練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『世界の中心で、愛をさけぶ』 TAMA CINEMA FORUM その3

2004-11-30 | 映画・ドラマ
ドラマを観て、原作を読んで、そして映画を観てきました。

個人的には、この映画版がいちばん好き。

観終わってまず感じたのは、これはすべてサクの中にあるアキとの美しい思い出のイメージである、ということ。
それはラスト、オーストラリアでアキの遺骨を蒔く、というところまですべてサクの頭の中の世界で成り立っている映画なのではないか、ということ。
アキを失ってしまって何年も経った今でもその存在を忘れることができず、
ある日最後のテープが手元に舞い込んできて、それを聞くうちにアキと過ごした日々、そしてこれから自分が進むべき道が脳裏に浮かんできた、そんなイメージを映像化したのがこの作品なのだと思いました。
だからあくまでも美しく物語はすすんで行きます。

廃墟で過ごした夏休み、真っ白いドレスを着たアキの姿、
そのどれもがあまりにも美しく、そしてあまりにも哀しいのです。
そのしあわせが長くは続かない、と分かっているから。

以前、ドラマを観ても泣けなかった、と拙ブログで書きましたが、
練習オタクの日々:2004年10月11日
この映画を観て、私は不覚にも涙を流していました。

きっとこのサクの描いた頭の中の世界に私自身がす~~と入り込んでいたからなのでしょう。

ピアノの曲もとてもよかった。

森山未来くんの演技にも大注目!!

和音の意味

2004-11-29 | ピアノ・音楽
この前、N響アワーを見ていたら、池辺先生がいろんなお話の中で、和音についてお話なさっていて、すごくお勉強になりましたので、覚書のつもりで書いておきます。

たとえばド・ミ・ソという基本の和音があって、
低音のドはべースとなる音、
高音のソはメロディ・ラインを作る音、
では、真ん中の音はどんな役割があるのかというと、
全体のコードを決定する重要な音、
なのだそうです。

つまり真ん中の音がミであれば長調の和音になるし、
真ん中の音がミ♭になれば短調の和音になる、ということ。
なので、このドとソにはさまれた真ん中のミは非常に重要な役割を果たしている、
とかいうお話でした。

音楽をよくご存知の方にすれば当たり前のことかもしれませんが、
これを聞いて私は目からうろこが落ちたようでした。
いつもピアノの先生が「楽譜の中で大事じゃない音符なんてひとつもない」
とおっしゃっていますが、その意味もさらによく分かったような気がしました。

このお話、もともとは低音はコントラバス、高音はヴァイオリン、
それに挟まれたビオラはあんまり存在感がないけれど、
とっても重要なパートだ、ということを言いたかったときに出たお話でした。

こういう、目立たないけど、実は大事、みたいなのって、
かっこいいなぁ~~。

レッスン記録(11/26の分)

2004-11-28 | ピアノ・音楽
先生は私のほかにも最近大人の生徒さんを教えていらっしゃるようですが、その中のおひとり(小学生のお子さんを持つおとうさん)が今度お知り合いの方の結婚式でピアノを弾き語りなさるそうなのです。
その方は先生のところでピアノを習うまで、ピアノに触ったことすらなかった、というどこかのドラマにでも出てきそうなお話。
それがまじめにお稽古を続けた結果、なんとか本番までに曲が完成しそうとのこと。素敵なお話です。
今度大人の生徒さんを集めてサロンコンサートなどできたら・・・というお話で盛り上がりましたが、是非実現して欲しい!!
私は人前でピアノを演奏したことは皆無ですが、きっとものすごく緊張するでしょうけれども、
ますます練習に力が入りそうですし、うまく弾くことができたら、
う~~ん・・・想像もできないけれど気持ちいいんでしょうね・・・。

『テクニック』
いつも指上げだけは褒められます・・・。
「きっと大きなホール(前日に娘が演奏したような)で弾いても音が通ると思いますよ」
とおっしゃってくださいますが、一生そんなことはないと思います。
そう考えると、娘がうらやましい~~。

『森でのめざめ』ブルグミュラー
チェルニーのレッスンを私も取り入れて欲しいということを先生にお話しましたところ、
このブルグミュラーの教本がチェルニーの要素も含んでいるので、
とりあえずこちらでレッスンをすすめて様子を見る、ということになりました。

オクターブ離れた音をスタッカートで延々と弾いてゆくので力んでいたら絶対最後までもちません。
力を抜いて音を出してゆく練習が必要です。
和音がまだ安定していないので、片手づつ確実に弾く練習をしてゆくようにとのことです。

この後、
40歳を前にいろいろ悩む主婦=私
40歳をすぎてとっても充実している女性=先生
の構図で人生相談みたいになってしまい、
またまた延々話しこんでしまい『春の歌』のレッスンは省略。
最近、話が弾んで弾んで・・・。

音楽発表会

2004-11-26 | ピアノ・音楽
娘の通っている市内小学校全校による音楽発表会が催されました。

娘は2曲目のピアノ伴奏担当です。

昨日までは私自身、「あ~楽しみ。」くらいの余裕の心境で娘だけが緊張していたのですが、
当日、会場に入るころからなぜか動悸が・・・。

私が緊張しても仕方ないのになぜか体が震えるほどドキドキしてきてしまった・・・。

いつものように落ち着いて弾けるか、途中で止まったりしないか、
ちがうペダルを踏んでしまわないか、考え出すといろいろな心配事が頭のなかに沸きあがっていてしまいます。

そして演奏開始。
1曲目は歌とリコーダー。
他のおともだちと同じ事をするのは安心して見ていられます。

いよいよ2曲目。
ピアノの前に移動して・・・
あれ?楽譜を自分のものに取り替えるはずなのに、そのまま・・・。
暗譜で弾くことにしたのかな?

明るく、明るく、と先生に指導されていたイントロ、歯切れよく弾けました。
歌の間も安定したテンポで楽しく演奏できていました。
エンディングでいつもミスるというジンクスも今回ははねのけ、
親の欲目、に決まってますけど、
よ~~し、完璧!!
あ~、よかった~~。

後で聞いてみると、やっぱり楽譜を取り替えるのを忘れていることに弾き始めてから気がつき、
実はパニックに陥っていたとか。
とてもそうとは思えない、落ち着いた演奏。
子どもってすごいなぁ、とつくづく思った1日でありました。

そういえば、
「ホールのピアノ、すんごい弾きやすかった~~」
と言っていましたが、
そりゃそうでしょう、あんなにでっかいスタインウェイだもん・・・。


『プリズンホテル』 4・春  浅田次郎

2004-11-24 | 読書
義理と人情、とかいうと引いてしまいます。それともなければ、ちょっとうそ臭くて、やっぱり引くかどっちか。

でも、浅田文学はまぎれもない義理と人情の世界。
そして、必ずと言っていいほど最後にホロッとさせられるのです。

どうしてこうも素直に入り込めるのか???

きっと全然読者に対して押し付けがましくないし、
出てくる人出てくる人、みんなどうしようもないダメな人間ばかりで、
人の情けに深いだけでなく、裏で全く正反対の事考えていたり、
ずるかったり、情けなかったり、
それでも人に優しくしたい、と思っていたり、優しくされたいと素直に思っていたり、
そんな相反するニンゲンの中身を理解しつつ、こうあればよい、という理想の姿がその中には描かれているからなんでしょう・・・と私は思うのです。

でも、あの『鉄道員』『壬生義士伝』を書いたのと同じ人がほんとに書いたの?
と思えるほど、いろんな面があるんですね、浅田さん。

『69』 SIXTY NINE  TAMA CINEMA FORUM その2

2004-11-22 | 映画・ドラマ
面白かったですよ。みんな笑ってたし、高校生男子ってはちゃめちゃで、破廉恥でお下品で、哲学もたまにはしてて、という雰囲気、すごくよかった。

でも・・・。
どうしてあえてあの原作なの???と思うのは考えすぎでしょうか?

もう今では学生運動なんてみたこともない、
バリケード封鎖、なにそれ??

村上龍原作、と思って見るから疑問が残るのか?
単なるアナクロな、田舎のなまりバリバリの高校生の青春ストーリーと思って見れば楽しいのか?

きっと妻夫木クン、安藤クンを最大限かっこよく映せる素材だと思って取り上げたんでしょうね~。
確かにかっこよかった。

私がもっと若くてなんにも知らない高校生だったらもっと純粋に楽しめたんだろ~な~。
しかし、おばさんになってしまった今となってはいろいろと考えすぎてしまうのだ・・・。

『レディ・ジョーカー』 TAMA CINEMA FORUM その1

2004-11-21 | 映画・ドラマ
近所の映画祭に行ってきました。

高村薫さん原作の『レディ・ジョーカー』。
映画化は不可能と言われていた作品がついに・・・。
公開は12月11日。一足お先に観てまいりました。それだけでも得した気分。

原作は読んでいません。
でも、その虚脱感、現代の脱力感、ペシミスティックな雰囲気、
最後にはひとすじの希望の光がさすような坦々としたムード。
きっと原作の雰囲気をうまく伝えているのでは・・・。
絶対に原作も読んでみたい、そんな映画です。

しかし、貧しいくたびれた老人を演じるには・・・
う~ん、渋すぎる、渡哲也さん。

本編上映後、平山秀幸監督、徳重聡くん、映画評論家の北川れいこさんによるトークショーがありました。
そのなかでの監督のお話で印象に残ったのは、
若い役者さんには一番初めに撮るシーンであえて難しいシーンを演じてもらう、ということなのです。
徳重くんはひとりで怒りをぶつけるシーン、
吉川晃司くん、加藤晴彦くんなどは最初から渡さんとのツーショットのシーンなど。
そして緊張感を高めて撮影に入ってゆく、とのことでした。
なるほど・・・。

映画のページ、レディ・ジョーカー

『ホテル・ニューハンプシャー』

2004-11-19 | 映画・ドラマ
ジョン・アービングの小説は大学の頃、それはそれはよく読みました。
ちょうどそのころは旬、というか、新作が次々と翻訳されて出版されていた時期でしたので、
次から次と読み、映画化されればかならず観たものでした。

最近になってこの『ホテル・ニューハンプシャー』を読み返してみたのですが、
なんだか全然読み進まないのです。
正直ショックでした。かつてあんなに熱中して読んだのに・・・。

アービングの小説ってやたら登場人物が多くて、エピソードもそれに比例するかのように次々と生まれ、
そのエピソードもむしろ辛いものばかり。
とにかく変わっていて、ファンタジーと呼んでいいのかどうか。
その内容に興味を持てなくなったのか、それとも私の読解力が衰えたのか・・・。
途中で読むのをやめてしまいました。

そしてBSで放映されていたこの映画を観ました。
そうそう、こういう内容だった・・・。
ちゅうぶらりんになっていた小説の内容もみるみるクリアによみがえってきました。

あの長い原作を2時間でよくまとめてある映画だと思います。

人は辛い目にばかり遭っていて、果たされない夢ばかり追いかけ、
そしてどんどん死んでゆきます。
でも哀しいはずのそんなシーンをわざとらしく盛り上げることなく、
坦々とストーリーはすすんでゆくのです。

原作者、監督が訴えたかったのは、
とにかく人生はひどいことと苦しいことと辛いことばかりだけど、
「開いた窓は見過ごせ(そこから飛び降りちゃダメ)」行き続けることが大事、
ということだったのではないかしら。

そこが肝だと思って観ると、すごく共感できる映画だと思います。


銀杏のおもいで

2004-11-17 | Weblog
いちょうの葉が散り始めると、地面が黄色いじゅうたんのようになってきれいですね。
小さいお子さんがいらっしゃれば、その上に立たせて絶好のフォトポイントだったりして。
いちょう並木を車で走らせると、「あぁ、秋も終わりだな・・・」とたそがれてきたり。

しかし・・・、
いちょうではなく、ぎんなんがとっても苦手なのです、わたしは。

子供の頃、秋、大雨の降った翌日など、両親が近所の神社にぎんなん拾いに行ったものでした。
父は酒飲みなので、おつまみにちょうどよいらしく、好物のようでした。
でも、あの生のぎんなんのにおいが・・・。ウッ・・・。
勝手口の外の井戸(昔は井戸なんていうものがありました)のところで母がぎんなんを洗い出すと、
家中にあのにおいが充満してしまい、それがとってもダメだったのです。

いまだもってぎんなんを食べたことがありません。
我が家の食卓にぎんなんがのることもありません。

[『W.L.ギロック・叙情小曲集』 ピアノ・伊藤仁美

2004-11-14 | ピアノ・音楽
娘のピアノのレッスンももうすぐギロックのテキストを終わりそうですし、
私の方のレッスンもしばらくギロックを離れそうですので、
今まで我慢していたギロックの曲集のCDを購入しました。

我慢していた、というのは、譜読みの楽しみがなくなってしまう、ということと、
お手本をあまり頻繁に聞いてしまうと、曲のイメージが画一化されてしまい、
特に子どもの場合、自分で曲想を考える、ということができなくなってしまう恐れがあったからです。

長くて3分程度の小曲ばかりのCDですが、
どれもギロックらしい、不思議な雰囲気の曲ばかり。
レッスンを受けた曲は思い入れ深く、初めて聴く曲は新鮮に聴きました。

演奏の伊藤仁美さんはアメリカに渡ってギロック本人から指導を受けたほどのギロック信奉者だそうです。
ギロックから伊藤さんに捧げられた曲も入っています(『蜃気楼』Mirage)。

また新たに自分でも演奏してみたい曲がたくさんみつかりました。