練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

ドラマ『チーム・バチスタの栄光』は・・・

2008-10-30 | 映画・ドラマ
白鳥が仲村トオルっていうのは全くイメージと違ったんですが・・・。

私的には白鳥はドランクドラゴンの塚地だったんだけどなぁ・・・。

でも、「犯人は小説とは違うらしい」というキャッチフレーズに惹かれて観ています。

仲村トオルもカッコいいから許す、ということで。

『海の仙人』 絲山秋子

2008-10-28 | 読書
タイトルの「海の仙人」というのは主人公の河野のことなのであるが、なるほど仙人のような暮らしをしている男である。
勤め人をしていたときに宝くじにあたり、会社を辞めて敦賀の海近くに仕事もせずに暮らしている。
アパートの家賃収入もあるが、それは全部寄付して手元には残さない。
そんな河野の近くにさまざまな人物が現れるが、その誰もがいいキャラをしている。

宝くじに当たったときに相談した会社の同僚、片桐。
まるで男のようにさばさばした性格の女。その河野を思う気持ちはしかし情け深い。

河野が愛する女、かりん。
彼女もまた河野を正々堂々と愛するのだが、病に冒され河野を残して逝ってしまう。

会社員時代の同僚の澤田。彼はまた片桐を想う。

そして亡霊なのか幽霊なのか、神出鬼没な存在、その名もまさに「ファンタジー」。

彼らの会話はとても趣き深く、真実を語っている。

やがて河野に訪れる悲劇。
でもラストは晴れた海のように明るく、未来に向かってゆくさまを感じさせる。

さまざまな困難、哀しみを乗り越えてやはり人間、生きてゆくことが大切なんだな、と思わせる話だ。

『女子の古本屋』 岡崎武志

2008-10-20 | 読書
私はご他聞に漏れず学生時代は文科系女子だった(はず)。
当時のはやりでテニスのサークルになんか入っていたが、
根はインドア派の文学少女(大学生だからもはや少女ではないのでしょうが)だった。

住んでいた町に古本屋が多く、案外文化人も多かったので、
面白い古本屋も今考えると結構たくさんあった。

だいたい、友達と遊ぼうということになって、街中の何軒もある古本屋に寄り道しながら友と古本のウィンドーショッピング、なんて、たぶんいまどきの素敵女子には考えられないこと・・・かも?

当時はどちらかと言うと、読みたい本がたくさんあるのにいちいち新刊を買っていたらおこずかいがあっという間になくなってしまうので、少しでも安く古本を買おう、という気持ちで古本屋に入ることが多かった。
なんか余裕のない、古本屋めぐりだったのだ。

でも、この『女子の古本屋』に出てくる古本屋さんの話を読んで、
「古本屋+雑貨屋」もしくは「鑑賞するための素敵な古本を集めた古本屋」「好きなジャンルの本を集めた古本屋」など、しかも女性が女性の感性で開いている古本屋が日本にこんなにあるのか、と知って、
もっと気持ちの余裕のある古本屋めぐりができるんだ、と嬉しくなった。

しかも女性は凝るときは凝る。
お店のインテリア、本のディスプレイなんかにもなみなみならぬこだわりを持ってつくった古本屋さんがたくさんあるらしい。

経営するのはそれはそれはとても大変そうだけど、
こういう素敵な古本屋さんに行ってじっくり置いてあるものたちを見て、
気に入った一冊を買って帰る、なんていう充実したお休みの日がすごせたら素敵でしょうね・・・。

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」

2008-10-16 | アート
とても素敵な想像力をかきたてられるような展覧会に行ってまいりました。

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
 静かなる詩情」
国立西洋美術館
2008年9月30日(火)~12月7日(日)

めずらしく会期始まってすぐに見に行ってきました。
前評判の段階から「是非見たい!」と思っていたからです。

ヴィルヘルム・ハンマースホイはデンマークを代表する画家でしたが、死後一時期まったく注目されなくなったそうです。
それが近年再び脚光を浴びているとのこと。
とてもよいことだと思います。これだけ素敵な作品なのですから。

彼の作品を見ていて感じたのは、そこに人が描かれていないのに人の気配、さらには何かの物語が想像できる、ということです。
「誰かに似ている」というコメントは失礼なのかもしれませんが、
私は彼の作品から伝わってくる雰囲気はアンドリュー・ワイエスのそれとよく似ている、と思いました。
どことはなしに寂寥感が漂う、「何か」の気配を感じさせるような・・・。

ハンマースホイの作品を見た方の感想で、「暗い・・・」というのがよくあるそうなのですが、
そうですか?暗いですか?好みにもよりますが、私はこの落ち着いた感じが大好きです。
煌々と明るい、燦燦と日の光を浴びているようなフランス印象派の作品も綺麗ですが、あまりに明るすぎて疲れてしまうこともあるのです。
ハンマースホイの明るすぎず、適度な明度の部屋、その先に何枚も続く扉や窓、そこから差し込む一条の日の光。
そのうっすらとした明るさが心地よいと感じます。

お部屋の絵、妻の後姿の絵、も素敵でしたが、
今回会場でとても綺麗な作品を発見しました。
数少ない風景画のひとつ、そのタイトルは「ゲントフテ湖、天気雨」です。
天気雨、そこが肝です。
暗さと日の光、そして湖に写る光、雨という水分、そして緑。
これらが組み合わさってこんなに完璧な絵ができるなんて・・・。
しばし絵の前にたたずんでいました。

ず~~~と見て、その絵の前で考えごとをしたい、そしてまた絵に心を戻して、何かの物語を想像したい、そんな作品たちでした。

『美しさと哀しみと』 川端康成

2008-10-14 | 読書
(前の記事から続き)それで、私が一番好きな川端作品は『美しさと哀しみと』です。
かなり激しいスキャンダラスな小説なので、前の記事に書いた「大げさに書かなくても激しいものは表現できる」という言葉とは矛盾してしまうかもしれませんが、
それでも補ってなおあまりあるほどの作品だと思います。

映画化もされていて、私が観たのはフランスのリメイク版でした。
主人公の女流画家はシャーロット・ランプリング、若い奔放な美しい弟子はミリアム・ルーセルでした。
これほどまでに女性が美しく撮られた映画は観たことがない、と感動しました。
それも、この原作があってのことだと思います。
オリジナルの邦画は主人公が八千草薫、弟子は加賀まりこです。
こちらも是非観てみたいと思っています。

年を重ねてきた女性のものすごく強い情念と潔さ。
それに対する若い女の狂気に近いほどの感情と歯止めの利かない行動。
女性の激しさに翻弄されて、なすすべもない男性。

川端の美しい日本語でどろどろしたこんな関係が表現されると、
こうも感動的になるのか、と驚かされます。

『山の音』 川端康成

2008-10-12 | 読書
日本人のノーベル賞受賞が嬉しい話題となっていますが、
かつて川端康成氏もノーベル文学賞を受賞したのでしたね。

日本の小説が好きであれこれ読んでいますが、
面白かったけれど1回読んだらもうそれきり、という作品と、
何度も繰り返して読みたい小説とあります。

川端作品は私にとっては後者になります。
何度も何度も繰り返し読んではその度に感動し、新しく感じるものを発見したりしています。

川端作品は日本の宝のひとつだなぁとつくづく思います。

表現がとても美しく、読んでいるうちに情景の中に自分自身も自然に入り込んでゆくような感覚を覚えます。
そしてただ美しいだけではなく、人の心の激しい浮き沈みのようなものも感じさせます。ただきれいごとだけではすまない人間の情念のようなもの・・・。
しかし、表現はあくまでも淡々と落ちついているので、よく注意深く読みこなす必要があるかもしれません。
ただ、大げさな激しい表現を用いなくても強い感情を描くことができる、と教えてくれたのは川端作品でした。

どの作品にも独特の暗さが漂いますが、それがまた美しくも感じさせるのが川端作品の魅力だと思います。

レッスン記録(10/4の分)

2008-10-07 | ピアノ・音楽
前の時間に来ていた小学生の男の子のお母さんに、
「発表会の大人のクラスのコーナー、とってもよかったです!!
感動して泣きながら聴いてました!」と言われ、こちらこそ感動です。
こちらは違う意味で泣きそうになりながら舞台に上がっていたのですが・・・。

『ハノン教本』
あ~、とにかく長いので、後半は腕がつりそうになり、指もまわらず、悲惨な状態。
「ロシア人(のピアノを練習しているある人)はこの教本を1日1回最初から最後まで練習前に全部弾くそうですよ」との先生の恐ろしいお話。

『30番練習曲 24番』 ツェルニー
左手メロディのところ、あまりにも右手が小さすぎるので、pで弾くにしてももっとしっかり音を出すように、とのこと。
それからリズムに乗ることが大事。後乗りの部分は特に。

『別れのワルツ』 ショパン
左手の練習。ベース音をしっかり出し、次の音につなげること。
中間の音は軽く。

『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹

2008-10-05 | 読書
母子三代にわたる赤朽葉家の女性たちの人生を描いた小説だが、
その生涯と「昭和」の時代がうまくリンクしていてそれが絶妙の面白さを作り出している。

私はちょうど二代目赤朽葉の手毬と同年代を生きてきたことになるので、
彼女の人生を読みながら昭和という時代を回想することになり、
「懐かしい」という気持ちなどいろいろなことを思い出し、考えたりして読むことにより、アッという間にこの長い小説を読み終えてしまった。

丙午の生まれの手毬だが、荒くれ者で手に負えないくらいの気性の激しい女が多い丙午時代に女性の暴走族である「レディース」が相次いで生まれた、というつながりが妙に説得力があって可笑しかった。

しかし可笑しくて笑えるだけでなく、なんとなく暗くて陰鬱な雰囲気が物語り全体に漂っていて、それが昭和~平成にかけての社会全体の不安感を象徴しているかのようだ。

第一部、千里眼奥様と言われた万葉の人生。
第二部、バイクで疾走するように短い人生を走りぬけてしまった手毬。
二人の異常に存在感の大きい赤朽葉家の女の人生の次に、第三部瞳子の普通の人生。
激しい物語の最後に静かに平凡な物語を持ってくることによって、読者も現実世界に戻るような気持ちになる気がした。

レッスン記録(9/27の分)

2008-10-03 | ピアノ・音楽
ブログアップする暇もままならないくらい多忙を極めていますが、
それでも5分でも1分でもいいからピアノは弾きたいし、
雨が降っても槍が降ってもレッスンには行きたいくらいピアノが好きです・・・
と、この前の発表会でもコメントしました
力がついているかどうは二の次・・・。

『ハノン  8番』
左の4の指だけでなく、3の指も意識して弾くこと、とのこと。
「このパターンは苦手ですか?」と先生に聞かれたが、
パターンが苦手かどうか、というよりも、ハノンになって1曲が長くなったので、後半部までスタミナが続かず途中で息切れしている有様・・・。
筋トレですね・・・。

『30番練習曲 24番』 ツェルニー
メロディが左→右→左→右と変わるので、よく意識してメロディを出すように。
今は1音1音をはっきり出すように弾いているが、できてきたらメロディの横の流れも意識するように。
ツェルニー30番は、私がレッスンする以前に娘が全部弾き終わっているので全曲聴いたことはあるが、この24番が一番好き!

『別れのワルツ』 ショパン
「先生、(レッスンは)この曲でお願いします!」と言ったら「え?こっちですか?」との反応・・・。
やめた方がよかったのか・・・。いや、がんばりましょう!
ショパンは左でリズムを一定のテンポを保ちつつ、右手は装飾たっぷりのメロディが独自にすすんでゆく、というパターンなので、この曲も部分部分に出てくる「音符がちっちゃくてたくさん並んでいるところ」を滑らかに弾けるようによく部分練習することが大事かと思われる。
1回のレッスンで1箇所クリア、ぐらいの気持ちでやってみよう。