犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』を以前見て、とても感動したので、監督:犬童、脚本:渡辺あやという同じスタッフでのこの作品をかなり期待して観に行った。
ちょっと期待しすぎたせいか、ストーリーの中のエピソードが多すぎてやや散漫な感じを受けたせいか、どうも話しにイマイチ入り込めなかった感があるが、観終わったあとでほのぼのとした気持ちになる映画ではあった。
年老いたおかまバーのママが建てたゲイのための老人ホーム、そんな設定だけでもなんだか面白そう。
『ジョゼ・・・』の時に犬童監督のインタビューを読んで、この人はある伝えたい確固たるテーマを持って映画を作っている人なんだなぁ、と思った。
この作品ではいったい何を伝えたかったのだろう、と考えてみた。
まぁ、ゲイの老後の不安とかそういうことではないだろうなぁとは思うし、私の考えが正しいのかどうかも分からないけれど、私自身が観終って強く感じたのは、「落ち着ける場所を見つけることの困難さ、そしてその場所を見つけたことによって訪れる幸せ」みたいなものだ。
みんな人それぞれ、自分がどこにいて、どんな風に生きてゆくのが一番自然で落ち着くのかが分かっているようで分かっていない。間違えたり、勘違いしたり、自分の意思を無視されたり、あっちにいったりこっちにいったり、迷って迷って自分の場所を見つけてゆく。でもそれを見つけることができる人もいれば、不幸にも見つけられない人もいる。
幸いにして、自分のいるべき場所を見つけられた人は、心の底から微笑むことができて、やわらかな優しい気持ちになれるのでは・・・。
そんなことを思いながら、私はこの映画のことを思い返していた。
ところで、この映画の一番素晴らしかったところはキャスティングなんじゃないかな、と思う。
オダギリジョーはおねえ言葉も使っていないし、腰をくねらせているわけでもないけれど、見れば見るほどゲイに見えてくる。しかも顔立ちははっきり言って整っているとは言えないと私は思うけれど、なんだかすごく美しく見える。
柴崎コウはしかめっつらの不機嫌なぶさいくな女の子っていう感じがすごくよく出ている。
そして、西島秀俊は女ったらしのやな感じのボンボン役がはまっている。しかもナニゲにセクシー。
それからゲイのおじいさん(おばあさん?)たちがお彼岸のときにみんなで合唱して、エンドロールのときにも流れるドボルザークの「母が教え賜いし歌」。これは私が大好きな曲なのでそれだけでもポイントゲットなのだが、とてもいい具合に耳に入ってくる。変な使い方をしていたら、違和感を感じると思うのだが、絶妙の選曲とタイミングだからこそ、いいなぁと感じるのだと思う。
ちょっと期待しすぎたせいか、ストーリーの中のエピソードが多すぎてやや散漫な感じを受けたせいか、どうも話しにイマイチ入り込めなかった感があるが、観終わったあとでほのぼのとした気持ちになる映画ではあった。
年老いたおかまバーのママが建てたゲイのための老人ホーム、そんな設定だけでもなんだか面白そう。
『ジョゼ・・・』の時に犬童監督のインタビューを読んで、この人はある伝えたい確固たるテーマを持って映画を作っている人なんだなぁ、と思った。
この作品ではいったい何を伝えたかったのだろう、と考えてみた。
まぁ、ゲイの老後の不安とかそういうことではないだろうなぁとは思うし、私の考えが正しいのかどうかも分からないけれど、私自身が観終って強く感じたのは、「落ち着ける場所を見つけることの困難さ、そしてその場所を見つけたことによって訪れる幸せ」みたいなものだ。
みんな人それぞれ、自分がどこにいて、どんな風に生きてゆくのが一番自然で落ち着くのかが分かっているようで分かっていない。間違えたり、勘違いしたり、自分の意思を無視されたり、あっちにいったりこっちにいったり、迷って迷って自分の場所を見つけてゆく。でもそれを見つけることができる人もいれば、不幸にも見つけられない人もいる。
幸いにして、自分のいるべき場所を見つけられた人は、心の底から微笑むことができて、やわらかな優しい気持ちになれるのでは・・・。
そんなことを思いながら、私はこの映画のことを思い返していた。
ところで、この映画の一番素晴らしかったところはキャスティングなんじゃないかな、と思う。
オダギリジョーはおねえ言葉も使っていないし、腰をくねらせているわけでもないけれど、見れば見るほどゲイに見えてくる。しかも顔立ちははっきり言って整っているとは言えないと私は思うけれど、なんだかすごく美しく見える。
柴崎コウはしかめっつらの不機嫌なぶさいくな女の子っていう感じがすごくよく出ている。
そして、西島秀俊は女ったらしのやな感じのボンボン役がはまっている。しかもナニゲにセクシー。
それからゲイのおじいさん(おばあさん?)たちがお彼岸のときにみんなで合唱して、エンドロールのときにも流れるドボルザークの「母が教え賜いし歌」。これは私が大好きな曲なのでそれだけでもポイントゲットなのだが、とてもいい具合に耳に入ってくる。変な使い方をしていたら、違和感を感じると思うのだが、絶妙の選曲とタイミングだからこそ、いいなぁと感じるのだと思う。