今まで読んだ山本さんの作品っていうのはかなり現実的で、すごく身近にありえそうな話が多かったように思ったが、この『落花流水』は少し違う。
あるひとりの女性のほぼ一生を書き綴っているのだが、なんだか全体を占める雰囲気がおとぎ話のような不思議な感じがする。
この女性っていうのがかなり波乱万丈な一生を生きているのだが、語り口は淡々としていてそれもどこか現実感が伴わないムードだ。
『恋愛中毒』とかもすさまじくて面白かったけれど、この『落花流水』もかなり面白かった。
様々な登場人物が彼女について語ってゆく、というスタイルで、章ごと(彼女の人生10年ごと)に視点が変わるというのも面白かった。
フクザツな人間関係の中で育った子どもは同じようにフクザツな人間関係を形成するような生き方をしてしまうものなのだろうか、ということと、
どんなに波乱万丈な人生を歩んで、人の愛情だけでなく憎しみまでもその人生の中で背負って、最後は年寄りになって老いてゆくとしても、やっぱり小さな子どもの時は周囲の大人からの愛情を一心に受けて大切に育てられていたものだということを思うと、切ないような哀しいような気持ちになってしまった。
あるひとりの女性のほぼ一生を書き綴っているのだが、なんだか全体を占める雰囲気がおとぎ話のような不思議な感じがする。
この女性っていうのがかなり波乱万丈な一生を生きているのだが、語り口は淡々としていてそれもどこか現実感が伴わないムードだ。
『恋愛中毒』とかもすさまじくて面白かったけれど、この『落花流水』もかなり面白かった。
様々な登場人物が彼女について語ってゆく、というスタイルで、章ごと(彼女の人生10年ごと)に視点が変わるというのも面白かった。
フクザツな人間関係の中で育った子どもは同じようにフクザツな人間関係を形成するような生き方をしてしまうものなのだろうか、ということと、
どんなに波乱万丈な人生を歩んで、人の愛情だけでなく憎しみまでもその人生の中で背負って、最後は年寄りになって老いてゆくとしても、やっぱり小さな子どもの時は周囲の大人からの愛情を一心に受けて大切に育てられていたものだということを思うと、切ないような哀しいような気持ちになってしまった。