練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『メゾン・ド・ヒミコ』

2005-11-30 | 映画・ドラマ
犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』を以前見て、とても感動したので、監督:犬童、脚本:渡辺あやという同じスタッフでのこの作品をかなり期待して観に行った。
ちょっと期待しすぎたせいか、ストーリーの中のエピソードが多すぎてやや散漫な感じを受けたせいか、どうも話しにイマイチ入り込めなかった感があるが、観終わったあとでほのぼのとした気持ちになる映画ではあった。

年老いたおかまバーのママが建てたゲイのための老人ホーム、そんな設定だけでもなんだか面白そう。

『ジョゼ・・・』の時に犬童監督のインタビューを読んで、この人はある伝えたい確固たるテーマを持って映画を作っている人なんだなぁ、と思った。
この作品ではいったい何を伝えたかったのだろう、と考えてみた。
まぁ、ゲイの老後の不安とかそういうことではないだろうなぁとは思うし、私の考えが正しいのかどうかも分からないけれど、私自身が観終って強く感じたのは、「落ち着ける場所を見つけることの困難さ、そしてその場所を見つけたことによって訪れる幸せ」みたいなものだ。

みんな人それぞれ、自分がどこにいて、どんな風に生きてゆくのが一番自然で落ち着くのかが分かっているようで分かっていない。間違えたり、勘違いしたり、自分の意思を無視されたり、あっちにいったりこっちにいったり、迷って迷って自分の場所を見つけてゆく。でもそれを見つけることができる人もいれば、不幸にも見つけられない人もいる。
幸いにして、自分のいるべき場所を見つけられた人は、心の底から微笑むことができて、やわらかな優しい気持ちになれるのでは・・・。
そんなことを思いながら、私はこの映画のことを思い返していた。

ところで、この映画の一番素晴らしかったところはキャスティングなんじゃないかな、と思う。
オダギリジョーはおねえ言葉も使っていないし、腰をくねらせているわけでもないけれど、見れば見るほどゲイに見えてくる。しかも顔立ちははっきり言って整っているとは言えないと私は思うけれど、なんだかすごく美しく見える。
柴崎コウはしかめっつらの不機嫌なぶさいくな女の子っていう感じがすごくよく出ている。
そして、西島秀俊は女ったらしのやな感じのボンボン役がはまっている。しかもナニゲにセクシー。

それからゲイのおじいさん(おばあさん?)たちがお彼岸のときにみんなで合唱して、エンドロールのときにも流れるドボルザークの「母が教え賜いし歌」。これは私が大好きな曲なのでそれだけでもポイントゲットなのだが、とてもいい具合に耳に入ってくる。変な使い方をしていたら、違和感を感じると思うのだが、絶妙の選曲とタイミングだからこそ、いいなぁと感じるのだと思う。

レッスン記録

2005-11-29 | ピアノ・音楽
発表会での大人のコーナーはもう決定事項かと思っていたらそうでもなくて、みんないまいち二の足を踏んでいるみたいで、「今度どうするかみなさんで相談がてら飲みに行きましょう」と先生から提案がありました。私はわりとやる気まんまんに近かったのですが、冷静に考えるとやっぱり先生の負担も増えるし、だいたい人前で満足に演奏できるのかと聞かれたらそんなに自信はないのです。とにかく、会議という大儀名分のもとの飲み会が楽しみ??

『テクニック』
左手の3,4,5の指をよく使うパターンだったので、非常に疲れてしまい、左手がつるかと思いました。ミスタッチも多く、指令が左手に届いていない感じです。
ちょっと忙しくてこれの練習をさぼりがちだったことが影響しているというのもあると思います。

『ツェルニー30番 5番』
前回、右手の注意点を指導していただいたので、それを意識して練習してきたのはよいのですが、今度は左手がうまく弾けていないのです。
三連符を弾く時、円を描くように、というイメージはよいようですが、その円が大きすぎるようで、あまり手首を振らないように、と注意していただきました。手首が下がらないように気を付けて指をあまり大きく動かさず小さい円をイメージして小さい粒をみっつ意識して弾く、とのこと。
それから小指の音がどうしても残ってしまうので、次の音を弾くと同時に小指をちゃんと上げることに意識を集中させて練習することが大事だそうです。

『プレリュード 4番』 ショパン
前よりは思い通りに弾けるようになってきましたが、やはり中間部の和音がきちんと押さえられないのでどうしてもそこで流れが止まってしまいます。一気に弾かなければいけないところなのに・・・。
左手の部分練習をもっとこなしてからだに覚え込ませるくらい弾きこまないとダメそうです。

『プレリュード 6番』 ショパン
楽譜をきちんと読めていない部分が発覚!メロディも内声も全部同じようにジャンジャンと弾いていたので、メロディが聞こえるように、それ以外の部分は小さく押さえて弾くように、とのこと。楽譜ちゃんと見れば分かったことなのに・・・。

『ALWAYS 三丁目の夕日』

2005-11-28 | 映画・ドラマ
いいお話だったなぁ、と単純に思いました。
子どもは国の宝で、大人はみんなで真心を持って子どもを可愛がって育てるものだし、子どもは大人にありがとう、っていう気持ちを持って育ってゆくものだっていう当たり前のことを観終わってしみじみ感じました。

それだけではなく、昭和30年代の東京の風景、思い出すだけでも涙が出てきそうな懐かしいアイテムなど、見どころはいろいろあります。
私は昭和40年代生まれなのでちょっとずれてはいますが、それでも「あ~、あんなのあった、あった」と子どもの頃に思考がワープしそうな数々の小道具が出てきます。

特に印象に残ったのは氷屋さんが配達してくれる大きな氷を上部の棚に入れておくような造りになっていた電気冷蔵庫の前身みたいな箱。
あれ、ウチの母屋にもあったなぁ。
でも、三種の神技と言われるもののひとつ、冷蔵庫がやってきて、ゴミ置き場にうち捨てられるその冷蔵箱。それをじっと見つめる氷屋さんの姿。
そのシーンはやけに印象に残りました。

そんなレトロなアイテム、それに50年前の町の風景、それらを観ていてもなんの違和感も感じないほどのCG効果がすごい!ちょっと前に観た『ス○イ・ゾルゲ』なんかは観ていて「あ~、いかにも作り物」という感じがしたけれども、それから2~3年しか経っていないのに、技術は進歩しているんだなぁ、とやたら感心しながら観ていました。
最先端のデジタル技術を駆使して作り上げたアナログの世界を観る、というちょっと不思議な感覚。

子役の演技も冴えていましたが、準主役の少年、テレビのドラマでもよく見る顔です。田舎っぽい純朴な男の子という雰囲気がよく出ていてよかったです。
ただ、すご~く不思議なのは、この子、6年前くらいのテレビドラマで見たときに可愛いなぁ、と思い、去年くらいもなにかのドラマで見て相変わらず可愛いなぁと感じ、今年になってこの映画で観て、またまた可愛い・・・というのは変わらないのですが、全然成長していないような気がするのです。確か6年前に見たとき、ウチの娘と同い年くらいと思っていたのに、今回見たらどう見ても娘よりは年下にしか見えない・・・。
もしかして彼は永遠に年をとらない実在のクレヨンしんちゃんなのか?

遊歩道

2005-11-24 | Weblog
紅葉シリーズ

我が家の近所には車両の入ってこない遊歩道がたくさんあります。
そんな遊歩道の紅葉もいまが見ごろです。

『ブルーもしくはブルー』 山本文緒

2005-11-20 | 読書
やっぱ恐い~。山本さんの本は。
前にも恐いとか書いたので勘違いされるといけないのですが、
誰かの死体がころがっていたり、血しぶきがあがったりとか、
そういう怖さではないのです。
なんか認めたくなくてみないふりをしていたことを否応なしに目の前につきつけられて、いい加減にしろ!と最後通牒をつきつけられているような怖さ。

そう思っていたら、解説のところにも「こっ、この小説は怖い!」とか書いてあったので、やっぱり~、と妙に確信を持ってしまいました。

でも、自分の人生が過去のある時点で摩り替わっていたら、そのもうひとつの人生を体験できるなら、というのはきっと誰でも考えることかもしれないなぁ、なんて思ってしまいました。
山本さんにしてはめずらしくちょっとSFチックなところがあるこの話、面白かったです。

紅葉

2005-11-18 | Weblog
高尾山の紅葉が今みごろだそうです。
あ~、行きたいなぁ。

これは近所の野球場の紅葉です。
桜の季節の同じアングルの写真がメインのサイトのどこかに隠れています

レッスン記録

2005-11-16 | ピアノ・音楽
私もはまっているのだが、先生がドラマの『大奥』にはまっているそうで、その中に出てくる徳川綱吉の側近の柳沢吉保という人物がなんと先生のご先祖さまなのだそうだ。
そんなすごい人がご先祖さまだなんてすご~い、と思ったけど、この人は赤穂浪士の処罰を下した人でもあるらしく、そういう意味では赤穂浪士ファンからは悪者扱いされていたりもして・・・とかいう話をしていたら、またあっと言う間に40分くらい経ってしまった。

『テクニック』
黒鍵を弾くときと白鍵を弾くときで手があっちにいったりこっちにいったりしてしまうので、黒鍵の位置をベースにややいつもより上の部分を弾くようにするとよいらしい。
でも、そうするとてこの原理でより力を入れて打鍵しないといけないので、とっても疲れる。

『ツェルニー30番 5番』
右手のスタッカートは指を上から落として打鍵の瞬間に力を抜くように、ただし力を抜いてから鍵盤のそばに指をキープする。そうすればミスタッチも少なくなる、とのこと。
全体的に左手の三連符で円をイメージして弾く。

『プレリュード 4番』 ショパン
左手は小さく音をそろえる状態をキープして弾くのが基本だけど、中間部、最初のメロディに戻る直前は左の和音の変化するさまも聞かせどころなので、左もやや大きめに盛り上がる感じで弾く。
その次、一番激しく盛り上がる部分はフォルテで一気に走りぬけるように弾ききらないと感じが出ない。それなのに、左手の音が全く安定していなくて、鍵盤上で弾く部分を探してしまっている。
左手だけの練習をその部分だけ取り出してもっと集中して行わないとなかなか弾けそうにない。その際、和音を弾く時に4の指を無意識に避けて、無理して3の指で弾こうとしていたのもよくなかったようなので、訓練だとおもって4の指を使って弾いてみましょう、と先生にご指摘いただいた。

『プレリュード 6番』 ショパン
曲を弾く時間がなくなってしまったので、ポイントだけ教えていただく。
右手の小指の音をはっきり出してゆくのが大事。指上げで訓練している時のように小指を上にあげて落とすようにして弾く状態を曲の中で終始キープするとのこと。

銀杏

2005-11-15 | Weblog
近所の銀杏が綺麗です。

黄色く輝く銀杏並木をドライブするのは大好きですが、
ぎんなんの実は大の苦手です

去年も同じこと書いたような気がしますが・・・。

『深紅』  野沢尚

2005-11-13 | 読書
作品自体は2000年に出版されているのでやや昔のものであるが、文庫の帯に「野沢尚脚本で映画化」と書いてあるので、脚本としてはもしかしたら遺作なのか?

実際、小説として読むと、大きな賞を受賞した作品であるにもかかわらず、それ以降の野沢作品に比べるとあまり面白みをかんじることはない。賞の選考の際に「前半に比べて後半が弱い」という批判がかなりあったそうだが、全くその通りだと思った。
伏線、謎などもあまり劇的な展開には発展しない。

ただ野沢作品は映像化されると全く感動の度合いが違ってきて、原作を120%生かして余りあるという場合が多いので、(多分)最後の脚本作品を観てみたい、どんな作品に仕上がっているのか観てみたいとは思った。

主人公の2人の少女は内山理名、水川あさみが演じるらしい。
おそらく、ひとり生き残った被害者家族の娘、のほうを内山理名ちゃんが演じるのだと思うが、彼女はすごく綺麗で演技もまあまあなんだけど、なんかちょっと暗いなぁ、と思っていたので、この役にぴったりかも。

『きよしこ』 重松清

2005-11-07 | 読書
「きよしこ」はきよしという吃音(どもり)の激しい少年の心の中に現れた「友達」である。でもきよしこは少年が辛い思いをしている時にいつも現れてくれるわけではない。それどころかこの物語の中では始めのほうにちょろっと出てきて、それっきり全く姿を現さない。2度目に現れるのは少年がもうその少年期を終えようとしている時、青年になるまで成長した時である。

重松清の作品はもちろんとってもヒューマンで優しさに満ちているけれど、読んでいてそれと同時に現実問題として存在する辛い気持ちに面と向かって対峙させられているような気持ちになる。
安易に救いを差し出さないような厳しさが感じられるのだ。
物語を読んでいて、「辛い場面が多くてもきっと最後はハッピーエンドだろう」なんて甘い期待をして読んでいる読者を一喝するような強さがあると思う。
間違いは間違い、ダメなものはダメ、という毅然とした雰囲気がある。

でも、読み終わったあとに辛い気持ちだけが残るわけではなく、むしろ何事もすべて自分の責任、自分が自分の人生を決めてゆかなければいけないんだ、という強い気持ちにさせてくれる。

きよしこが現れるのを待ちわびている少年がいるのに、きよしこは決して姿を現さない。少年は自分の力で成長してゆかないといけないのだ。そして本当にひとりで生きてゆける決心とそれに見合う強さを身に付けたとき、きよしこは再び現れる。実はずっとそばで見守っていたんだよ、と。