じってしまったような印象。
彼の演技も自然っぽくしているけれど実は充分視線を意識したものであることは自明だが、
なんだか使い方も中途半端でかわいそう。
でも、監督はよほどキムタクを気にいっていたのか、たんなる日本人の客寄せ、と割り切っていたのか、
キスシーンなんかは普通顔と顔が重なっていたら女性の側からカメラを撮るのに、
キムタクばっかり撮っていた。

ちなみに「2046」とは様々な意味がそこにこめられているそうだが、
そのひとつとして、西暦2046年は香港返還から50年(猶予期間が終了する)という、運命の年であるそうだ。

木瓜

2005-02-10 | お花
木瓜の花って、花びらが真ん丸くて5枚ついているあたりが梅の花に似ているけれど、
もっとふっくらとした印象で、コロンとした感じがしてとても可愛いと思います。

この薄紅色の木瓜の花の色もとても素敵。
とても丁寧に作ってある上生菓子みたい。

でも、「綺麗な花にはとげがある」といいますが、
薔薇以上にとがって痛いとげが枝についているのです。
油断するとひどい目に会います。

『トニー滝谷』

2005-02-08 | 映画・ドラマ
ミニシアター系の映画の券をもらった。いろいろ選択肢はあったのだが、ポスターの宮沢りえの表情につられてこの作品にしてみた。
久しぶりにテアトル新宿に行ってみる。

村上春樹原作、なのである。
だから、ファンタジックで悪くいえばよく分からない映画か、と危惧していたけれど、そうでもなかった。
映像にある一定のトーンがあって、しかもカメラアングルとかも普通の人間の目線で撮られた映像が多く、
物語りもすごくもり上がる部分もなく、激しく涙するシーンもなく、とにかく淡々とした映画だった。
映画というよりは物語を映像で読み聞かせてもらっているような感覚だった。

映画全体が進む中で静かなピアノの曲がずっと流れ、
そして抑揚のない調子でストーリーを語り続けていたのが西島秀俊という俳優だった。
彼の出てくる作品は、テレビのドラマに関してはあまりよい印象がないのだが、
映画はすごくよいと思っていた。
本作では映像上は一度も姿を現さず、語りに徹している。
それが意外といえば意外であったが、彼の語りはものすごく心地よかった。
私は彼の声が好きなのかもしれない。

家に帰って原作を読んでみた。すぐに読み終わるような短編である。
ラストが原作とは少し違えてあった。
原作は救いのない結末。それにほんの少しだけ明るい未来を予感させる要素が映画では付け足されていた。

『北の零年』

2005-02-06 | 映画・ドラマ
私は以前、岩井俊二という映画監督の作品が好きでよく観ていたのだが(最近は観ていない)、
その岩井監督の助監督であったという行定勲監督の作品を最近興味を持って観ていた。
(『GO!』、『Jam Films』、『世界の中心で、愛をさけぶ』、『きょうのできごと』)

その行定監督が今度は歴史大作を手がける、ということでどのような仕上がりになっているのか期待して観に行ったのが『北の零年』である。

観終わった率直な感想は、「長い・・・」ということであろうか?

私は個人的には、この監督は、ストーリーがあってないようなお話の中で、
映像の美しさや、ちょっとしたセリフや動きの中にいろいろな思いが込められているような作品づくりが得意なのかも、と思っていたので、史実に基づく長大な作品というのは意外だった。
だからこそ、本作に挑んだのかもしれないが。

しかし、違和感を覚えるようなシーンもなきにしもあらずであったが(群集が等間隔に立っていて、しかもみんな同じ方向を向いているなんて、気持ち悪い)、
はっとするような美しいシーンも随所にちりばめられていて、さすが、と思った。
(ややネタバレ)
古着を裂いて花に見立てるシーンとか、たいまつをひとつひとつ灯してゆくシーンなど、
純粋に美しくてスクリーンに見入ってしまった。

また、ラスト近くのヒロイン(吉永小百合、綺麗)のセリフ、「夢がある限り、生きてゆける」にもグッとくるものがある。

行定監督の今後の活躍を期待したい。

『恋する歌音(カノン) こころに効く恋愛短歌50』 佐藤真由美

2005-02-03 | 読書
昔の人は歌に思いをしたためて恋する人に送り、そのお返事も歌で・・・というたいそう風情のあることをなさっていたようですが、今の携帯メールはそれに匹敵するような行為かもしれない・・・と思います。

ロングメールでいろいろ書くときもあるけれど、短いやりとりの中で語尾の微妙なバリエーションでフクザツな気持ちがかなり正確に伝わってしまったり、なんとなく意味が分からなくて思わせぶりになってしまったり・・・。

それは5・7・5・7・7の短い言葉にいろんな気持ちをこめようとした昔の人の思いと同じかもしれない、とこの本を読んで思いました。

ほのぼのする感じの恋の歌もあるけれど、ほのぼのとしているのは片思いのときまでかも・・・。

 あひみてののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり

椎名林檎

2005-02-01 | ピアノ・音楽
図書館から、「2002年に予約なさったCDが届きました」との連絡があり、
なんのCDだったっけ、と思って借りにいったら、
椎名林檎のアルバムだった。『唄ひ手冥利~其の壱』
そういえば予約していたかも・・・。
タイムカプセルを開けたような気分だ。

カノジョの曲は、私の全く個人的な感想なのだけど、
夜通し仕事をしたか、恋人に会っていたかして、くたびれきった明け方の4時半くらいの雰囲気がする。
このアルバムはカバーアルバムで、クラシック、昭和歌謡(「木綿のハンカチーフ」!)、ソウルミュージックなど様々なジャンルの曲を歌っているのだが、どんな曲でも林檎の歌になっているのがほんとうにすごいと思う。

ゲストミュージシャンとのデュエットも多いのだが、
びっくりしたのは1曲目の男性の声、どこかで聞いたはず・・・と思ったら、
スピッツの草野マサムネだった。
全然雰囲気が違う・・・。
でも、彼の曲もちらっと聞くと爽やか系に聞こえるんだけど、
実はその中に男の情念(ってあるのかな?)がめらめらしていると思っていたので、
案外林檎的世界に合うのかもしれない。