練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『風に舞いあがるビニールシート』 森絵都

2007-05-26 | 読書
6編からなる短編集なのだが、どれも全く違う設定でおもしろかった。
巻末に参考文献が掲載されているが、仏像修復の話と国連の難民救済の話は特にリサーチを重ねた上で書かれたものらしく、よみごたえもあった。
この2編だけでなく、他の作品もなかなか専門的な内容もあって、ただストーリーが面白いだけでなく、知らなかったことを教えてくれるような知識欲を満たしてくれる部分もあり、楽しかった。

私は特に、社会人入試で大学生になって、古典文学でレポートを書かなければいけないのに時間がなくて、伝説の留年社会人学生に代筆を頼みに行く・・・『守護神』と
新人類(って死語?)かと思われた取引先の若い社員とロングドライブしなくてはいけない羽目になったややおじさん社員・・・『ジェネレーションX』が面白かった。

で、でも・・・・
まったく個人的なつぶやきなんだけど、
最近、こういう、トラブル続きの割と親しめるシチュエーション→で、ラストは前向き、という設定の短編集が多すぎのような気が・・・
はっきり言ってそれぞれの違いが私には分からない・・・。
ごめんなさい、森さん。
たぶん、これをその一連の短編集の最初に読んでいたらきっと、
「すごくよかった!おすすめ!」くらいのことを言っていたと思うんだけど、
いかんせん、いろいろ読んだ後にこれを読んでしまったので、どうも印象が希薄になってしまって・・・。
いい作品だとは思うんですけど、どうなんでしょう、他に読んだ方はどう思うかな?