練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『町長選挙』 奥田英朗

2006-09-27 | 読書
精神科医伊良部シリーズの第三弾

相変わらず伊良部のキャラといい、一見デタラメみたいな診察といい、笑わせてくれる~
でもなんといっても面白いのは、ちょっと読めばそれが誰だか分かるようなある有名人が明らかにモデルになっていること。
その1.カリスマ球団オーナー「ナベマン」
その2.カリスマIT社長「アンポンマン」
その3.カリスマアンチエイジング女優「白木カオル」
あの人とあの人とあの人ですよね・・・。
この本出版後その1の人はずいぶん大人しくなっちゃったし、その2の人はもう社長でもなくなってしまったし、その3の人もそろそろ視聴率とれなくなってきたし・・・。

その限界というか、そもそもいかがわしさ、みたいなのを奥田さんはとっくに見抜いていたのかも。
だいたいみんながワーワー大騒ぎするのを見て、私なんかもちょっとひいていた。
多分、大騒ぎしている日本国民のことも白けた目で見ていたんだろうなぁ、奥田さん。

『スーパーマン・リターンズ』

2006-09-26 | 映画・ドラマ
前作を観てはいないんだけど、面白かった!
勧善懲悪、正義の味方、お話は分かっているんだけど、素直に楽しめる。
ケヴィン・スペイシーの悪役もはまっていた。

確か昔のスーパーマンは電話ボックスの中で変身(?)するように記憶していたけど、今やアメリカでも携帯が普及して、電話ボックスの数が激減しているのかな?
エレベーターの中でスーパーマンになっていた。

とても楽しめる娯楽作品だとは思ったが、ひとつ気になったのは冒頭の航空機内のシーン。
エンジン停止状態で急降下してしまうジェット機。
機内はパニック状態。酸素マスクが下りてきて、降下の衝撃で乗客は壁面に身体を激しく打ち付けられる・・・。
これでは否応なしに911の記憶を呼び起こしてしまうのではないか・・・。

あの御巣鷹山の日航機の事故ですら、今でも思い出すだけで血の気がひいてしまうというのに。

でも、間一髪というところでジェット機の墜落を阻止してくれるスーパーマン。
そんなヒーローはいるはずはないけれど、どんな状況でも正義は勝つ!という米国民の確固たる信念みたいなものがこの映画には現れているのかもしれないなぁ、と思った。

レッスン記録(9/23の分)

2006-09-25 | ピアノ・音楽
毎週レッスンしていただけることになった・・・!と喜んでいたのに、なんだかんだと忙しくて結局3週間ぶりのレッスンになってしまった

『テクニック』
4・5・4・5・4・5(指番号)と繰り返すのはやはりすごく弾きにくい。
スタッカートは家で弾いているときよりもかなり速いスピードで弾くようにお稽古したが、なんとかクリア。
でも、ものすごく集中して弾かないと、どこを弾いているのか分からなくなりそう。
要するに、頭がついて行かないのだ。これはどんな楽譜を弾いているときでも私の場合は一緒のこと。
つまり、楽譜を見る→鍵盤のどこに対応するか考える→弾く、という作業をいちいち頭の中で行っているからスピードアップするとついていけなくなるのだ。
だから暗譜も苦手なんだと思う・・・

『30番練習曲  10番』 ツェルニー
なんとか○
左手と右手を連携させて弾く練習。まるでひとつの手で弾いているように聞こえるように弾かなくてはいけない。
打鍵した後、すぐに指を鍵盤から離してしまってスタッカートのように弾くのではなく、打鍵した状態のまま脱力して音と音をなめらかにつなげるのがコツ。
これも音があちこち飛ぶので、いちいち楽譜を見て弾いているとスピードを上げようとしたときに限界を感じてしまう。
ちゃんと暗譜しないとある程度以上のスピードでは弾けない、と実感。

『ピアノ・ソナタ20番 第二楽章』  ベートーヴェン
苦手だった左手の部分は大分弾けるようになってきたが、あと一歩といったところ。
次回までにもう少しスピードアップして、暗譜までしてくるのが課題。

秋の花

2006-09-21 | お花
ベランダにまたポツポツと花が咲き始めました。
これは百日草(ジニア)だと思います。
思います・・・と確証がないのは、もらいものの苗だから・・・。
花の直径が2cmくらいの小さなものです。
大きなジニアは豪華な感じがしますが、これは少し野草っぽい雰囲気です。

『港町食堂』 奥田英朗

2006-09-17 | 読書
作家先生の書く紀行ものを読んでいると、案外出不精の私でも旅行したくなってくる。
しかも食べ歩きの旅行紀だったりすると、さすが豪勢なものを食べてらっしゃるので、食い意地のはっている私はもうたまらない。

『港町食堂』というだけあって、旅先は港町。
しかもすべて船旅で現地には船で上陸、という制限付きの旅行紀。
ついた先が港町ということは美味しい海産物が出版社のお金で食べ放題・・・。

いいなぁ・・・・。
お寿司が食べたくなってきました

『魔王』 伊坂幸太郎

2006-09-13 | 読書
これまで読んできた伊坂作品とはちょっと違う・・・。
なんとも重々しいというか、不吉さすら感じさせる雰囲気。

これは現代社会、日本という国の現状に与える警鐘のよう。

『魔王』とはあのシューベルトの魔王に他ならない。
夜の森を息子と共に馬に乗り走る父。
「お父さん、魔王が追いかけてくるよ。怖い、怖いよ」
と訴える息子に「大丈夫、魔王なんていやしないから」と言い聞かせながら馬を走らせる。
「お父さん、魔王が、もうそこまで・・・」
家にたどり着いてみると事切れている息子。

この小説の中ではなにが魔王なのか?
圧倒的な存在感で国民の心をわしづかみにしてしまった政治家。
政治、国政などよく分かりもしないで彼の信奉者となってゆく若者たち。
個々では動きはしないのに、集団になると暴挙に出て、店に火を放つ事すらしでかしてしまう人間の危うさ、恐ろしさ。

そして不思議な力を持ってしまった兄、そして彼の死後残された弟。

憲法9条、国民投票、そんな時事問題も踏まえて書かれているこの小説は、どうも楽しんで読む、というよりは考えて読む、ということを作家が読者に求めているような気がしてならない。

今、大丈夫なのか、そしてこれからも果たして大丈夫なのか?日本という国は。

トマトの・・・

2006-09-12 | Weblog
冷製パスタ・・・のようだけど、そうめんです。
今年は案外そうめんを食べる事が少なくて、袋を開けてしまったのに食べ残したそうめんがたくさんあって、いまさら氷水に冷やして、という気分でもないので、こんな風に作ってみました。
パスタのレシピによるとにんにくのすりおろしを入れるようですが、食べたあと、出かける予定があったのでにんにくはパスしてだしの素をいれてあります。
それから最後にしょうゆを少したらして和風にしあげてみました。

『夏の庭』 湯本香樹実

2006-09-11 | 読書
いかにも「ずっこけ3人組」といった雰囲気の小学六年生男子3人。
近所の廃墟のようなボロ屋に住むよぼよぼのおじいさんが気になってしかたない。
そのおじいさんが「死ぬまで」を観察しよう、と好奇心丸出しで始まった監視ごっこ。
まだ「死ぬ」とかいうことの本当の意味も知らないし、自分達とはまったく別世界のことととしか思えない。

やがてそのおじいさんとの交流が始まり・・・。

おじいさんにいろんなことを聞いたり教えてもらったり、でもおじいさんはお説教したり、押し付けがましいことをしたりするわけでもない。
一緒にいることで少年達は様々なことを自然と吸収してゆくのだ。
昔は家にはおじいさんとかおばあさんとか普通にいたものだけど、今はわざわざ会いにいかないとそんなお年寄りと接する機会も少ない。
毎日家にいたらそれはそれで鬱陶しいものだったりするので、近所の正体不明のおじいさんという設定がこの話ではよかったんだろう。

そして毎日会って話していた人が死んでいなくなってしまう、ということの衝撃。
離れて住んでいる親戚が亡くなるのとは訳が違う。
まだまだ長い長い人生があって前途洋洋とした少年達にとっては人は死ぬもの、という当たり前の事実は重過ぎるかもしれない。
でも、その重大さを知って成長するのと、知らずにただ大きくなってゆくのとでは、全く違う人生を歩んでゆくことになるのだろう、と思った。

娘に薦められて読んだ本でしたが、なかなか面白かったと思います。

『ミーナの行進』 小川洋子

2006-09-06 | 読書
これは大人のための絵本なんだなぁ、と思った。
ミーナという女の子が住む芦屋のお屋敷。そこにやってくるもうひとりの女の子、朋子。
このふたりとそれを取り囲む人たち。
みんなで過ごす短いけど忘れられないとき。

一気に読んでしまうというよりは少しずつ大事に大事に読んでゆきたいような雰囲気のお話だった。

それから、お話のそこここに現れる今は大人の人が子供のころにあったいろいろなできごと。
川端康成の自殺、ミュンヘンオリンピック、ジャコビニ彗星!!!
『三丁目の夕日』ではないけれど、こういうエピソードがちょいちょいと出てくるとやっぱり「おおっ」と思ってしまう。

それから、これが「絵本」だと思ったもうひとつの理由。
それは、挿絵が素敵。
全部カラーのなんともいえずいい雰囲気の素敵な絵がたくさん。
私はこの挿絵も楽しみで読み進めていた。

大人のための絵本、とは思ったけれど、子ども達にも読んで欲しい。

『虚無のオペラ』 小池真理子

2006-09-05 | 読書
何冊か読んでみたんだけど・・・
小池真理子さんは私にはやっぱり合わないみたいなんです・・・

いろいろ書いてしまうと小池さんファンの方に怒られそうなので、簡単に言うと、私がこの方の小説が苦手なのは、あまりにもバランスがよすぎるからだと思うんです。
小池ワールドはあんまりにも完結していて何もビックリするようなことが起こらない、最後はこうなるだろうなぁ・・・と予測したとおりに必ず終わってしまい、ある意味安心なお話なんだと思います。
これではなにもわざわざ読む必要ないかなぁ・・・なんて。

私はアンバランスなものが大好き。
つり橋をわたっていてついフラッと崖下に自ら落ちていってしまうような雰囲気、人間だったら何考えているのか分からないような人とか、意思を貫きとおせなくてあ~今日もダメだった~って言って全然成長しない人とかが出てくる話が好き。

この本は(文庫)本編よりも、高樹のぶ子さんの書くあとがきの方がよかったと思います。
今度は高樹さんの作品を読んでみます。